141話 レイド 魔族vsエージェント NextStage5
「土煙が晴れたら降りて残りのスレイヤー達を蹂躙してやろう。」
悠長にそんなことを話す魔族達に再び高速飛来物が襲った。
「なっ···!?」
連続して飛んでくる飛来物を焦った表情で避ける魔族達。飛んでくるのは先ほどのような石だけではない。丸太のようなものもある。
直撃こそはしなかったが、魔族達に震撼が走った。
絶命したと思っていた人間が土煙の中からそこら中に落ちている物を手当たり次第に投げてきたのだ。
「な···何なのだっ!なぜ生きているっ!!」
「奴は本当に人間なのか!」
「ありえないっ!ありえないぞ~!!」
口々に騒ぐ魔族達は自分達の常識が通用しない相手を初めて知覚し、パニックに陥っていた。
一方、今の光景を見た村のスレイヤー達は、
「タイガっ!」
「やっぱり生きていらしたわ。」
「タイガさん!」
「···マジか···噂以上のバケモンかよっ!」
と、安堵と驚きの言葉を口にする同じパーティーの仲間と、
「え···え···ホンマもんのバケモノや··。」
「あれが···ギルマス補佐なのか···同じ人間なのか···。」
などと魔族と同じ畏怖を感じる者達に二分された。
土煙の中にいたタイガは魔族達が自分が死んだと思い込み、村を標的にしないように手当たり次第に物を投げた。
さすがに何度も直撃するほど間抜けではないだろうが、足留めにはなったようだ。
体が土煙でどろどろになっている。早く終わらせて風呂に入りたい。
ダメージは一切なかった。
激しい爆裂魔法が降り注ぐ中でも魔法が俺を傷つけることはない。ただ、爆風で吹き飛ぶ石や木片などからはダメージを受ける。
それを防ぐのは簡単なことだった。
爆風が起こる中心部に入れば良い。台風の目の中にいると考えればイメージしやすいだろうか?魔法も着弾点から外に向けて衝撃波を生む。それが爆風となるのだ。
さすがに正面から受けて消滅をさせることは魔法の規模が大きすぎて無理だった。近くに人がいなかったのが幸いだ。
まぁ、こんな緊急避難方法を思いついたのはミシェルのメテオライト·ドライブを見たからということもある。おかげで負傷することもなかったし、後でほめてやろう。




