まっくろなカラスのギフト探し
まっくろなカラスは、空を飛ぶ。
青い空を飛びながら、今日もギフトを探してまわった。
「あ! みつけた!」
ゴミ箱の横に、きらりと光るビンのふた。
よしよし、おうちに持ち帰ろう。
宝物が一つふえた。
カラスはにんまりとほほえんだ。
また別の日、カラスは空を飛びながら、ギフトを探す。
「あ! みつけた!」
ニンゲンのおうちのそばに、銀色のネジ。
よしよし、おうちに持ち帰ろう。
宝物がまた一つふえた。
カラスは今日もご満悦。
またまた別の日、カラスはいつものように探し物。
「あ! みつけた!」
河原のはしっこに、金色にかがやく包み紙。お菓子のかけらのおまけ付き。
甘いお菓子は口に入れ、残りはよしよし、持ち帰ろう。
見つけたたくさんの宝物は、ぼくのもの。ぼくがもらった、これはギフト。
カラスは大事に宝箱に仕舞っておく。
また別の日に、カラスは空を飛んだ。
そうして見つけた、とっておき。
「あ! みつけた! とってもきれい!」
リボンのかざりがついた銀色のハートマーク。
近づくと、キャンキャンと鳴く声がした。
「だめよ! それはわたしの!」
やってきた白いイヌに向かって、黒い羽をばさばさと広げた。
「ぼくのだ! ぼくがみつけた!」
「いいえ、それはわたしのよ! 名前が書いてあるでしょ」
ハートをひっくり返して見てみれば、ちゃんと名前が彫ってある。
「だけど、」
ぼくが見つけたものは、ぼくのもので。
誰からももらえないぼくの、ぼくのためのギフトで。
「そんなに欲しいの? じゃあ、あげる」
「え?」
「いいの。わたしが大事なのはこの名前だから。あの子がつけてくれた名前はあげられないけど、このリボンはあなたにあげるわ」
白いイヌはほえるのをやめて、鼻を近づけてきた。
「お近づきのしるしよ。プレゼント」
カラスは驚いた。
驚いて、落としそうになった首輪のチャームをそっと返して。
ふわふわの白いイヌからリボンを受け取った。
可愛らしいピンクのリボンだった。
「……ありがとう」
カラスはそれを大事にくわえておうちに持ち帰った。
宝箱の一番上に仕舞ったリボンは全然光らない。
だけど、いちばんキラキラしているぼくのたからものだ。
まっくろなカラスは、それからときどき、ピンクのリボンを胸につけて。
白いおともだちに会いに行く。
——キラキラの笑顔で。




