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賢者の剣  作者: 陽山純樹
世界を救う者

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最上級クラス

 俺はソフィアの戦いに決着がついたと見るや、すぐさま相対している獅子の魔物へ意識を集中させる。再び挑み掛かってくる魔物。単なる突撃だが、俊敏さなどを考慮するとまともに食らえばどうなるか。

 まあ、今の俺達からすればどれほど強力であろうと対処はできるが……俺は剣に魔力を注ぐ。先ほどは防がれてしまったわけだが、今度は防御されたとしても通用するように。


 獅子が肉薄。俺は渾身の斬撃を放ち、魔物はそれをまともに受けた。感触から、先ほど以上に皮膚を強固にしたようだが……俺の剣は魔物の頭部を両断した。

 それにより、獅子の魔物は動きを止め、塵となる……他の仲間達も交戦を開始し、敵の攻撃を上手くいなしている。その中で次に決着がついたのはエイナだ。


 彼女の剣が、狼型の魔物へ叩き込まれた。そこから先は力が通用するかどうかの話になってくるのだが……魔物に刃が食い込み、エイナが振り抜くと皮膚を砕き体を抉った。それで魔物はとうとう倒れ伏す……うん、エイナも問題はないようだ。


 シルヴィやクウザについてはどうか――双方とも人間型の魔物と戦っていたのだが、シルヴィは高速の剣戟によって動きを縫い止め、クウザは接近戦にも関わらず無詠唱魔法によって完全に敵の足を止めていた。とはいえ、決定打となる攻撃が通用しなければ延々と戦い続ける羽目になるのだが……その心配は杞憂だった。


 クウザが放ったのは光の槍。それは魔力をこれでもかと凝縮した一撃であり、魔物の胸部へ突き刺さると皮膚の硬化をものともせずに貫いた。そしてシルヴィの方はもっとやり方が無茶苦茶だった。彼女の連撃――それが無数に叩き込まれる。皮膚の強化は瞬間的に行われるようだが、彼女の剣速はそれを上回り……強化できなかった皮膚に斬撃が食い込む。そこからは魔物の動きが完全に後手に回り、シルヴィの斬撃は瞬く間に魔物の体をバラバラにした。


「……いけるな」


 仲間達の戦いぶりを見て、俺はそう呟いた。


「まだ敵はいる。この調子で拠点を制圧する……さすがに、この周辺から逃がすわけにはいかない。もし町にでも行ってしまったら、大惨事になる」

「想像以上にヤバい敵だな」


 と、クウザが魔物について言及。


「単純な強化によって攻撃を防いでいるわけだが……修行をした俺達でさえも、多少工夫しなければならないレベルだ。これが町に行ったら、どうなるか想像もつかない」

「世界においても最上級クラスの魔物かもしれないな」


 俺はそんな感想を抱いていると、拠点の奥からさらなる魔物が現れる。拠点を全て確認したわけではないが、ここにいる者達は全員魔物となってしまったのだろう。


「……ルオン様」


 迎え撃とうとした時、ソフィアは俺へ呼び掛けた。


「リーゼ姉さん達の方はどうですか?」

「あっちは人数も多いし、連携で対処している。その中、単独で魔物を倒せている人間は……」


 応じようとした時、魔物が迫ってくる。


「あまり話している余裕はなさそうだな。ともかく、全員無事だ。逐一状況は確認しているから、何かあれば言うよ」

「わかりました」


 ソフィアが答えた矢先、魔物が一気に迫ってきた。今度は全員が人間を模した存在。漆黒かつ鎧を着ているようにも見えるのだが、それも肉体の一部だろう。


「先ほどと特性が違う可能性もある。全員、気を緩めないようにしてくれ」


 俺の言葉に仲間達は頷き、改めて交戦を開始する――それと共に、俺は南側にある拠点で戦闘するリーゼ達のことを観察し始めた――






 向こうとこちらの大きな違いとしては、その攻撃能力だ。俺やソフィアは、持ちうる力によって今回の魔物を一撃で沈めることができる。ただし、それができない場合はクウザやシルヴィのように工夫をする必要性が出てくる。

 エイナが倒せたように、賢者の血筋であれば問題なく応じることができるはず……それを証明するかのように、オルディアは迫る魔物へ剣戟を見舞い、その内の一体を撃破した。


 立ち回りを見る限り、オルディアは手探りで剣を振っているわけではなく、どうやらどれだけ魔力を注げば倒せるのかを見極めた上で魔物を迎撃しているようだ……そんな彼と共に気を吐いているのが、ロミルダだ。


「やあっ――!」


 放ったのは光の帯。まるでレーザー兵器のようにも見える青白い光が、魔物を飲み込んで一気に滅していく。彼女の場合はあまり加減をせず持ち前の能力によって敵を粉砕している形だ。攻撃能力だけを言えば俺達の中でもトップクラスなわけで……ロミルダが本気を出せば、防御能力など問題にならないようだ。


 それに対し、リーゼなどは……彼女は後方で敵の動きを見極めて仲間に指示を送っていた。けれどそれが一段落すると、ハルバードを手にいよいよ魔物へ向かっていく。

 彼女については、どうなのか……使い魔を通して観察する間に、いよいよ彼女が人間型の魔物と接触する。まずは挨拶代わりにリーゼは豪快にハルバードを振り抜いた。


 それに対し、魔物は漆黒の剣を盾代わりにして防ぎ、受け流した。技量は残っている……敵の中でも厄介な部類かもしれないと思いつつ、俺はリーゼと魔物の攻防を注目した。


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