151話 レイド vs上位魔族⑦
「一つ聞いておこう。我の同朋達を葬ったのは貴様か?」
この一週間で連続して5体の魔族が倒された。
やはり魔族が敵が何者かを探るための手段として、多数のオークやオーガを投入してきたと言うことか。そして、普通の魔族よりも格段に強いコイツが出張ってきたのだろう。
「ずいぶんと焦ってるんだな。仲間が何人も討伐されて恐怖を感じたか?」
「質問の答えにはなっていないな。もう一度聞く。同朋を葬ったのは貴様か?」
「残念ながら違う。そいつなら他のところでお前の仲間を新たに4体討伐したばかりだ。」
「ほう···。ならばこちらは空振りか。」
すぐ後ろにオーガ達が迫っていた。このままコイツと話し込んでいても囲まれる。
さて、どうしたものかと考えていると、
「···ならば貴様達の相手はオーガ達に任せよう。」
と急に体を浮かせてそのまま上空に飛び上がった。
「···高みの見物かよ。」
はるか上空で静止した魔族はこちらを伺うような視線を投じている。
俺が大した相手ではないと認識したと言うことか。
アッシュは自分がなめられたと考えた。
だが、冷静さを失うことはない。今は先にオーガ達を殲滅することが優先だ。その上で奴を引きずり出してやる。
少し先でこちらをうかがっている仲間達を確認し、アッシュはオーガ達との戦闘に集中することにした。あの魔族が途中で割り込んでくるとは思えない。敵ではあるが、妙な気高さを感じる。卑怯な手段に出ることはないだろう。
アッシュが剣を構えると、避難していたスレイヤー達もすぐ近くまで来て同じように戦闘に備える。先程はアッシュの指示と、状況を判断して一度下がった。自分達では戦闘の邪魔にしかならない相手だったからだ。だが、オーガは違う。自分達の持てる力で排除すべき敵だ。
ステファニーがオーガに向けて先制の魔法を放つ。
風属性のマジックアロー。
的確にオーガ数体の顔面にヒットさせる。
一瞬だけ動きを止める程度のダメージにしかならなかったが、他のスレイヤー達が後続の魔法を放つ。
炎撃!
氷撃!
風撃!
致命傷にはならないが、オーガの気を削ぐ効果は十分だ。
アッシュ達は一斉に剣を構えてオーガの大群に突進した。




