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お手伝い

「お、賑わってるな!」

「はい! これもアルン様のおかげでございます!」


 旅館の方に挨拶に行くと、かなり賑わっている様子だった。

 俺は嬉々として周囲を眺め、そして更にテンションが上がる。


 これからもっともっと領地が盛り上がっていくと思うと、興奮が抑えられないのだ。


「ところで今日はどうされました?」

「いや、なんだ。俺も旅館のお手伝いをしたくてな」


「な、なんと! 領主自らお手伝いなんて……申し訳ないです!」

「いやいや。俺がやりたいだけなんだ。すまないが付き合ってくれるか?」


「ありがとうございます。きっと泊まっている方たちも喜ぶでしょう!」


 そうして、俺は旅館の一日お手伝いをすることになった。

 まずやるべきことは接客だ。


 旅館の入り口の前に立ち、


「よかったら泊まっていきませんかー! この領地名物、温泉ですよー! 疲れ肩こり肌荒れ、全て解決しますよー!」


 叫ぶと、誰もが興味ありげに足を止めた。

 

「あ、アルン様だ!」

「アルン様が言っているなら間違いない!」

「肌荒れが治るなんて素敵! ちょっと言ってみようかな」


 よしよしよし!

 やはり俺が見ていた通り温泉効果は大きい!


 なんせ、どこにも温泉なんてこの国にはないからな。

 それに疲れや肌荒れに効くお湯なんて珍しいものだ。


 興味を示さない方が難しい話だ。


「どうぞどうぞー!」


 中へと案内し、部屋へと通す。

 部屋を見るなり、誰もが感激していた。


「わぁ。なんだかとても落ち着く空間!」

「なんだこれ。見たこと無い間取りだが……いい香りがする!」


 ふふふ。それもそうだろう。

 なんせ、この部屋は全面畳。


 畳は香りもいいし、リラックス効果もある。

 すべてアルン様の計画通りなのだ!


「さてさて、お次はお目玉の温泉ですよ!」


 お客様は温泉へと案内し、俺は聞き耳を立てる。


「わぁ! 本当に素敵!」

「肌がすべすべになるぞこれ!」

「疲労が一気に飛んでくな……!」


 よーし! 計画通り!

 無事喜んでくれているらしい。


 俺は満足げに旅館の主がいるところに戻ると、


「アルン様のおかげで更にお客様が増えましたよ!」

「お、マジか! それは嬉しいな」


「いやはや。これもアルン様の接客スキルのおかげですよ!」

「そんなことはない。あなたがここまで経営をやってきたからだ」


 そう言うと、旅館の主は感激する。


「アルン様には敵いませんな!」


 ガハハハと旅館の主としばらく笑いあった。

 いやー満足満足。


 これで明日も頑張れそうだ。


 さて、明日はゴブリンの里に向かってやるべきことをするか。

 まだまだこの領地は不完全だ。


 開拓のしがいがあるな。

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