最終章 You Only Live Twice 75
さて、戦闘時の殺伐とした雰囲気よりも、こういったゆるい感じの方が精神衛生上は良いと思える。
しかし、マルガレーテやファフにしてみれば、自分たちはまだ戦っているのに何をしているのかというところだろう。
戻って来た二人の様子をうかがってみる。
ファフはあまり気にしていないようだが、マルガレーテは少し不機嫌そうに見えた。
むにっ。
俺はマルガレーテの頬を両掌で挟み込みほぐしてみる。
「ふぁいはさま···ふぁにを···。」
怒られるかと思いつつも、コミユニケーションの一環で行ってみた。
「疲れているだろうから労おうと思って。」
俺は笑顔を見せながらそう言う。
他の女性陣に機微に疎いと思われているようだからふれあいを大事にしてみたのだ。
これくらいならセクハラなどとは言われないだろう。
「···セクハラだ。」
ええ···。
パティがボヤくようにつぶやくのが聞こえてきた。
マジか···ヤバいか?
そう思ってマルガレーテを見ると、その瞳は笑っているように思える。
「···嫌か?」
いちおう聞いてみた。
「ふぉんでもありまふぇん。ふぁいがさまのねひらひをかんひまふぅ。」
何と言っているかイマイチわからなかった。
ただ、怒ってはいないようだ。
「私も労って欲しいのだけれど。」
すぐ傍でサキナがそう言った。
マルガレーテからかすかな殺気が漂う。
なぜこの二人はこうなのだろうか。
相性が悪いのか何かわからないが、もう少し仲良くしてもらいたいものだ。
「連絡がついたぞ。」
アッシュが通信により大公との連絡を試みてくれた。
多忙かと思っていたが、LIVE配信が功を奏したのかすぐにつながったそうだ。
「王都ではどのような反応をしているんだ?」
「結論からいえば、テトリアの下劣さとビルシュとの関係性が明らかになったことで、様々な憶測や物議に及んでいるらしい。それはこの国だけではなく、近隣諸国全般がそうだといえるようだな。」
「まあ、そうだろうな。」
「少なくとも、おまえへの不信感はある程度払拭されたと見ていいようだ。」
意識を失っていたのは虚偽だったのかと新たな物議を呼ぶかとも思ったが、そこはあまり気にしなくてもいいようだ。
「ああ···あと、陛下と大公、それにサキナの親父さんから問い合わせだ。タイガは男色だったりするのかだとさ。」
···男色というのは男が好きなのかということだ。
テトリアの物言いは死してもなお迷惑をかけてくれる。
いい加減にして欲しいものだ。




