54話 閑話 ~歓迎会②~
今夜の歓迎会と賃貸契約の話を最後まで詰めて部屋の鍵をもらった。
家具屋に行き、購入したものを部屋に運んでもらうように依頼する。すぐに手配をしてくれるようだったので搬入してもらうことにした。
部屋の掃除は済ませてくれていたので、これで今日から住める。
異世界でようやく新居を構えた。
賃貸だけどね。
ホテルをチェックアウトした。
荷物は着替え程度しかないので移動させておく。
考えてみると、買い物まわりばかりで街をしっかりと探索していなかったことに気づく。
エージェントは知らない街に出向いたら、まずは実地調査を行うのが習性なのだが、異世界に来て気持ちが浮わついていたのか、失念していた。
店を覗くとターニャは歓迎会の料理の仕込みを手伝っているようだ。
ひとりで行くか。
今日はフェリも学校に行っている。
図書館でいろいろと情報収集をしておきたいが、リルが身元保証の申請が受理されるのに時間がかかると言っていたので手続きが終わってからになる。
あてもなく街をぶらついた。
繁華街を歩いていると、午前中なのに艶かしい一画が目に入った。裏通りに面した数件だけの区画。
娼館だ。
ムラムラと好奇心が湧いてくる。
まだ昼前なのに開いているようだ。
スレイヤーがよく利用するのかもしれない。
危険にさらされる職務についているとかなりのストレスがかかる。その捌け口として考えるとあっても不思議ではないのだ。
入ってみたい衝動が突き上げてくるが、店から出てきた一人の男を見て気持ちが冷めた。
目が合う。
「··············!」
悟りを開いたような清々しい顔をしていたが、俺を見てフリーズした。
そして目を見張るようなスピードで反転し、走り去っていった。
なかなか良い動きをするじゃないか。
ラルフよ。
統治機関がある所を中心に円を描くように放射状に広がった都市。
中央部はいくつかの区画に分かれ、ギルドや繁華街、学校などの人が集まる施設がそれぞれのエリアで配置されている。
住宅街は貴族と平民で住み分けた区画となり、中央部を囲むように広がって外部と分断する防護壁まで続いているようだ。
都市としてはしっかりと計画された機能的な作りだと言える。
街の探索を大まかに済ませて昼食でも取ろうかと考えていると防具屋を見つけた。
大きな店構えなので入ってみる。
フルプレートの鎧から簡易な胸当て、ブーツやシャツなど戦闘用の装備や衣服が揃っていた。
大太刀を身につけるための小物がないか探してみる。
袴と違って腰にはさせないので両手を使えるようにしておきたい。
小物が置いてあるブースを探してみるが、商品が多すぎてなかなかみつからない。店員を呼ぼうにも近くにはいなかった。
カウンターまで聞きに行くか···。
そう思ってると、
「何か探してるの?」
勝ち気な声が下の方から聞こえてきた。
声の方を見ると銀髪の女の子がいる。150センチそこそこくらいの身長なので見下ろすような感じになった。
くりっとした大きな瞳と小柄ながら出るとこは出ているプチグラマーな体。
ついムラムラしてしまった。




