148話 レイド vs上位魔族④
アッシュは4組のパーティー(総勢22名)と馬を走らせて現地に急行した。
オーガ50体に対してのレイドとしては、決して多いとは言えない人員である。
タイガ達とオーク討伐に向かったスレイヤー達と、ギルドに残してきた予備人員で手がいっぱいの状態なのだ。
「どう攻めますか?」
同行しているランクAのステファニーがアッシュに確認をしてきた。ウェーブのかかった水色の髪をしたキュートな女性だが、剣の腕前は凄まじい。スレイドと同等レベルと言っても良いだろう。
「オーガは大群で動くとしても、必ず小隊規模のリーダーがそれぞれの配下を統率しているはずた。50体いるならその内の4~5体が司令塔と考えるべきだろう。」
「では司令塔を先に潰すべきと言うことですね?」
ステファニーは頭の回転が早い。
「そうだ。奴等は物理攻撃も魔法にも耐性が強い。遠隔と近接攻撃のコンビネーションで撹乱をしながら致命傷を与える必要がある。司令塔を潰すのが優先だが、それにこだわりすぎると囲まれるぞ。」
「では状況に応じて動きましょう。弱点は頭部ですか?」
「ああ。だが、魔法を撃つなら目、耳、口を狙え。他は皮膚が硬くて大したダメージにはならない。」
「わかりました。混戦時の同士討ちには気をつけないといけませんね。」
そんな打ち合わせをしていると、監視で残っていたスレイヤー達が合流をしてきた。
「ギルマス!」
「お疲れ。動きは?」
「今のところはありません。数も報告のままです。」
巡回時にオーガを発見した彼等はそのまま監視任務に入っていた。
この合流により、オーガ討伐のメンバーは合計で27名となる。
「1人あたり2体を討伐って感じですか?ちょっときつめですね。」
オーガが相手なら1体につきスレイヤーが2~3人で対応するのがセオリーだ。非常にタフなので、1対1で持久戦になるとかなり危険というのもあるが、小隊規模で行動をすることが多いので数で負けると囲まれてしまうのだ。
「やはり援軍は難しいですか?」
「オークの殲滅地点からはどんなに急いでも4~5時間はかかる。馬の疲労を考えるとそれ以上縮めるのは無理だろう。それに···連戦を強いると犠牲者を大量に出すかもしれん。」
タイガには状況に応じた指示出しをしてくれと伝えている。何時間も馬での移動を繰り返し、連戦を行うとなると疲労度は相当なものとなる。場合によっては戦闘時にまともに動けない可能性もあるので、無理強いはできない。
「そうですね···でも向こうは30人強でオーク500体と魔族4体を討伐したんですよね?こちらも負けてられませんね。」
「そうだな。」
アッシュには言えなかった。
そのうちの半分以上···魔族に至ってはそのすべてをタイガ1人で倒したとは····士気に関わるし···。




