164話 スレイヤーギルドの改革①
「今のままでは上位魔族に対抗するのは厳しい。」
ギルドに戻ってから会議が始まった。
疲弊した馬を回復させてからの出発となったので、すでに夜となっている。
参加したスレイヤーはランクAばかりで、それぞれがパーティーのリーダー級だ。そこにリルとフェリ、テレジアを含むうちのパーティーと、スレイドのパーティー全員が呼ばれていた。
「確かに。今日現れたような上位魔族に遭遇をした場合、我々ランクAが複数名でパーティーを組んでいたとしても対処は難しいですね。せめて、1パーティーごとに魔族一体と対等以上に闘えるレベルにならなければ話にもなりません。」
ステファニーが現実的な事実を述べた。
「そうだ。だが、それよりも先に魔族の存在を事前に察知できないことが最初の課題だ。ギルド内ではタイガしかそれができない。」
「ギルマス補佐はどうやって魔族の気配察知をしているんですか?」
魔族は魔力を隠蔽する。
通常の気配察知では存在を事前に知ることはできない。ステファニーの疑問はもっともだった。
「··ん···まぁ、特殊なスキルかな。」
「まさか···それもカンサイジン特有の!?」
いや、それは違うぞステファニー。
関西人の特殊スキルはノリツッコミだけだ。あとは関西弁?
「あのスキルはタイガ独自のものよ。他の人が身につけることはできないわ。」
ナイスフォローだリル。
「まぁ、魔族の気配察知については鍛えてどうにかなるものではないだろう。それについては聖属性魔法の使い手を何人か招聘するつもりだ。」
「招聘···ですか?」
「ああ。チェンバレン大公閣下にお願いをするつもりだ。騎士団直属か、教会に属している者を派遣してもらう。」
「そんなことが可能なんですか?」
みんなの視線が自然とテレジアに向かった。
「え···あ···私がお父様にお願いをすると言うことでしょうか?」
テレジアが急に注目されて焦っている。なんかかわいい。
「いくら何でも無理よ。大公閣下は公私混同はなさらないわ。」
さすがにリルは冷静だ。
「そうだな。ここはタイガにお願いしようと思う。」
は?
俺?
なんで?
「それでしたらお父様も話を聞いてくださいますわ。」
おーい、テレジア。
何が「それでしたら」か理解ができませんが。
「だと思ったよ。と言うわけで、タイガよろしくな。」
···やられた。
この腹黒アッシュめ。
俺を人身御供にするつもりだ。




