パーティーへ
「お似合いです!」
「似合ってるよ!」
「うむ。似合っているな!」
「そ、そうか……?」
俺は燕尾服を身に着けて、まさに貴族の格好をしていた。
そしてルイン、お前はかなりフランクになったな。まあそっちの方が俺も楽なんだけど。
さて、俺はこれからルル伯爵が主催するパーティーに向かうことになる。
リダー公爵とは既に打ち合わせ済みで、一緒に行くことになっていた。
ともあれ、今はリダー公爵を迎えに行かなければならない。
「リーンもよし、ルーシャもよし。ドレス、似合っているぞ」
「ありがとうございます! こんな服着たの初めてです!」
「妾もー!」
二人は絢爛なドレスを身に着け、楽しそうにステップを踏んでいた。
ちなみに、このドレスは俺お手性のものだ。頑張ってスキルを生み出してドレスを生成した。
まさかドレスを生成するスキルを生み出すことになるとは思わなかった。
「ルインは悪いな。俺が不在の中、領地を護ってくれるんだって?」
「ああ。団長の領地は我々騎士団が護らせていただく。なので、思い切りルル伯爵とやらのパーティーを壊してきてくれ」
「さすがにぶち壊したりはしないよ」
後悔はさせるけど。
「それじゃ、リダー公爵迎えに行くぞー」
「「はーい」」
◆
「おまたせ」
「くぁわいいいねぇぇぇぇぇぇ!? お二人さんとっても素敵だよぉぉぉぉ!」
しばいといた。
絶対にこうなるって思ってたわ。
というわけで、俺たちは転移スキルでルル伯爵領へと向かう。
位置的にはバート領の隣である。
転移スキルを通り抜けると、大きな屋敷が目の前に現れた。
ここがルル伯爵の屋敷であろう。
「な、なんだ……!?」
屋敷に入り口に立つ兵士が俺たちを見て悲鳴を上げそうになる。
「あっと……リダー公爵、頼む」
さすがにいきなり人が飛び出してきたら驚くだろう。
ここで騒がれても困るので、リダー公爵の顔を使って黙らせておいた。
さすがは公爵。どこでも顔パスか。
ともあれ、兵士は公爵なんて招待したかなと不思議そうに首をかしげていた。
それもそうだ。
招待してないもん。
「パーティー……ドキドキしますね!」
「妾楽しみ! いっぱいご飯食べるね!」
「うんうん、二人とも可愛くていいね。それじゃあ、アルン。ちょっと暴れようか」
「ああ。ルル伯爵のやつを驚かせてやろうぜ」
庭に入り、一旦はリダー公爵とは解散する。
とりあえず隠れてもらう感じだ。
後は……。
「おやおや? アルンさんじゃないですかー。待っておりましたよ」
「……今回はお呼びいただき誠にありが――」
瞬間、俺の頭にグラスを傾け、ワインを流した。
「アルン様……!」
「何やってるの!?」
びしょびしょになった顔を拭いながら、前を見る。
「ようこそ。私主催のパーティーへ! さぁ、皆さんもアルンに拍手を!」
――パチパチパチ!
まったく、拍手喝采だな。
俺はよほど歓迎されているらしい。
「ルル伯爵。今回のパーティー、とても楽しみにしておりました」
ニヤリと笑いながら、俺は顔を上げた。
さて、ここからが勝負だ。
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