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勇者の弟妹 ~~Tales of the new Legends~~  作者: ヒマジン
第3章 騒動の開始編

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第47話 追われる者達

 刀花とアテネに救われた浬達一同だが、そうしてその後に刀花の指示で移動した先は、天神市の中心部にある高級マンション、というかフェルのセーフルームだった。

 そうして一同が入った部屋の中には、人型に変わったカイトと、相変わらずワインを片手にしたフェルが座っていた。


「よっ、おつか、げっふ!」


 入ると同時に高速移動か、と思えるほどの速さで近づいた浬からの問答無用の一撃を浴びて、カイトが昏倒する。みぞおちに綺麗に入っていた。


「い、いってててて・・・お前、兄貴に容赦ねえな!」

「なんか文句ある!?」

「ありまくりだボケェ!」


 幾ら世界最強と言われようとも、気を抜いていればおしまいだ。なので問答無用の妹からの一撃はもろに入っていた。と、言うわけで、暫くの間、二人の間で兄妹喧嘩が始まる。


「ちょっと、どういうつもり! なんで天道家にまで隠すの!?」

「しゃーねーだろ! オレの正体は極秘事項! 超一級のトップ・シークレットなんだよ! てめえにあの馬鹿共が接触した、ってのがバレると、確実にオレの正体に近づかれんだよ!」

「いいじゃん! そんなのどうでも! せいぜい追われれば!? 私達は天道家か国の庇護の下、ぬくぬくとするもん!」

「オレの庇護下の方がよっぽど安全なんだよ!」

「信じられるわけないでしょ!」


 まあ、売り言葉に買い言葉、だろう。カイトは真実しか語っていないのだが、兄妹喧嘩の上に真実とは普通は信じられない様な言葉ばかりなので、信ぴょう性は一切皆無だった。


「第一、現にさっきの男の人だってお兄ちゃんの知り合いでしょ! もろにお世話になってます、って挨拶してたもん!」

「その時点でお前狙いじゃねーだろうが! お世話になってます、じゃ、死ね! って何処のギャグマンガだよ!」

「でも実際にそうだったじゃん!」

「それならさっさとぶった切られるだろうが! 奴舐めんなよ! その気になりゃ一瞬でてめえらさいの目切りどころかみじん切りだ! どう考えても、あんなお前らでも燃やせる程度のおもちゃ持ち出してる時点で殺す気無しだろうが! しかも、殺す気無し、って言われて、お前らついで、的な事いってただろ! お前ら狙いじゃねーよ! 奴は空也狙いだ!」

「え・・・?」


 カイトからの指摘を受けて、浬はようやく、自分と海瑠が標的では無く、更には男に自分達を真実害するつもりが無かった事に思い至る。そうして、落ち着いた浬に対して、フェルが呆れ気味に問い掛けた。


「はぁ・・・落ち着いたか?」

「・・・う、うん」

「ふぁーあ・・・・その上で、一つ言わせてもらえれば、こいつの言っている事は真実だ。こいつの下より安全な所があれば、ぜひとも聞いてみたいな」


 あくび混じりのフェルが、カイトの言葉を改めて肯定する。とは言え、信じられないのもまた、事実だ。なにせ彼女らにとっては兄は兄、なのだ。信じられるはずが無い。


「分からんか? じゃあ、試しにその使い魔に今度こそ、一撃を与えてみろ。それで分かる」

「は?」


 たった今さっき、問答無用にみぞおちにケリをぶち込んだ所だ。この使い魔は自律行動が出来る様にしたいわば指揮官型とでも言うべき物で、力はそんなに強くは無いのだろうな、というのが、一同の予想だった。と、言うわけで、浬は兄に遠慮無く、一撃を加えさせて貰うことにする。まだ腹に据えかねる物は山程あったので、本当に遠慮のない行動だった。


「じゃあ、遠慮無く」

「って、マジに遠慮ねえな、おい!」

「・・・え? んぬぬぬぬ! ふんぬぬぬ!」


 ぱしん、という乾いた打撃音と共に、浬の放った拳はカイトによって防がれていた。だが、可怪しいのはここから、だった。浬が幾ら力を込めても、カイトの腕はびくともしないのだ。と、そんな必死な浬に対して、カイトが嘆かわしいとばかりに首を振った。


「浬・・・流石に兄として、もうちょっと、お上品さを手に入れてください、って言わせて・・・」

「な、何これ! むちゃくちゃ力強!?」


 どうやらムキになっているらしい浬はなんとかして腕を動かそうと顔を真っ赤に染めてがんばるも、腕はびくともしない。そんながさつな妹に、カイトは呆れるばかり、だった。


「当たり前だろ。オレが本気でやったら核兵器ワンパンで超えるからな」

「貴様の本気はここから月を割るだろう」

「んちゃ、とか言ってぱかっ、となって次の一コマじゃあ元通り、ギャグにも対応してるぜ」


 フェルの苦笑気味の言葉に、カイトが笑って明言する。ちなみに、彼の場合本当に出来るので油断ならない。


「そ、それがデフォルト・・・じゃないよね?」

「ふむ・・・それが軽く出来るとなれば、後は私、ティナの二人ぐらいだろう。他はまあ、出来る奴も居れば、出来ない奴も居る、という程度か」

「ちなみに・・・出来るのはどの程度ですか?」

「ふむ? そういえば見たことのない小僧だな」


 空也が口を挟んだのを受けて、ようやくフェルの意識が彼に向く。知っての通り、彼だけは別の中学校に通っている。そしてフェルはカイトの友人であり空也の兄であるソラの事はそれなり、という程度に把握しているが、結局はそれなり、という程度なのでその弟である空也の事は知らないのであった。


「あ、申し訳ありません。天城 空也です。お見知り置きを」

「ふむ・・・天城か。あの男の息子、というところか。確か貴様の友人には弟がいたか。それか?」

「ああ。空の弟だ」

「ふむ・・・ならまあ、覚えておこう」


 カイトからの返答に、フェルが記憶に値する、と判断したらしい。まあ、彼女の判断基準は基本、カイトかティナ、そして自らに関係があるかないか、だ。カイトの友人の弟であれば、記憶するに値する男、だったらしい。

 ちなみに、彼らの父である『天城 星矢』については、一応カイトの協力者ということで記憶していた。一家揃って記憶しているのは結構稀な事だったりする。他にはカイトの幼馴染一家、ぐらいだろう。

 あそこも色々あって母親から子供達を把握していた。特に子供の方の長姉はフェルとも仲が良く、彼女が公然と気に掛けるほどであった。


「でだ、質問か・・・さて・・・まあ、ミカエルかガブリエル程度なら、月を割れるだろうな。元通りに出来るかは知らんが。まあ、ガブリエルなら半泣きで頑張るだろうが・・・ミカエルはあながちどうしようかあたふたする、かもしれんな」

「ミカエル様にガブリエル様・・・かの熾天使様の事ですか?」

「様付けなぞ要らん。石頭と脳天気で十分だ」


 空也の問いかけに、フェルは傲然と告げる。二人共曲がりなりにも一組織の幹部級だ。よほどの親しい仲でなければ出来ない事、だった。


「ふむ・・・それで後、破壊出来るとなれば・・・まあ、<<斉天大聖(せいてんたいせい)>>ら七天大聖。エリザ・べランシアの母以上の格を有する奴ら、か。世界でも30人は居ないだろう」

「七天大聖・・・まさか、孫行者?」

「よく知っているな。<<闘戦勝仏(とうせんしょうぶつ)>>ないしは<<美猴王(びこうおう)>>・孫悟空(そんごくう)の事だ」

「おぉ!」


 フェルの答えに、煌士が興奮に目を輝かせる。まあ、この場の誰もが西遊記の孫悟空の名は知っている。と言うか日本人では知らない方が珍しいだろう。流石にこの名前は一同に基準として分かりやすかったのか、普段はあまり感情を表に出さない詩乃までも目を見開いていた。


「それで! その斉天大聖殿はどんな御方なのだ!?」

「む? まあ、猿か。メスザルだな」

「メス? 女怪というわけか?」

「まあ、そうなる」


 煌士の驚いた様な問いかけに、フェルが頷く。物語では一件男性の様に書かれていたわけであるが、実際には性別は女だった。そんな物語と真実の乖離に、煌士が楽しげに頷く。


「ふむ・・・なるほど。そういう可能性もあるわけか。そもそも美猴王は花果山(かかざん)で生まれ、とあるが、雄とも雌とも明記はされていない。なら、こちらが勝手に雄と思い込んでいただけ、という事か・・・ふむ! 実におもしろい! ではまさか<<天蓬元帥(てんほうげんすい)>>や<<捲簾大将(けんれんたいしょう)>>も女怪なのか!?」


 楽しげにどういう事が起こっていたのだろうか、と推測をしていた煌士は、更にフェルに質問を投げかける。ちなみに、彼の上げた二つの名前は所謂猪八戒と沙悟浄の天界での名だ。が、これにフェルは興味なさげに首を振った。ちなみに、もちろん正解は知っている。


「知るか。あのメスザルの旅路なぞ知る気は起きん」

「むぅ・・・それは残念至極」

「どうせなら向こうの部屋でいびきを掻いて寝ている天帝にでも聞いてこい。沙悟浄は奴の側近の一人だ。知ってるだろう」

「え?」

「インドラの馬鹿なら、朝から酒を飲んで寝ている」


 部屋の一つを指差したフェルの行動に、近くに居た海瑠が扉をそっと開いて、中を覗く。そして、そっと扉を閉じた。


「はぁ・・・」

「な、何があったの?」

「見たくなかった」


 海瑠がため息混じりに、姉に報告する。何があったのか、というと、酒瓶を抱いてベッドで高いびきをたてながら寝ている教師の姿があったのであった。

 一応言っておくが、今はまだお昼と言って良い時間帯だ。朝っぱらから酒を飲んで昼間から寝る、なぞダメ人間と呼んで良い状況だった。

 いや、まあ、彼は人間では無く神様の王様なので良いのかもしれないが。そうして、そんな知る者からすれば予想出来た状況に、刀花が呆れ返って、本題に話を戻す事にした。


「やれやれ・・・それで、本題に戻した方が良いのではないか?」

「まあ、それが良いだろう。あの女誑しの馬鹿神は捨て置け。とりあえず、カイトはこの地球上最強の存在だ。その庇護下に、ということは即ち、世界の中で最も安全地帯に居る、という事だ。天道などという塵芥の庇護なぞ宛にする必要はない」

「ち、塵芥・・・ですか? 幾らなんでも天道をそう・・・」


 詩乃が少しだけむっ、としながら、フェルに反論を行う。だが、そんな詩乃に対して、フェルはカイトのバックを出して、問い掛けた。


「ほう・・・現在のこいつの後ろには公な物だけでも日本政府にアメリカ政府、イギリス政府がついているが? それにたかだか一企業が勝てる、と?」

「なっ・・・」


 さしもの詩乃であったとしても、その3つに天道財閥が勝てるとは思わない。幾らなんでも一企業、だ。国に影響を与える事が出来たとしても、その影響力は限られる。ぎりぎり、日本ならなんとか出来るだろうが、他国となると、少し厳しい物があるだろう。


「わかったか、小娘。所詮貴様らの裏なぞその程度。どだいこいつの後ろ盾に敵うはずもない。そこで寝ている馬鹿を始め、アーサー王やゼウス、オーディン等、他にも有名ドコロを上げれば枚挙に暇がないぞ」

「お前もその後ろ盾の一つだろ?」

「その通り」


 カイトからの指摘に、フェルが少し嬉しそうに頷く。やはり尊大な彼女といえども、愛する男に頼られるのは悪い気はしないらしい。そうして、ここからはカイトが言葉を引き継いだ。


「でだ・・・まあ、そういうわけでな。下手にスパイの潜り込む天道や日本政府に頼ると、逆にお前らの身に危険が及ぶ。天道にお前らの存在と今回の一件を報せないのは、同時にお前らのため、でもある」

「スパイって・・・誰が狙うの?」


 カイトの言葉に、浬が首を傾げる。誰に狙われるのか、と言われても、理解が出来なかったのだ。それに、カイトが苦々しい顔で、頭を掻いた。


「んー・・・オレの敵。と言うか、日本の敵。現状オレって日本政府の協力者、なんだよ。で、まあ・・・数年前にちょっと大きな戦いが裏であってな。そこで結構ド派手に叩き潰してなぁ・・・まあ、ぶっちゃけ、是が非でもオレを殺そうとしてる」

「それって、もしかして・・・この間言ってた奴?」

「そうそれ」

「?」


 だが、その時に居なかった煌士達三人は、ただただ首を傾げるだけだ。と、言うわけで、カイトはその事について、改めて言及を行う。

 それは数週間前にインドラの資料にかかれてあった、極東海戦の事だ。日本海沿岸と東シナ海海上で起きた戦いで、死傷者1万数千人という凄惨な戦い、だった。


「なっ・・・そんな事が・・・」

「・・・あれ、オレ率いるお前らに手を出した馬鹿共と、ティナやエリザ達のメンツでやったんだよ。そりゃ、そんな事やってりゃ暗殺筆頭候補だろうさ」

「うぅむ・・・」


 こう言われては、煌士は納得せざるを得ない。ここまでカイトが自身の正体の露呈を気に掛けるのも、致し方がなかったのだ。敵が勝つにはどうにかして、カイトを殺すか無力化しなければならないのだ。そのためには、浬や海瑠達は、絶好の標的だったのである。

 まあ、それは実はカイトのプロファイルを行えば行うほど最悪の悪手なのであるが、それを知っていても、やってくるだろう。


「あいわかった。我輩、そう言われては、納得するしかない。それに、まさか貴殿らに密かに警護されていたとは・・・知らぬとは言え、数々の無礼。平に、ご容赦願いたい」

「ほぉ・・・お前、意外ときちんと教育されてんじゃねーか。いいね、気に入った。水に流そう」


 煌士からの謝罪と感謝を受けて、カイトは楽しげにそれを受け入れる。まあ、大して気にしている事では無かったが、丁寧に謝罪をされた以上、受け入れるのが筋だった。


「話戻そう。まあ、そういうわけで、な。天道の庇護下には入れない、というわけだ。あの馬鹿共はこれからもちょっかいを出すだろうからな」

「え? ちょっと待って・・・どういうこと?」

「あいつ一人で終わり、というわけではない、ということだ。聞けば、奴はそこの小僧に興味を抱いただけ。他にも何人かが、お前らに興味を覚えている様子だな」


 焦った様な浬の問いかけに、フェルがどうでもよさ気に答える。ここら彼らがカイトの弟妹に危害を加える事が無い事は把握済みだったので、彼女にはどうでも良い事だったらしい。

 それどころか有名所である彼らが積極的にちょっかいを掛ける事で自分達の獲物だ、と喧伝して、雑多な奴らから浬達の身の安全を保証している向きさえあるのだ。幸い、カイトを無関係にちょっかいを掛ける理由は出来ていた。放置が最善、と判断したようだ。


「え・・・どうしてそんな事になるの!?」

「あー・・・こりゃ、覇王殿達が読み誤っている、という所・・・いや、致し方がないんだがな。まあ、あの一件、実は物凄い数の神様や異族・・・妖怪達に注目されてた。そりゃ、そうなるわな」

「は・・・? あ、あの一件、ですか?」


 まさか自分の関わった一件が下でこの事態に繋がっていたとは思わず、煌士が目を見開いて驚きを露わにする。ひいては浬達が巻き込まれたのは、彼の所為とも言えたのだ。

 なお、彼の口調が丁寧に変わったのは、彼の役職やその他の兼ね合いから、そちらの方が良い、と判断したためだ。そんな煌士の驚きに、カイトが呆れ返った。


「あのな・・・当然だろ? ゼウスの爺は欧州でも有数の神だ。それを呼びつけておいて、注目されないと思っていたのか? 世界中の神様があの一件を注目してたぞ。極東の天道がゼウスを呼んで試練を行った、ってな。おまけにこれが突破しちまったもんだから、更に拍車を掛ける結果に、だ。色々とはっちゃけたあいつらがちょっかいを出そう、と考えるのも当然、という話だ」

「む、むぅ・・・」


 これには煌士も苦々しい顔になるしかない。まさに、彼の所為だったのだ。とは言え、そんな煌士の裏事情は把握していたので、カイトが苦笑して慰める。


「気にするな。お前は試練の突破を最優先に、最善の一手を考えてそれを打っただけだ。それは誰にも責められる事じゃない」

「いえ、ですが・・・」

「?」


 浬と海瑠、そして空也を見て少し顔を顰めた煌士を見て、事情は理解している空也はともかく、浬と海瑠が首を傾げる。そんな二人に、煌士は首を振って、頭を下げた。


「いや、やはり申し訳ない。二人を巻き込んだのは、我輩の不徳の致す所。如何な叱責も受けよう」

「は?」

「いや、我輩が、二人を推挙させて貰った。まさかこんな事になるとは・・・」

「え・・・?」


 煌士から苦々しい顔で告げられた告白に、浬も海瑠も目を丸くする。まさに、彼が巻き込んだ張本人、だ。それを彼も把握したが故に、全ての叱責を甘んじて受け入れるつもり、だった。とは言え、そんな煌士に対して、カイトがフォローを掛けた。


「はい、待った。それを言うのなら、把握したうえで、その時点で横に居て申し出を受け入れる事にした親父や覇王殿が叱責を受けるべきだ。親父は、親として許可を下ろした。覇王殿も然り、だ。しろ、というのもまあ、酷な話っちゃあ、酷な話だが、ここまで想定できていない親父や覇王殿が悪い。お前に罪は無い」

「え?」

「お父さんが・・・知ってる?」


 更に飛び出した情報に、二人が目を見開く。まあ、少し考えれば分かること、だった。そうして、それを改めて説明されて、二人はどうすべきか、真剣に苦慮することになる。

 父が兄のために必死の努力を行っている事は、彼女らもよく知っている。だが、それによって巻き込まれているのだ。叱責は出来るが、同時に、家族であるが故に彼の努力と苦悩を知っており、感情的に罵る事も憚られたのである。


「はぁ・・・どうすれば良いんだろ・・・」

「・・・言える事があるとすれば、自分達でなんとかするしかない、という事だろう。親には言えん。なにせ露呈を避けねばならんのだからな」


 フェルが悩みを見せる二人に告げる。最悪なことに、こういう時に頼れると思っていたはずの組織は、あてにならない事がわかってしまったのだ。そんな二人に対して、煌士が口を開く。


「我輩も、出来る限り協力させてもらおう。カイト殿はああおっしゃってくれたが、やはり一義的には我輩に罪がある」

「でしたら、私も。それが、私の役目ですので」

「私も、協力させてもらいます。と言うより、私の場合、自らも狙われていますしね」

「そうしてやれ。どちらにせよ、貴様ら5人は奴らの興味の的だ。当分の間は狙われる事になるだろうからな」


 3人の申し出に、フェルが許可を下ろす。この一件で彼女は何かしてやるつもりは無いが、助言ぐらいは、するつもりだった。こうして、浬達5人は意図せずとも、世界の流れに、巻き込まれていく事になるのだった。

 お読み頂き有難う御座いました。次回は来週土曜日21時です。

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