234話 冒険者ギルド③
執務室に入った途端にバルトールは笑いだした。
「クックック···最高だな。噂通り強烈なキャラをしている。」
自分の言葉にはまったのか、腹を抱えてなお笑うグランドマスター。
「···気でも触れましたか?」
失礼じゃないか?笑いすぎだろ。
「ひぃひぃ···いや、失礼した。大公閣下やギルド内からもいろいろと噂を聞いていたが···ぷっ!···あのギルマスの顔···くっくっ。」
「あの···私はスレイヤーのスレイド·カーハートです。グランドマスターはもしかして元王国騎士団長のバルトール·チェスカ様では?」
「ああ、そうだ。ガリレオの所の倅か。ジョシュアよりも父親に良く似ている。」
「やはりそうでしたか。ご無沙汰しております。」
「俺が騎士団にいた頃以来だから、10年ぶりくらいか。でかくなったな。」
「バルトール様もお元気そうで何よりです。」
なんだ、知り合いなのか?
「グランドマスターは叔父なんです。その伝手もあって、僕達は冒険者ギルドにお世話になっていたんですよ。」
バルトールとスレイドが話している間に、ガイウスが説明をしてくれた。
「そうなのか。そう言えば、ケリーやセイルと一緒に冒険者になったのはなぜなんだ?」
「幼なじみなんですよ。学校は違いましたけど。僕は初等教育から王立帝王学専修学園、2人はスレイドさんと中等教育まで同じ学校だったみたいですね。ケリーとセイルが、『魔導学院を卒業したら冒険者になる』と言ったのを危惧した陛下が、既に冒険者登録をしていた僕にパーティーを一緒に組むように依頼されたんです。」
王立帝王学専修学園とは、文字通り帝王学を専門に学ぶ、超エリート学校だ。詳しくは知らないが、王族や上位貴族の子息が最初に目標にする登竜門になっているらしい。
「そうか。ガイウスはエリートなんだな。」
「何を基準にするかによると思います。僕からすれば、タイガさんの方がエリートですよ。」
「何の?」
「頭脳戦とか弁論の。もちろん武芸もですけど。」
「······それは素直に評価されていると喜んで良いのか?」
「もちろんですよ。」
なんか複雑な気分だ。
どちらかというと相手の意表をつくのが得意で、搦め手ばかりを使ってる気がする。人間としては曲者の部類に入るのだが。




