146話 レイド vs上位魔族②
アッシュの話ではオーガが発生したのは俺が以前に魔族3体と遭遇した山間部。この世界に始めてきたあの場所だ。
各箇所の巡回を強化した結果、スレイヤーがオーガの集団を発見したのだ。
オーガを実際に見たことはないが、鬼のような容貌で、統率がとれた集団行動をする厄介な魔物らしい。
アッシュは魔族が4体も発生したこちらの状況を省みて、自分が対処すると話していた。
彼は強い。
魔法も剣術も他のスレイヤーとは段違いの実力を持ち、冷静な判断力と経験も有する。以前に魔族と一人で闘い重傷を負ったとは聞いているが、それは何年も前の話のようだ。それからレベルアップもしているだろう。
気がかりなのは複数の魔族と対峙した場合のサポートだ。
精霊魔法が使えるフェリや、冷静な状況判断のできるリルがいればまだ安心だが、あの二人は普段は学院に通っている。それ以外のスレイヤーとなると、俺が話そうとすると急にオドオドとして目を合わせてくれないのだから、どんな相手なのかを把握できていない。
俺が魔族に対して連戦連勝でいられるのは単に魔法が効かないというイニシアチブが大きいからに他ならない。まともに闘った場合、ウェルクという魔族のように剣術に秀でた相手が複数いた場合は、かなりの厳しい闘いになることが予想できる。相手の虚をつく戦法でいつも切り抜けられるとは考えない方がいいのだ。
チャンスは絶対に逃さない。
それはエージェントとして生き残るために必要な鉄則と言えた。
アッシュのサポートに行こう。
そう決めた。
「別の場所でも魔物が大量に発生した。俺はそちらに向かう。」
パティ達に声をかけた。
「私達も行くよ。」
同じパーティーだから当然でしょといった感じで頷く4人が頼もしい。
「ギルマス補佐、我々のパーティーも同行させて下さい。今度は遅れは取りません。」
スレイドからも申し出があった。
アッシュに次ぐ実力と言われた魔法剣士と、威力の高い魔法を放つミシェルは戦力として魅力だと考えられる。
「わかった。ありがとう。」
地図を確認した。
目的地までは馬で4~5時間の距離だった。俺達はすぐに準備をして、残るスレイヤー達に後の事を指示して村を出発した。




