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賢者の剣  作者: 陽山純樹
真実の探求

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議論伯仲

 そこからフォルナは色々と情報を得て、ゴードンは屋敷を去った。とりあえず今回主導で動いたリーゼにフォルナ、そして俺の三人で話をすることに。


「フォルナはどう思う?」

「組織についてか? リヴィナ王子と関わりのある存在がいることは間違いないらしいな。問題は、それについてどう対処するかだが」

「精霊ウィスプがいるっていう以上は、間違いなく私達が想定していた組織でしょうね」


 リーゼが言う。俺は同意しつつ、


「とはいえ、だ。現状では彼らが悪さをしているという断定的な証拠はない。あるいは、組織を利用して誰かが個人的に……なんて可能性も否定はできないが――」

「名前が『星宿る戦士』だからね」


 リーゼの言葉に俺は頷く……なんというか、隠す必要性がないと考えているのかもしれない。


「……少なくとも、星神と関連がありそうではある。だったら、この組織について調べないといけないが」

「とはいえ、無闇に首を突っ込むのは避けたいだろ」


 フォルナが言う。うん、まさしくその通り。


「現状、星神対策に集中しているわけだが、組織のことを調べればそれだけリスクが伴う。場合によっては対策の期間が短くなるというリスクが」

「ある程度目処が立ったら、なんてのが理想なんだけどな……ただ相手がどういう風に動いているのかわからないと、手遅れになる可能性がある」

「エメナ王女のことよね? 今回の聞き取りのことを報告して、色々と動いてもらう……が、一番じゃないかしら」


 まあそれが妥当かな……で、俺は話を進める。


「フォルナ、他に聞き取りはするのか?」

「一応、当てはあるし呼んでもいる。しかし、ゴードンは参加した教授や研究者の立場は同じだと語っていた。彼が話をした限り、組織に関わっていた人間はいなかったし、また同時に関わろうとした者もいなかったらしい」

「なるほど……とすれば、仮に情報を取ろうとしてもゴードン教授と同じレベルの話しか聞けない、ってことか」

「おそらくは、な」

「だとすれば、これ以上情報を得るようなことはしないか?」

「念のため、話はするつもりだ。ただ、私としては……」

「何か気になることが?」

「気になる、という程ではないのだが……この組織は冒険者ギルドという体だろう? だとしたら、なぜこうまで王族と関わりを持つことができたのか……そこについては違和感があるな」


 組織について……確かに、気になる部分ではある。


「今後の展開を考えれば、レノ王子と接触できるレベルで人員を確保しているわけだ。とすれば、何かしらの形で潜入工作をしている人間がいるはずだが……」

「そのあぶり出しをするにしても、現状ではさすがに敵も警戒しているだろうし尻尾は出さないだろ」


 リヴィナ王子が捕まり、色々と気が立っている状況だし……これにはフォルナも同意なのか頷き、


「そうだな、ほとぼりが冷めるまでは無理な行動は控えるはず……その結果が今から半年後というわけだが」

「半年という期間は、彼らにとって十分過ぎる時間だったというわけだ」

「そうだな……君達はどうする?」


 俺はリーゼと互いに顔を見合わせる。大きな岐路に立たされていることは間違いない。

 情報を得て、俺達は星神対策を急ピッチに進めることができている。場合によっては予想よりも早く構築できる……負ければ世界崩壊という話である以上、どれだけ準備をしてもしすぎることはないし、時間はあればあるほどいいが……。


「……さすがに俺の一存では決められない。仲間とも相談しよう」


 改めて、俺達は話し合いをすることを決めた。






 とはいえ、議論そのものは紛糾した。ソフィアやリーゼは王族達に危害がという状況なので、可能な限り組織について調べようと言った。


「リスクがあるのは事実ですが、この国と一定の交流を持った以上は……」


 放っておけないというのが本音のようだ。とはいえソフィア達は双方再び騒動が起きるまで待つ、という選択もやむなしだと思っている様子ではある。

 一方でフィリやカティなんかは星神対策を優先すべきだと主張した。世界の命運が俺達に掛かっている以上、それをおろそかにはできないと。


 俺としてはどちらかというとカティ達の立場に近かった……のだが、話を聞いていて気付いたことがある。


「王族に関われば当然、それだけ星神との戦いが近づきもするし延びもする、って解釈でよさそうだな」

「延びる要素があるのかしら?」


 疑問はカティから。俺は頷き、


「今回の聞き取りで、俺は『星宿りの戦士』という組織が暗躍していて、彼らが星神降臨のために動いていると考えた。動機などはこの際考えないことにして……彼らを取り押さえることができれば、それだけ星神の復活が遠くなる可能性は確かにあると思う」

「けれどそれは、リスクのある行動よね?」

「そうだな。実際に俺達は今、王族との接触を最小限に留めて、星神対策を優先している。結果から言えば、それは非常に順調。星神との戦いで切り札となるべきものも見つけた」


 そう言いつつ、俺は仲間達を一瞥。


「時間はあればあるほどいい……が、答えのない問題でもある。どこかで見切りを付けなければいけないのも事実。もし対策の作業が早まり、結論が導き出せるとしたら……早期に動いても良いとは思う」

「結局対策次第ってことね」

「そうだな……とはいえ、だ。王族に対する魔の手は今も迫っているはず。問題は俺達が手に入れた情報を国王に伝えるかどうか」

「話をするだけで、組織の動き方も変わってくる可能性があるものね」


 リーゼは憮然とした表情で語る……正直、彼女も王女達を助けるべきという主張は厳しいと考えている。


「星神対策については、私は詳しくないけれど……仮に半年ではなくて、一ヶ月二ヶ月という単位でまとまりそうなものかしら?」

「やろうと思えばできると思う。情報を得てからの動きはこれまでの数倍……いや、数十倍というペースだ。ガルク達の作業ペースも進んでいるし、シェルジア大陸へ戻らなくとも大丈夫という雰囲気さえある」


 むしろ、ガルク達がこちらに……実現できるかどうかは別として、もうこちらに設備を移して対策をやろう、などと言ってもおかしくない状況ではあった。


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