224話 国王からの招待①
バレック公爵の件が片づいた。
実際には、これから尋問や裁判などが執り行われるのだろうが、それは騎士団の役目となる。
そもそもが、来賓の俺が絡んでいたのがおかしいのだ。
「大変でしたね。」
アンジェリカが労りの言葉をかけてくれた。ワルキューレ部隊長のシリア·ボーディンから案内役を命じられたので、夕食会まで連れ添ってくれるらしい。因みに、スレイドはまた兄のジョシュアに連れて行かれたので、二人きりだ。
「バレック公爵の件は、スレイヤーとしての関連もあるから仕方ないよ。それよりも忙しいのにつきあわせてしまって申し訳ない。」
「お気になさらないで下さい。むしろ、タイガさんと一緒にいると退屈しないので役得です。」
そう話すアンジェリカは、銀髪で色白な美しさと、あどけないかわいさを兼ね備えている。甲冑を身につけているので、プロポーションまではわからないが、模擬戦を行った後でも良い香りがした。闘いの時の凛とした雰囲気とのギャップが萌える。
いや、こちらこそ役得です。はい。
「アンジェリカは模擬戦の時に剣技しか使わなかったけど、魔法属性は何かを聞いても良いかな?」
「聖属性です。回復と浄化、魔法防御にしか使えません。戦闘時には剣技に頼るしかないので、模擬戦でタイガさんにほめていただけたのがすごくうれしかったんですよ。」
謁見時の国王の言葉のせいで聖属性=性属性に聞こえてしまう···ダメだ、何か興奮する。
「実際に良い剣筋だったからね。フォームもきれいだったし。」
「きれい···。」
アンジェリカが何かをつぶやいている。
「聖属性魔法を使う人は結構いるの?」
「え、ああ···聖属性魔法ですね。全体的には一番使い手が少ないですし、ほとんどは教会に属していますから···騎士団の中では100人に満たないかと思います。」
100人かぁ···その中から数名を派遣してもらうのは難しいだろうか。
「そうなんだ。うーん、難しいかな。」
「聖属性魔法士を探しているのですか?」
「実はそうなんだ。魔族との交戦が激化しそうなんだけど、事前に存在を察知するためには、聖属性魔法士の力が必要なんだ。」
「初めて聞きました。普通の索敵では、魔族の気配は察知できないのですか?」
「魔族は魔力を隠蔽するからね。邪気を感じることのできる聖属性魔法士でないとダメなんだ。」
「そうなんですね····。」
アンジェリカは何かを考え込むような表情になり、しばらく無言だった。




