表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者の剣  作者: 陽山純樹
世界を救う者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1061/1082

色々な思惑

『星神の方でも、今回の戦いで勝負を決めなければいけない理由があると』


 その発言に対し……俺はどう返そうか迷ったが、その間にデヴァルスが発言した。


「決めなければ、というよりこれ以上こちらを放置しておくとまずい、って話かもしれないぞ」

『さらなる技術を考案されるのを恐れて、か』

「そうだ。こちらから見れば星神はいつ何時復活するかわからないが、相応の対策が構築できつつある。世界全体を観察できるように。無論それはあくまで時間稼ぎにしかならないが、星神の動きを捕捉できるようにはなっているわけだ」

「星神はそれをわかっているため、今回の戦いで決着をつけようと考えている……?」


 俺の呟きに、デヴァルスは「かもしれん」と応じ、


「手駒だって無限じゃない。おそらく、今のルオンさん達に対抗できるだけの力を持っている存在はごく僅かだろう。それらをここへ呼び寄せて、攻撃した……星神は奇襲を用いて戦っても勝つのはできないと考えた。よって、情報収集させるための手駒として考えた」


 そこまで語るとデヴァルスは、腕組みをしながらさらに考察を続ける。


「星神の配下が手を組まなかったのは、星神が意図的に情報を伏せていたか、あるいはルオンさん達を倒せた方に力をやるとでも告げたか……仮に奇襲したとしても、これだけ手勢がいる状態では被害はそれほど大きくないと考えたのかもしれない」

「攻撃する側は、そんな風に思っていないだろうけどな」


 俺の言葉にデヴァルスは「だろうな」と答えた。

 たぶん星神に呼ばれた魔族と攻撃しようとしている異形の主は、自身の力に自信を持っているに違いない。そして星神の指示通り倒せると……星神とその配下同士による色々な思惑から、現状を招いていると考えてよさそうだ。


 俺は頭の中で状況を整理した後、


「ガルク、索敵についてだが、もう他に敵はいないか?」

『正直、皆無と断言できないのが辛いところだな……だが、今までとは違う手法でも索敵を行った結果、潜伏していた異形の使い手については、居所を全て把握した』

「なら、他に敵がいないのを祈りつつ、迎撃しよう……そして、決戦だ」

『今回で終わりにしたいところだな』

「ああ。なおかつ今回は籠城戦になるけど……」

「守りは任せてくれ」


 デヴァルスが自信満々に語る。


「敵にとって最大の失策は、築城を悠長に眺めていたことだ。南北にある拠点を含め、潜伏していた場所で攻撃を仕掛ければ対処できる、と踏んだのかもしれないが……それはさすがに舐めすぎだ」

「俺達が打って出るのが先か? それとも、守りながら戦うか?」

「まずは敵の能力を推し量った方がいいだろ。異形の強さはルオンさんも理解しているはずだし、今回攻めてくる敵は間違いなく主力だ。これまで戦った存在と比べ何が違うか……その辺りの検証も進めるべきだ」


 そこまで語ったデヴァルスは、意味深に笑みを浮かべる。


「この辺りで、敵に情報をとられるのも終わりにしよう……防衛において組織の中核メンバーはルオンさんやリーゼさんの指揮に任せる。他の面々に関する指示は、こちらに任せてくれ――」






 拠点内は魔法の明かりによって照らされ、厳戒態勢により天使達が動き回っている。内外をわけ隔てている防壁には魔力障壁が構成されており、侵入者を通さないよう大地の魔力を用いて強固になっているる。

 そうした状況下で、俺は拠点に設置された門の周辺にいた。使い魔を用いて空から敵の動向を窺っているのだが……どうやら敵は真正面から攻め寄せてくるらしい。


「相手はずいぶんと性急だな」

『……我らが察知していることは相手も予測済みだろう』


 ふいに右肩に子ガルクが出現して、声を上げた。


「よって、まだ悟られていないはずの真西と北東にいる異形でさらに攻撃を加える気なのだろう」

「時間差攻撃か?」

『うむ』


 それについてはこちらは看破しているので問題はないのだが……、


「敵の能力が気になるところだな。異形なのは間違いないけど」

『ルオン殿達であれば対処は可能なはずだが、星神の力を利用している以上は警戒する必要がある……ルオン殿としてはどう動く?』

「向こうが真正面から来るのであれば、それに応じる……こっちは拠点を築き城壁まであるんだ。さらに言えば城壁の上には通路まで……なら、その特性を活かして防戦させてもらうさ」


 その時、俺は使い魔で異形の数を捕捉。十数体といったところだが……いや、闇夜に紛れてまだいるみたいだ。


「数が相当多いな」

『南北に存在していた異形は、あえて人間に留めておきこちらを油断させようとしていたのかもしれない』

「でも無駄だとわかったから……ってことか。何にせよ悪趣味な相手だ。ここで仕留めたいが……問題は、首謀者がどこにいるのか」


 こちらへ進軍してくる異形の中にはいないか……? 確認作業を進めていると、黒いフードを被った人間がいることに気付く。他は等しく漆黒の異形なのに……まだ人間の形と保っているのは、指揮官的な役割があるのか、あるいは異形の作成者なのか。


 疑問を抱く間に、敵がさらに接近してくる。そこで俺は城壁の上へと移動し……門の上に到達。肉眼で近づいてくる異形達の姿を、捉えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ