表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者の剣  作者: 陽山純樹
星神の使徒

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

727/1082

メンバー選定

「算段をつけた……か。その人物が今回、作戦の中核を担う中継者を担当する……で、いいのか?」

「時間もないし、そういうことになりそうだ」

「天使の誰かから? それとも俺に合わせて人間が?」

「人間だ。組織のメンバーになるな」

「……大丈夫なのか?」


 組織の面々は確実に強くなっている。それは間違いないが、いきなりハードルが高くなりすぎなのではないだろうか。


「俺の目から見て大丈夫だと判断し、組織の面々から選び出すことにした。とはいえ、候補から中継者となるにはもう一歩足りないのもまた事実」

「どうするんだ? 残る期間は十日もない……それまでにやらなければいけないことは多いし」

「ルオンさんが持ち帰った道具などについては、急ピッチで作業を進めることにする。時間との勝負だが、今まで手に入れた物を全て動員し、勝てる策を構築するさ……種族のトップ達がこれだけいるんだ。ルオンさんが思う以上に、作業ペースは早いはずだ」

「……俺に何かできることはあるか?」

「武具などの検証を行った後、どうするかは説明させてもらう。現段階で語っても、魔法を構築する段階でやり方を変える必要性だってあるかもしれないからな」


 そうか……ということは、


「俺のやるべきことは、先ほどの戦いのことを思い出して訓練か?」

「そうだな。他にも組織からメンバー選定する際の相談なんかもやってもらうことになるかもしれない」

「わかった……それで、肝心の候補者は?」

「ああ、彼らには少しばかり試練を与えようかと思う」

「試練?」


 思わぬ言葉に聞き返すと、デヴァルスは意味深な笑みを浮かべた。


「といっても大層なものじゃない……うん、そうだな。ルオンさんにも少しばかり協力してもらうか」

「具体的に何をすれば?」

「準備は全部こちらがやるさ……ルオンさんはそれまで鍛錬に勤しんでくれればいい」


 ニコニコし始めるデヴァルス。その表情からは、面白いことになる……そんな予感を抱いている様子。

 俺としてはなんだか不安になるんだけど……ま、今更拒否できるはずもないし、俺は同意の言葉をデヴァルスへ投げるのだった。






 その後、休憩が終わり昼を迎えたのだが……ガルクやジンとの戦いついては、中止ということになった。


『少しばかり調整を行いたい。加え、試練について手伝うことになったからな』


 俺と話し合いが終わった後、デヴァルスはガルクに何事か打診したらしい。詳細を尋ねてみたがガルクは『すぐにわかる』として説明はしなかった。

 よって俺としては今日の戦いを思い起こして鍛錬を開始する……まあやれることはそう多くない。全力でぶつかったことにより得られた魔力の感触を参考にして剣を振り魔法を使ってみる。そうしてわかったことは、普通に魔法を放つのと比べ、やり方もだいぶ違うということ。


 これは至極当然の話ではあるのだが、単純に魔力を上乗せするだけでは答えになっていない……今回の鍛錬でそれを知れたのは大きいかな。使徒との戦いにおいて、ベストな魔力の練り上げ方などを考察していく……しかし、地味だな。

 やっていることは無茶苦茶地味。まあこういうことの繰り返しが血となり肉となるわけだが……。


 で、そんな作業途中でソフィアに呼ばれた。試練の準備ができたらしいので、訓練場に来て欲しいと。


「ソフィアは詳細を聞いているのか?」

「いえ、何も」


 隣同士で会話をしながら廊下を歩んでいく。


「そういえば……幻獣の力についてはいいとしても、人間の力をどう結集させるのか」

「色々と話し合った結果、お父様が準備をしているそうです……デヴァルスさんから言われたそうで」

「いつの間に……ただ、他の種族と比べれば力は多くないはず……どうするんだろうな?」

「お父様なりに何かしら考えがあるようで、配下の者達が走り回っていますよ」

「そうか。なら、俺から言えることは何もないな」


 やがて訓練場に。そこにはデヴァルスとガルク、さらにジンの姿があったのだが……他には誰もいなかった。


「さっきまで、俺があーだこーだやっていたのと同じ場所とは思えないな……他の人達はどうしたんだ?」

「ルオンさん達がここへ来るのを待っていたんだよ。ほら、俺達だけで迎え入れる方が、何事かと相手も緊張するだろ?」

「演出的な問題かよ……」


 緊張感を保つ、という意味では間違ったやり方ではないのかな? ともあれどういったことをするのかまだ具体的に聞いていないので、俺はとやかく言うつもりはないけど……、


「それで、ここで一体何を?」

「まあ待て。まずは役者が全員揃ってからだ」


 役者? 首を傾げていると扉が開いた。入ってきたのはオルディアとロミルダの二人。


「呼ばれてきたのだが……」

「ああ、こっちに来て立っていてくれ」


 これはあれか。明確な中継者と、その候補で対面する形なのか。


「オルディアさん、そっちの作業はどうだ?」


 ふいにデヴァルスが尋ねる。オルディアの方は個別で決戦に備え準備をしている。


「ずいぶんと難儀しているが……決して、不可能というわけではない。残り日数も少ないが……間に合わせてみせる」

「ソフィアさんはどうだ?」

「今までの鍛錬とは異なりますから、こちらも苦労しています……けれど、これを達成しなければ使徒を討つことはできない以上、やれるだけのことはやります」

「ああ、それでいい……君はどうだ?」


 ロミルダに話を振ると少しばかり悩ましげに顔を険しくした。


「そちらも同じか……まあ焦る必要はない。期限は迫っているが、まだ時間はあるんだ。そもそもこれから行う作戦の魔法だって、一から作成している状況だ。むしろソフィアさん達の方が早い可能性だってあり得るな」

「悠長に語っているけど、大丈夫なのか?」


 俺の問い掛けにデヴァルスは「大丈夫大丈夫」と軽い口調で答える。


「ま、今から不安に思っていても仕方がない……作業そのものは順調に進んでいる。今はそれで良しとしようじゃないか」

「……ガルク、あんなこと言っているが」

『着実に進んではいる。後は信用してもらえればいい』

「そう言われると……なら、信じて待つさ」


 その言葉にデヴァルスは笑みを浮かべた後……すぐに表情を戻した。


「と、そろそろ来るな。ここに一度候補者を集める。そのメンバーを見て、ルオンさん達は遠慮なく意見を言ってくれればいい――」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ