255話 帰路⑥
デュエル·ソルバの話を聞いて疑問だけが残った。
スレイヤーギルドを視察する上で、命を狙われる理由があるのか。それとも、別件によるものか。
連れ去ろうとするのであれば、あれだけ多くのゴーレムを投入したりはしないだろう。いや、彼らは牧師とシスターだ。命を奪うのが目的だとしても、過剰戦力だ。
「護衛の教会騎士は何名いましたか?」
「2人です。」
教会騎士の実力はわからないが、それでも2名だ。あのゴーレムはやはり過剰戦力の気がする。
「馬車の所まで案内をしてもらえますか?」
「馬車の所へ···ですか?」
デュエル·ソルバの歯切れが悪い。
「教会騎士がどうなったのか、確認をしましょう。場合によっては助けが必要かもしれない。それに、襲撃現場を見れば何かわかるかもしれません。」
「···わかりました。」
3人に前を歩いてもらい、襲撃場所への誘導をしてもらった。
途中で散らばっていた仲間に声をかけて合流を促す。
「不審な点はありませんでした。大きな魔力の波動も残っていませんでしたので、ゴーレムはもっと離れたところで成型されたのだと思います。」
「了解。」
ジェシーは経験値が高い。
現場の状況判断力に長けているようだ。
「アンジェリカさん達と、マルモア達の5名が、ゴーレムの足跡を見ながら先行しています。」
重量のあるゴーレムが歩いた形跡が、くっきりと地面に残っている。
俺は前を歩く3人の動きに注意を払いながら、周辺を警戒していた。
俺の中に1つの猜疑心があった。
狙われたのはデュエル·ソルバ達3人ではないのではないか?
あれだけのゴーレムを投入され、俺達の夜営場所に遭遇するのは、偶然にしてはできすぎではないのか?
もし、偶然ではないとしたら、彼らは敵なのか?
そうだとしたら、俺達を狙ったのはなぜなのか?
現状の少ない材料では、わからないことだらけだが、警戒をするに越したことはないのだ。




