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賢者の剣  作者: 陽山純樹
真実の探求

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敵に対する検討

 領主フォルナの提示した策に対し、俺は腕を組み思案する。


「敵対勢力を潰す、とかではなくとにかく時間稼ぎを優先か」

「ああ。先ほどソフィア王女は糾弾する材料に……と言ったが、秘密裏に探りを入れている状況だから、証拠となりそうな物が見つかるかも不明だ。そういうのを当てにするより、動きを止めて介入させない方が、より効果的だと思うぞ」


 ……そもそもエメナ王女がリヴィナ王子を糾弾する材料は今回のことがなくても十分だろうし、フォルナの案でも良さそうだな。とはいえ、


「敵は動きを止めるかしら?」


 リーゼからの疑問。そこでフォルナは、


「エメナ王女が旅を始めてずいぶん経過している……もし仕掛けるにしても、霊峰へ行くということがわかっていた以上、早期に実行しても良いはずだ。そうではなく今から調査しているということは、横から割り込んだ勢力である可能性が高い。であれば、何かしら被害が出たらボロを出さない内に引っ込めるだろう」

「なるほどね」


 リーゼも納得。フォルナの策で決定しそうな感じだが、


「でも、敵勢力の規模などをつぶさに確認しておかないといけないな」

「そこは私も難しいな」


 なら……答えは一つか。


「俺達が現地入りして、直接叩きつぶす……魔法で見た目を変えるにしても、バレたときのことを想定してできる限り調査をして一度の攻撃で確実に敵を封じ込める」

「ルオン様、行方不明扱いにするということは、貴族の私兵をどこかに隔離することになりますが」

「どうするかは敵の規模を見て判断するしかないな。人数が三人と二十人では、対応方法も変わってくる」


 まあ私兵かつ貴族の独断で動いているなら、それほど多くはないだろうけど。


「とはいえ、今のうちに対応方法を決めておく必要はあるか……何か案はあるか?」

「普通に始末するのではダメなのか?」


 もっともな領主フォルナの意見ではあるのだが……、


「うーん、全員抹殺するってことだよな?」

「星神との戦いに備えたことだ。一切の容赦を見せるべきではないと思うが」


 この辺りはドライだな……わからなくもないけど。


「……状況を見て考えるとするか」

「そうですね」


 ソフィアもこの場では明言を避けた。まあ代案がなければ行方不明という名の抹殺って感じになるだろうか。

 ただ、行動に移す場合は慎重にならなければまずい。敵勢力がどのくらいの規模なのかを含め、しっかりと相手を見極めてから動く必要性がある。


「ともかく、まずは現地へ急行しよう。シルヴィ達と合流でいいな?」

「はい」


 ソフィアが頷く。そこで俺は、


「最後に人選だが……翻訳作業について、人員は必要か?」


 フォルナに話を向けると彼女は頷き、


「ただ、正直人数がいても……という感じではあるな。そちらは自由にやっていいと思うぞ。私は私で勝手にやらせてもらう」

「そうか……なら、外に出ている俺とソフィアとリーゼで行動……カティとフィリは引き続き作業を頼む。それでいいか?」


 確認の問い掛けに仲間達は全員頷いた。

 貴族の私兵とはいえ、ソフィアやリーゼの顔を見ている可能性もゼロではないので、多少なりともリスクはあるのだが、行動に移した際に戦力は必要だからな……二人の能力はあった方がいい。


「ならエメナ王女へ連絡して、動くとしよう。全員、予定外の出来事ではあるけど、冷静に対応するように頼むよ――」






 話し合いの後、俺とソフィア、リーゼはすぐさま屋敷を出てシルヴィ達と合流するべく大陸内を疾駆する。道中で敵の動きに変化はなく、ほっと一安心だったが、現地へ到着してからが本番だし、気を引き締めなければならない。

 で、エメナ王女達から少し離れて俺達はシルヴィとラディと合流した。話によるとエメナ王女についてはラディが作成した使い魔を利用して観察し、いざという時にも即効魔法などで対応できるとのことだった。


「王女の旅そのものは順調すぎるくらいだ。こちらの援護は必要ないと思うけどな」


 ラディはそう俺達へ告げる。場所は酒場の一角。夕刻でまだ人の出入りもまばらなので、大人数なこともあり少し目立つかなと思ったが……とりあえず、こちらへ注目している面々はいない。


「で、貴族の私兵についてだが……」

「現在の居所はわかるか?」


 こちらの問いにシルヴィは頷き、


「最初、ボクらのことがバレないかヒヤヒヤしたが、どうにかなった……観察できている三人の居所については、現在の潜伏先はおおよそわかっている」

「なら俺が使い魔を用いて遠巻きに観察するか……ラディ、そちらの使い魔などに反応した様子は?」

「今のところはないな」


 相手方は俺達みたいに密かに王女を護衛する面子がいるとは想像もできないだろうからな……。


「それとラディ、敵の装備についてだが……何か特徴とかは見受けられるか? 例えば、魔力に反応するとか」

「使い魔を気取られないか、って話か。少なくともこちらの魔法に反応している気配はなかったが、持っている武器については要警戒だな」

「武器?」

「なんだか、変わった魔力を感じられた。遠巻きでもそんな風に思ったから、もしかすると星神由来の技術が使われているかもしれない」


 ふむ、その場合、敵勢力が多いと面倒なことになるか……?


「あと人数についてだが、三人に加えて伝令役の人間が一人。今のところ見つけ出せているのはそれで全部だ」

「私兵を派遣している貴族へ伝令をする人間か……待った、そいつを倒せば少なくとも連絡を遅らせることができるか?」

「その場合、貴族がどういう動きをするかわからなくなるぞ」


 シルヴィの意見。定時連絡とかしているなら、確かに伝令役がいなくなった時点でおかしいことになるかもしれないな。


「なら伝令役には行方不明になったということを貴族に伝えてもらうとするか……ただ、問題はどうやって王女の周辺を探っている人間に対処するかなんだけど」

「役立ちそうな情報をいくつか持ってきたぞ」


 そこで、ラディが何やら資料を取り出した。


「この周辺の魔物などについての情報だ。潜伏先などを割り出したら、その魔物の仕業とかにすれば良いと思ったんだが」

「ああ、なるほど……まあ表向きの処置はそれが無難か」


 俺は資料を手に取り確認する。一読した後、俺は改めて仲間へ告げた。


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