今更戻れだなんて、そんな無茶なこと言われても困る
「お手紙が届いております!」
「え……嘘だろ?」
しばらくルル伯爵とコンタクトを取って、観光地化を進めている時のこと。
リーンが二通の手紙を持って俺の前に佇んだ。
しかしやけに興奮しているご様子で、二通の手紙をちらちらと見ている。
俺はというと参っていた。
またパーティーのような物に巻き込まれるんじゃないかとヒヤヒヤしているのだ。
さすがに先日暴れたばかりなのだから、そんなことする貴族がいるとは思えないが……。
「一通は正直クソです」
「ああ、クソなんだ」
それなら何かパーティーとかにまた呼ばれたのだろうか。
もう何回やるんだよ。リダー公爵呼ぶぞマジで。
いや、なんだか情けないから次は自分でやろう。
「でも、もう一通はとんでもないです! アルン様って何者なんですか!?」
そう言いながら、彼女が机の上にバンと手紙を置く。
どれどれ。一体誰から来ているんだ……っと。
「お! アルマじゃないか!」
そこには、アダッシュ王国の王子であるアルマの名前が記されていた。
彼とは仲良くさせてもらっていて、宮廷を離れることになって少し寂しく思っていたんだ。
手紙を開いてみると、そこにはバート領を全力で支援、支持する旨の内容が書かれていた。
おお……! すげー頼もしい!
「ご友人なんですか?」
「ああ! よく一対一やっててさ!」
すると、リーンが手を合わせて感激したような表情を見せる。
それほど不思議だったのだろうか。
「すごいです! だって、一国の王子ですよ! しかも、国ではなく領地に対して支援支持してくれるなんて……! こんな話聞いたことありません!」
「まあ、普通はないわな。いやー本当にいい友人を持ったよ」
国からも支持されたら、間違いなく俺の領土の地位は格段に上がる。
それも彼の国はかなり大きい。なんなら、俺たちが住むルルガ王国よりも発展している。
転移装置なるものが完成したという話も昔聞いていたから、今後交渉してこちらへの移動手段として使えるかもしれない。
これからが楽しみだ。
「んで、クソな方だな」
ちらりと見てみると、『ルルガ王国第一王子ビビリ』と書かれていた。
俺は思わず天井を見上げてしまう。
「確かにクソな可能性大だな……」
「でしょう? 腐った王族からの手紙なんて破り捨てちゃおうかと思いましたよ」
「さすがにそれはするなよ……?」
「考えておきます」
本当だろうな。
彼女なら普通にやりかねないのが怖い。
ただ、それほど俺のことを信用してくれている……とも考えられるが。
さて、この手紙をどうするか。
ま、答えは決まっているんだが。
「『お断りさせていただきます。王族にはもう興味がありません。というか急に呼び捨てになったな、兄さん悲しいよ』っと」
もう少しひねりを効かせたいな……。
そうだ。あれ書こう。
『領民が信者化しちゃってるので、そもそも帰らせてくれません。第一王子であるビビリ殿、ごめんね』
「よーし完璧だ。リーン、この手紙出しといてくれ」
「分かりましたー! アルマ様のお手紙はどうします?」
「あー。アルマには直接会いに行くわ。お礼もしたいしね」
「分かりましたー!」
ふぅ。
ともあれ、ビビリも面倒なことしてくるなぁ。
今更戻れだなんて、そんな無茶なこと言われても困る。
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