166話 スレイヤーギルドの改革③
「ちょっとややこしい話になるから明日にしないか?時間がかかるぞ。」
「ギルマス補佐。今日のようなことがいつ起こるかわかりません。私達なら大丈夫ですからお話をしていただけませんか?」
ステファニーは真面目ちゃんだった。
「別に構わないが、疲れている中で科学的な話をしても構わないのか?」
「科学···。」
「無理無理。」
ほら、参加者から拒否の意思表示があったぞ。って、言ってるのはアッシュじゃないか···。
「·····科学って···難しい内容ですか?」
ステファニーも青白い顔をしている。
短い付き合いしかないが、俺はスレイヤー達をこう見ていた。
そのほとんどが、『脳筋』だと。
結局、その日の会議はお開きになった。
科学と聞いて難色を示したスレイヤーが全体の8割に及んだからだ。
魔導学院を卒業した者でさえ同じ反応を示したのは、異なる属性の魔法を掛け合わせるという概念がなく、単属性かつ単独での活用が常識とされているからに他ならない。
どこの世界でも慣習にとらわれると、常識の範囲が狭まるのは同じだ。
逆に言うと、それだけ伸び白があるということにもなる。
これまで知らなかった知識を身につけ、新しい手法を活用することは悪いことではない。
まぁ、もっともらしい事を言っているが···単に俺を嵌めるような真似をされたから、その腹いせで科学を持ち出しただけなんだが···これは内緒にしておこう。
因みに、フェリとリルは今週末から学院が長期休暇を迎えるため、しばらくはスレイヤーの仕事に集中できるらしい···ついでにテレジアも。
こちらの世界の学校では9月から進級となるため、6月の半ばから8月までが長期の休みとなるのだ。あまり気にしていなかったが、今は6月らしい。
誰だ?
ご都合主義とか言ってる奴は。
フルボッコにするぞ!




