最終章 You Only Live Twice 18
いろいろと考えた末に出した結論は、ビルシュに揺さぶりをかけることだった。
直接的な言葉ではなく、ほのめかしで相手の反応を見るというものだ。
ルシファーと俺が邂逅し、これまでの出来事がすべてビルシュの謀ではないかと疑心暗鬼になっている様を演じる。
極端な態度を見せれば強行的に大惨事を招く可能性があるため、様子を見ながら行う。
はたしてそれが神に近いといわれる存在を揺さぶる結果となるかはわからない。
ただ、それによって俺が疑いを持ったことは伝わるだろう。
無関係な者に危害がいく可能性もあるため、事前に他の者とも協議することにした。
様々な可能性を考慮し、可能な限り対処できる体制は整えておくべきだろう。
「まさか···。」
スレイヤーギルドの上階にある会議室に、メンバーを集めてこれまでの経緯を語った。
話をする前に客観的な立場で聞いて欲しいと伝えてはいたが、いざ経緯を語るとやはり驚きを隠せない者が多い。
「それが事実かどうかはわからない。だから過剰に反応しないでくれ。」
ルシファーとビルシュの双方が、堕天した神とその血を継ぐ者だという内容には衝撃が走ったようだ。
特にフェリやパティにとっては現実味のない話のように聞こえているらしい。
「なるほどな。だからあのときにタイガの様子がおかしかったのか。」
「黙っていて悪かった。第三者ならもっと客観的に考えることができたと思うが、当事者のひとりで意識を操作されている可能性も含めると説明が難しかった。」
一番最初に反応したファフにそう言った。
因みにクリスは参加させていない。
ここにいるのは四方の守護者に関係する者だけに限定した。
「でも、それだとタイガはテトリアとは別の存在ということだよね。だったらむしろ喜ばしいことじゃないかな。」
「パティ、話はそんなに簡単じゃないわ。もし今の話が本当なら、神に通じる者を相手にすることになるのよ。それに、これまで力を貸してくれていたと思っていた神アトレイク側が、様々な惨事の元凶ということなる。」
リルはパティに言い聞かせるように冷静に言い放った。
「何にしても、問題なのは真実かどうかをどのようにして見抜くかですね。さきほど揺さぶりをかけると言っていましたが、危険ではないですか?」
「そうよ。あなたのことだからまたひとりでやろうとするでしょう。」
めずらしくマルガレーテとサキナが同調していた。




