231話 国王からの招待⑧
「ありがとうございます。」
「タイガよ。今のが個人的な願いと言うのか?」
「はい。生活に必要な金銭は職務に従事すれば得られます。しかし、今のような希望や、聖属性魔法士の派遣については、私個人の力ではどうにもなりません。」
「···お前、ここに残る気はないか?」
「申し訳ございません。お気持ちはありがたいのですが、今は魔族の脅威に対抗することが第一です。」
「わかった。招聘して良かったぞ。久しぶりに良い気分だ。」
こうして、王城での予定は無事に終了した。
「タイガさん、よろしくお願いします。」
ワルキューレからアンジェリカとイングリットが派遣されることになった。
「急なことで申し訳ない。2人に来てもらえると助かるよ。」
共に聖属性魔法士。
イングリットは模擬戦の前に、俺に回復魔法が効かないことを心配してくれた1人だ。
「私達は自分から志願したんです。2人とも魔族に家族の命を奪われましたから。」
そう言えば、夕食会の前にアンジェリカの様子がおかしかった。魔族の話をしている時のことだから、過去の嫌な経験が思い出されたのかもしれない。
「魔族や魔物との闘いに少しでもお役に立てるのであれば、間接的に多くの人の命が救えます。非常に意義のある任務だと思っています。」
ガイウス達と違って、2人は騎士団に籍を置いたまま、時限的な措置でスレイヤーギルドに派遣される。ケリーとセイルの身辺警護を兼ねているが、魔族探知に貢献してくれるだろう。
アンジェリカは副隊長なのに大丈夫なのかと聞いてみたが、もともとケリーの警護を担当していたようだ。因みにイングリットの担当はセイルだ。
「副隊長は警護対象毎に設けられている小隊長のようなものです。ケリー様が王都を出られるのであれば、随行するのが当然ですから。」
そう言って笑顔を見せた。




