111話 大切な居場所③
ギルドホールに行くと周囲から歓声があがった。
「ギルマス補佐様ぁ~!」
「魔族相手に無双やったんだって?」
「大ケガしたって聞いたのにピンピンしてんじゃね~かっ!化物か?」
最後の奴、前に出てこ~い!
「タイガ!もう大丈夫なの?」
フェリが走ってこちらに来た。
「うん。ありがとうな。」
頭を撫でる。
「きゃあ~、あれが噂のナチュラル·ジゴロ·ストロークね!初めて見たわ~。」
なんだっ?
ナチュラル·ジゴロ·ストロークって!?
そんな技は知らんぞっ!
「タ···タイガ···恥ずかしいよ。」
「ああ、ごめん。」
俺もすごく恥ずかしい。
今度から気をつけよう。
「おまえなんか魔族にやられたら良かったんだっ!アホーっ!!」
えっ?
声がした方を見ると、こそこそと去っていく見慣れた後ろ姿があった···ああ、いつかアイツに刺されるかもな···自重しよう。
ラルフよ。
頼むから道は踏み外さないでくれ。
フェリに連れられてカフェに行くとリルやパティ、シスとテスがお茶を飲んでいた。
「もう英雄扱いね。」
クスッと笑いながらリルが声をかけてきた。
「なんであんな騒ぎになってるんだ?」
「やっぱり自覚がないのね。前にランクSスレイヤーは大隊と同格の戦力だと言ったのは覚えてる?」
「うん。」
「魔族とランクSが1対1で闘った場合の勝率は50%くらいと言われているの。」
「そうなのか?」
驚いた。
ランクSの基準がアッシュしかいないしな。
「アッシュも1人で倒したことはあるけど、回復魔法を使える者がパーティーにいたから無事に帰ってこれたのよ。あなたみたいに単独で3体も倒して翌日に平然としていられるなんて普通はありえないことなの。」
「いや···体はまだ痛いぞ。」
「でも入院しなかったじゃない。」
少し強い口調で言われた。
心配をしてくれているのがわかっていたので素直に謝った。
「そうだな。みんなにも心配をかけたし、今後は一人での行動は慎むよ。」
「そう思ってくれてるなら良いわ。」
ニコッと笑顔を見せたリルに、もしこの子と結婚をすることがあったら尻に敷かれるんだろうなと関係のないことを思ってしまった。




