182話 王都への招聘③
街を出てから2日目の夕方だった。
途中で小さな村で一泊し、王都まではあと数時間で着く距離まで来ていた。
ここまでは何事もなく馬を乗り続けてきたが、長時間馬上にいたのでお尻が痛い。
「結構活気がある所だな。」
今いるのは王都手前にある交易都市。
他の地域からの行商人が立ち寄る場所らしく、商業が盛んなようだ。
「王都は検問でのチェックが厳しいですからね。ここで持ち込んだ商品を取引きする行商人も多いと聞きますよ。」
「物によってはここで仲買をして王都に運ぶ商人もいると言うことか。」
辺りはすでに夕闇が迫っており、スレイドとここで一泊しようと話をしていた。
「多少高くても良いからゆっくりと休めるホテルはないかな?」
「だったら案内所に行きましょう。そこでなら良い宿を紹介してくれますよ。」
こういった外来の者が多い都市では、案内所のようなものがあるらしい。おすすめのホテルや飲食店を紹介してくれるので、歩き回って探す手間がはぶけるとのことだ。
元の世界でも観光地なんかに行けばこんな感じなんだろうな。
こんな風に観光案内所があることは知っていた。ゆっくりと旅行なんかをしたことがないので利用したことはないが···あかん、なんか悲しくなってきた。俺の人生って···。
案内所に行くと、すぐに宿を紹介してくれた。
この街で一番評判の良い宿は、すぐ近くのバルが経営しており、同じ建物の中にあるらしい。
「ちょうど食事も取れますね。」
スレイドが言うように、バルとは食堂とバーが一緒になったような店をいう。朝も昼もプラムケーキや干し肉ばかりだったので、温かい食事が取れるのはありがたかった。
バルに行くと、多くの人間で溢れて活気に満ちていた。
商人や町民、スレイヤーと同じようは身なりをした冒険者など、様々な人種がいる。宿だけではなく、バルも評判の店なのだろう。
「美味しい料理が食べれそうだな。」
「ええ。楽しみですね。」
空腹にお腹を押さえながら、カウンターに行って宿の受付を済ませる。
荷物を置いて、シャワーを浴びた後にバルで落ち合う約束をして、それぞれの部屋に入った。




