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まっくろなカラスのギフト探し

作者: 夕山晴
掲載日:2025/12/13


 まっくろなカラスは、空を飛ぶ。

 青い空を飛びながら、今日もギフトを探してまわった。


「あ! みつけた!」


 ゴミ箱の横に、きらりと光るビンのふた。

 よしよし、おうちに持ち帰ろう。


 宝物が一つふえた。

 カラスはにんまりとほほえんだ。




 また別の日、カラスは空を飛びながら、ギフトを探す。


「あ! みつけた!」


 ニンゲンのおうちのそばに、銀色のネジ。

 よしよし、おうちに持ち帰ろう。


 宝物がまた一つふえた。

 カラスは今日もご満悦。




 またまた別の日、カラスはいつものように探し物。


「あ! みつけた!」


 河原のはしっこに、金色にかがやく包み紙。お菓子のかけらのおまけ付き。

 甘いお菓子は口に入れ、残りはよしよし、持ち帰ろう。


 見つけたたくさんの宝物は、ぼくのもの。ぼくがもらった、これはギフト。

 カラスは大事に宝箱に仕舞っておく。




 また別の日に、カラスは空を飛んだ。

 そうして見つけた、とっておき。


「あ! みつけた! とってもきれい!」


 リボンのかざりがついた銀色のハートマーク。


 近づくと、キャンキャンと鳴く声がした。


「だめよ! それはわたしの!」


 やってきた白いイヌに向かって、黒い羽をばさばさと広げた。


「ぼくのだ! ぼくがみつけた!」

「いいえ、それはわたしのよ! 名前が書いてあるでしょ」


 ハートをひっくり返して見てみれば、ちゃんと名前が彫ってある。


「だけど、」


 ぼくが見つけたものは、ぼくのもので。

 誰からももらえないぼくの、ぼくのためのギフトで。


「そんなに欲しいの? じゃあ、あげる」

「え?」

「いいの。わたしが大事なのはこの名前だから。あの子がつけてくれた名前はあげられないけど、このリボンはあなたにあげるわ」


 白いイヌはほえるのをやめて、鼻を近づけてきた。


「お近づきのしるしよ。プレゼント」


 カラスは驚いた。

 驚いて、落としそうになった首輪のチャームをそっと返して。


 ふわふわの白いイヌからリボンを受け取った。

 可愛らしいピンクのリボンだった。


「……ありがとう」


 カラスはそれを大事にくわえておうちに持ち帰った。


 宝箱の一番上に仕舞ったリボンは全然光らない。

 だけど、いちばんキラキラしているぼくのたからものだ。





 まっくろなカラスは、それからときどき、ピンクのリボンを胸につけて。

 白いおともだちに会いに行く。


 ——キラキラの笑顔で。


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― 新着の感想 ―
光らないけど一番きらきらして、一等の宝物になったリボン 素敵なお友達が出来て良かったね、カラスさん( *´艸`)
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