表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/122

勘違いなさらないでっ! 【48話前半】

 投稿遅れました。すみません。

 予想外のマイコプラズマ肺炎に襲われましたww

 感染経路は……ちびっこです。

 急に寒くなりましたからね。体力弱っていたみたいです。


 そんなんで、すみませんが、前半投稿となります。後半急ぎます!!

 さてと、と言いながらサイラスが肩の力を抜く。

「とりあえず、めぼしい者達との会話はすんだ。まあ、ホードル卿が姫を同行させてくるとは予想外だったがな」

「他国のことだから悪く言いたくはないけど、あの方が外交で大丈夫なのかしら。王女に対する態度もあんまりではないの? わたくし、おもわずあの王女はニセモノじゃないかって疑ってしまったわ」

「まあ、希少なものを輸出している国として、それなりの待遇を受けているうちにああなったのかもしれないな」

 どうでもよさそうに言うと、両腕をのばして思いっきり背伸びをする。

「ああ、疲れた」

「じゃあ帰りましょう。あなたが帰らずとも、わたくしは帰るわよ。体調を崩したとでも適当に理由つけておけばいいでしょうし」

「俺も帰りたい――が、ライアンに呼ばれているんだ。少し待ってくれ。なんならライアンに言って、今夜の部屋を用意してもらうか?」

 そう言われ、わたくしは思いっきり顔をしかめる。

「嫌よ。今夜のことでもとんでもない尾ひれがついて噂がまわるというのに、その上で外泊なんて、離れの塔であっても無理だわ」

「……部屋じゃなくて塔かよ」

「あ、そうだわ。報酬の話だけど」

「は?」

 パッと表情を明るくして話題を変えたわたくしを、サイラスはまた目が点になって見ている。

 そんな様子にかまわず、わたくしはニコニコと話をすすめる。

「イズーリからの帰路の途中で王室献上ワインをいただいたわ。まずそれね。次に王妃様からいただいた香油を母が欲しがっていたわ。あと、イズーリ国で食べた……」

「まだあるのか!」

「王子でしょ。ケチくさいこと言わないで」

「ちょ、ちょっと待て」

 サイラスが慌ててドア近くに立つフェリドへ、目で合図を送る。

 フェリドは懐から小さな小枝のような棒を取り出して、メモを取り始める。

 その様子をじっと見ていると、サイラスから「次は?」と先をうながされる。

「そうね。アレ」

「アレ?」

 わたくしが指さしたものをサイラスが目で追うと、フェリドも自分が持つものに気がつく。

「インクがいらないの?」

「ああ、あれは黒鉛を木枠で覆った筆記具だ。まだ試作品だが」

「どうやって書くの?」

「先端をナイフなどで削って、黒鉛をむき出しにするんだ。あれだと汚れず持ち運ぶことができるし、滲みもない。戦場で水は貴重だ。手を洗わずにすむ」

 戦場っていうのはともかく、黒炭や黒鉛を削って使うのは聞いたことがあるけど、かなり手が汚れるらしい。しかも落ちない。

「うちの領地でも黒鉛が取れるわ。あまり使い勝手はないようだけど、あれが普及したらよさそうね」

「……その件は要検討、にしておく」

「お願いするわ」

 領地の端っこで結構発掘されるみたいだけど、石炭と違って燃料にもならないし(ほとんど燃えない)、ちょっとお父様も頭を痛めていたからちょうどいいわ。

「あとプリーモのチョコレート。毎月お願い。リシャーヌ様やマニエ様、あとイリスやレインにも送りたいから」

「店側の無理にならない程度に送っておく」

「ええ、ありがとう」

 にっこり笑うわたくしを見て、サイラスはため息とともに片手で顔を覆う。

 少し間を置いて「なぁ」と声をかけてくる。

「なぁに?」

 報酬の次は、と帰る段取りを考え始めていたわたくしを、顔から手をどかしたサイラスが 真剣な眼差しで見ていた。


 どうしたのかしら?


 急にピリッとした雰囲気になったので、わたくしもなんとなく身構える。

 そして、サイラスが口を開く。


「これから先何があっても――俺を信じろ」


 え?


 一瞬間を置いて、わたくしは目を細めた。


「無理」

「!」


 ポカンとなったサイラスの顔を見て、わたくしは腰に手を当てフフンと鼻で笑う。

「わたくし自分で確かめたことしか信じないの。男性の『信じろ』なんて言葉、一番無理だわ」

「……お前なぁ」

 叱られた子供のように眉尻を下げ、サイラスが珍しく弱弱しい声を出す。

「俺はお前との約束は守ってきたぞ? その実績はかってくれないのか?」

「あら、だからこそ、リシャーヌ様の前で約束したように『お友達』でいるんじゃない」

「じゃあ、その『お友達』の言葉だ。信じろ」

「無理よ。『お友達』の前に男性だもの」

「……心が狭いな」

「お互い様だわ」

「……」


 とうとうサイラスは黙ってしまった。

 何かを言おうとしていたが、困ったように目をそらしてため息をつく。


 ――この瞬間、わたくしは歓喜に震えていた。


 勝った! サイラスに勝ったわ!!


 ここまで言い負かしたのは初めてかしら? 

 嬉しさを押さえつつ、わたくしは尊大な態度を緩めない。


「ま、そうね。マニエ様にはほど遠いけど、いちおう『お友達』ということで多少は信じてあげてもよくってよ?」

「……言ったな」

「ぅっ」

 ニヤリと片方の口角を上げ、獲物を見定めたように細められた目を見て、わたくしは数十秒前の自分の甘さを怒鳴りつけたくなった。

「かっ、勘違いなさらないでっ! あなたはリシャーヌ様公認の『お友達』だから大目に見ただけよ。もちろん、半分以上『信じろ』なんて言葉は信用しておりませんわ!!」

 焦って怒鳴り返したら、サイラスの笑みが違うものに変わった。

 まるで安心したかのような、そんな微笑み。

「サイラス?」

 訝しがるわたくしに、サイラスはうなずく。

「いや、お前が信じてくれたらそれだけでいい」

 ゾワッと何かがわたくしの背中を駆け抜ける。

 わたくしは自分を抱きしめるように腕を回すと、サッと一歩のけ反るように離れた。

「きっ、気色悪いですわ! 絶対裏がありますわね!!」

「……お前はいちいちムードをぶち壊す天才だな」

 ややイラッとした口調で、いつものサイラスの顔に戻る。

「まあ、心外ですわ。わたくしの経歴を知っているでしょう!?」

「……今なら、あれは嘘じゃないかと疑えるぞ」

「バカ言わないで! 信じて欲しいなら、まずあなたから信じることね!」

 サイラスはこめかみに手を当てる。

「……どこか理不尽さを感じる」

「世の中理不尽、不公平盛りだくさんですわ。いまさらです」

「……」

 再び黙ったサイラスに区切りをつけ、わたくしは「それから」と小さく告げてドアをそばに立つフェリドを見る。

 彼は驚いたように小さく体を上下させた。

 その様子だと、つい今しがたではなく、もっと前からだったのかもしれないわね。

「あなたもいつまで笑いをかみ殺していますの!? もうちょっと鉄仮面を身につけなさい!」

「もっ、申し訳ありません!」



 ――ええ、完全なとばっちりですわね。わかっていますとも。


 読んでいただきありがとうございます。

 

 まさかの肺炎(軽いけど)。

 咳も軽いんですが、やはりどこか油断していたようです。

 冷や汗描くほどの頭の痛み、突然の息苦しさ。


 9月12日(土)に③巻発売と慶事があるのにww


 いえ、でもね。

 なにかしらわたしが不幸(!?)に見舞われると、その次いいことがあるんですよ。ええ、絶対。

 オリジナルストーリーで書き下ろした③巻ですから、きっと売れてくれるでしょう! 読んでくれるでしょう!!

 

 前回GW明けに担当様から言われました。

「6月までに書き終わらないと――ピンチです」

「それって大筋?」

「いえ。ほとんど」

「わぁーお」


 こんなんで必死に夜明け作業した原稿です。

 お盆(初盆)とかの疲れかなw


 みなさん体調気を付けてくださいね!!

 あと、ツイッターフォローしてくれた皆様やご覧の皆様、ありがとうございます。すごく日常的なことつぶやいてますww


 では、後半できるだけ早く頑張ります!!

 

 上田リサ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ