321話 エージェントvs魔人Ⅱ①
「3人は魔法障壁が得意だったりするのか?」
タイガはマリア達に問いかけた。
「それなりに自信はあるわ。」
シェリルが答えた。
他の2人も頷いている。
「今すぐにバリエ卿と、その一行を1ヶ所に集めて、障壁を展開して欲しい。」
バリエ卿の従者や、護衛の騎士達は、傷を負っている者がほとんどだが、6人が健在でいる。本人と娘を合わせて8人。冒険者3人なら何とか防御体制ができるはずだ。
「どういうこと?」
「魔人が近づいてきている。すぐに臨戦体勢に入る。」
全員が絶句した。
「···魔人を探知できるってこと?」
「俺の四十八手あるスキルの一つだ。邪気や悪意の強いものを探知できる。」
「四十八手···。」
バリエ卿が吹き出した。
「すいません。大人のジョークです。」
この世界でも通じるのだな···。
「ジョークって、魔人のこと?」
シェリルが真面目に聞いてきた。
「いや···魔人が来るのは本当だ。」
「四十八手って、もしかしてエロいやつ?」
ティルシー、深堀りするんじゃない。
「そっ、そんな悠長なことを言ってる場合じゃないでしょ!」
マリアが至極当然のことを言った。
「···タイガ、一つ聞いても良い?」
シェリルが真顔で質問をしてきた。魔人を探知できることを知って、疑いが再燃したか。
「大公閣下のお嬢様は婚約者なの?」
···なぜ今それを聞く。
「お···おい、何だよ魔人って。俺達はどうなるんだよ!」
盗賊団が騒ぎだした。
「大丈夫だ。お前らは簡単には死なせない。」
「あ、あんた、守ってくれるのか!?」
タイガの言葉に、意外そうな言葉を返した盗賊達。
「守る?それは違うな。お前らは、これから死ぬよりも辛い償いを受けるべきだ。簡単に死ねるとは思うな。」
自らの欲望のために、罪のない人間の人生を台無しにした奴らに救いなどない。
それはどこの世界でも徹底されるべきだった。




