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賢者の剣  作者: 陽山純樹
世界を救う者

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当然の話

 拠点へ戻り、俺は体を休める前にソフィアやリーゼと一度話し合いをすることにした。その目的は今回の騒動について。


「魔族としては星神を討とうとする俺達の所へ強襲し、自分の力を証明する……という感じだったみたいだけど……」

「これが星神によって繰り出されたものであるか、ですね」


 ソフィアが言う。俺は頷きつつさらに説明を加える。


「基本、星神は求める人間がいればそれに従うように力を与える。今回の魔族も同じだとは思うけど、さすがにタイミングが的確すぎる」

「偶然、と言いがたいものではありますが……仮に星神が狙っていたのだとすれば、その目的は私達の能力を確認するためでしょうね」

「そうだ。結果としてガルクが用意していた切り札の一つを使うことになった……ガルク」


 呼び掛けると、それに応じるように子ガルクが右肩に出現した。


「本体はどこにいる?」

『周囲の森を確認している。他に敵はいなさそうだ』

「それは良かった……で、今回用いた切り札についてだけど」

『星神に見られたからといって、まったく使えなくなるというわけではなかろう。しかし、星神は自らの力でこちらの攻撃を強引にねじ曲げることだってできるはず……同じように魔法を使用し、こちらが望むような結果になるかどうかはわからん』

「使うにしても、それに頼る戦いはできないということだな」

『そういう解釈でいい』

「とはいえ、まだ星神に対抗できる技術はある。残るそれらを総動員して、決戦を仕掛けることになりそうだ」

「ルオン様、攻撃するのは……」

「多少間を置くのか、それとも明日仕掛けるのか……正直、判断が難しいな」

『我は数日空ける方が良いと考える』


 ガルクが発言。そこで俺は、


「何か理由が?」

『魔王城周辺だけでなく、かなり広域に至るまで索敵を行うべきだ。例えばの話、今回攻撃を仕掛けてきた平行世界の存在……それとは別に敵がいて、こちらが油断している隙にという可能性は否定できない』

「仮にそうだとしたら、相当手の込んだ戦法だよな」

『ルオン殿が語ったように、星神は求める者に力を与える……分け隔てなく。問題は星神がそうした存在にどれほど干渉しているのか……今回の魔族については、我らの居所がわかるにしてもタイミングが完璧だった』

「ガルクもそこは疑問に思っているのか」

『うむ、仮に決戦を阻む刺客として仕掛けてきたのであれば……それが一つとは限らない』

「――つまり、こう言いたいのかしら?」


 と、腕を組むリーゼが俺達へ言う。


「星神は力を与えた存在を招き寄せ、私達を妨害するべく集結していると」

『星神とて、我らに滅ぼされるとわかっているなら相応の対策を行う……というのは至極当然の話だ。ならば、我らを自分の所まで来させないために、刺客を放つのもごく自然の行為だ』

「だとしたら、まだ戦いは……決戦前の前哨戦は終わっていないかもしれないのね」

『あくまで可能性の話ではあるが……もし索敵により何か捕捉することができたら、我の予想は当たりだろう』

「決戦前にずいぶんと厄介……ではあるけど、星神が抵抗していると考えれば当然と言えるか」

『うむ、そうだな』

「……なら、この拠点に長期間滞在することになる。その用意はあるのか?」

『我が確認したところ、物資面については問題はない。場合によっては我やフェウスが物資を魔法で運ぼう』


 神霊をそういう形で使うというのはどうなんだろうな……などと思いつつ、もしもの時は頼むということで結論をまとめる。


「索敵はガルク達に任せていいのか?」

『うむ、ルオン殿達は休んでいてくれ』

「わかった……ソフィアはどうする?」

「私は拠点内を見て回ります。今回は何もできませんでしたから……」

「その分決戦で大暴れしてくれればいいさ」

「頑張ります」


 というわけで、俺は体を休めることに。とはいえまだ昼間なので夜に入るまでは外で時間を潰すことにする。

 そんな中、俺は拠点内で仕事をする面々を眺める。人間だけでなく、天使が主だって動いている。それを見ると、なんというか異様な光景だなと改めて思う。


「……平行世界から仮初めの肉体を用いてここまで来たとはいえ、戦った敵は星神の影響を受けているという共通点があった」


 俺は『ソフィア』や、戦闘で対峙した天使や魔族などを思い返す。


「でも、俺達にはない……星神による崩壊を食い止めるために旅をしてきた結果、集まってくれたわけだけど……」

「その特殊性は、戦った敵とは違いすぎるな」


 声がした。振り向けば、デヴァルスがいた。


「星神を打倒するために、集まった……と言えば納得もできるが、それでもこれほどの面々が集うのは奇跡に近い。しかし、圧倒的な存在感を持つ者がいれば話は別だ」

「俺だと言いたいのか?」

「本人に自覚がないというのも面白い」

「その問答は幾度となくしてきたけど……少なくとも俺がやろうとしていることに賛同してもらっている、というのは嬉しいよ」

「世界の終わりを止めるためだからな……さて、ひとまず戦いは終わった。でも、決戦までは遠い……と、考えているか?」

「ガルクは索敵をすると言っていた。何もなければ決戦だけど、星神がこちらを妨害するために敵を使わしたのだとすれば……あの魔族だけとは考えにくいな」

「天使同士で協議をしたが、同じ結論だ。おそらくこれにはまだ続きがある」

「今回の敵以上に厄介な敵が、まだいると?」

「かも、しれない……リズファナ大陸の騒動から、世界各地を観察していたが異常はなかった。けれどもしかするとその原因は――」

「ここへ来るため、かもしれないと」

「あくまで仮定の話だが」


 ……これが真実かどうかは、ガルク達が調べることで決まる。それに対し俺は……決戦だろうがまだ地上で戦うことになろうが、万全を期す……というわけで、今日のところは体を休めることにした。

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