九、ダイジェスト!愛の点火フラグはいずこ!!~ちゅーもあるよ~
さらっといくよ~。
ある日、佐賀県の祐徳稲荷に行った。
芽衣ちゃんは、いそいそと社務所へいき、なにかを購入して戻って来た。
「なにこれ」
「これ、御朱印、今流行っているらしいよ」
「へぇ~」
「ほら、いろんな所に行って集められるじゃん」
「そっか」
大助は胸のあたりがほっこりした。
このあと、2人は事あるごとに御朱印を集めるようになる。
記念すべき御朱印第一号の神社である。
2人は、お互いに時間のない時は、夕食やカラオケなどに行って出来るだけ会う機会を増やした。
11月に入り、深まる紅葉を見に大分県耶馬渓へデートに行く。
渓谷の岩々が奇岩と呼ばれるだけあって独特で、色づく光景とあい重なり、なかなかにテンションが上がる。
2人は駐車場に車を停めると、絶景場所を目指し歩きだす。
大助は震える手で、芽衣ちゃんの手を握ろうとする・・・小学生かっ。
ままよ・・・無事に手を繋ぎ、ちょっぴり肝が大きくなった彼は、道を外れ人気のない場所に入り込む。
「へーここも、景色いいじゃん。穴場だね」
「そうね」
一気にちゅーをと、大助はタイミングを見計らうも未遂に終わった。
・・・中学生かっ。
羅漢寺というお寺にロープウェイ(スキーのリフト式)があって、それに乗って羅漢寺へ、他愛のない話をしながら、お寺を見学する。
確か、なにゆえ、こんなところにロープウェイがあるか(失礼)みたいな話をした。
そして早くもリベンジの時が訪れた。
小城デートである。
芽衣ちゃんが、ネットニュースで調べた小城の竹灯籠まつり清水の竹灯りに行くことになったのだ。
前回の件もあるので、大助本当は気乗りしなかったが、行くと決めた以上は楽しんでやろうと決め込んだ。
現地には昼頃に到着、竹灯りの開始時間まで、レンタサイクルを借りて小城町を散策する。
長い階段をのぼった上に神社があり、おまいりをした後、景色を眺める。
「はい」
大助はそっと手をだす。
芽衣ちゃんはその手を取り、2人はゆっくりと階段を降りた。
手を繋ぐのがやっと自然になった大助は遅々たるお付き合いに思わず苦笑した。
夕方になり、会場の駐車場からシャトルバスに乗り清水の会場へと向かう。
奇しくもその場所は鯉こく料理を食べた辺りだった。
そんなのは竹灯りを見ると忘れてしまった。
薄明りの中、竹灯籠がいくつもぼんやりと浮かびあがる。
幻想的な光景を2人はゆっくりと歩いた。
もっとも人が多く、雰囲気を何もなかったが、竹灯りを楽しんだ。
帰りの車中、運転をする大助は、何度も今日を振り返っていた。
・・・ちゅーするチャンスあったよな・・・なっ、なっ、今日も未遂なのか・・・お前は一体いくつなんだよ。
と、自問していると芽衣ちゃんの家が間近となる。
(よしっ)
「ちょっと、公園に寄らない?」
「うん」
大助は公園の駐車場に車を停める。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・あのさ」
「・・・うん」
「・・・なんでもない」
「そう」
で、結構な気まずい時間が流れる。
「ん、もう」
芽衣ちゃんがシビレを切らす。
「ああ、ごめん」
大助は反射的に彼女の唇にちゅーをした。
「ふふ」
「はは」
2人は笑った。
ついにちゅーをした2人。こうなると大助の男の本能は止まらない。しかも来月は12月、恋人たちのクリスマス、この機を逃してはならないのだ!大助の妄想は膨らむ・・・でも、まだ早いよなとそう思う自分もいる・・・おい、お前一体いくつなんだ(笑)。次回「クリスマス、嬉し恥ずかしお泊りデート」で、18禁の壁を超えるう~・・・・・・ああ、嘘です、オブラートにしますよ~(笑)。
次回、むふふ。




