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じょばれ! 〜城上女子高校バレーボール部〜  作者: 綿貫エコナ
第六章(明正学園) AT獨和大附属楢木高校
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72-1(天理) あの方

 長い笛の音が試合ゲームの終わりを告げます。色々な意味で見応えのあった試合は、21―25で、獨楢どくなら新人チームの勝利と相成りました。特に森脇もりわき世奈せなさんが復帰してからの追い上げは凄まじいものがありました。


 また、明正めいじょう学園のほうも、負けたとは言えその健闘には目を見張るものがありました。大胆なラインナップ変更は、さかえ夕里ゆうりさんの活躍もあり、十二分にその成果を示したと言えるでしょう。


「…………っ!」


 一緒に観戦していた古門こかど大愛だいあが、興奮気味に拳を振ります。わたくしは微笑を浮かべて、整列する明正学園メンバーを見つめます。


「ええ、そうですわね。気が抜けませんわ」


 なんといっても、次の対戦カードは、明正学園VS聖レ新人チーム(わたくしたち)、ですからね。もっとも、対明正学園においては、わたくしたちは、負けたらお姉様たちが直々に彼女たちの相手をする取り決めになっていますので、どういう場面であれ気を抜く者など一人もいないでしょうが。


 しかし、むろん、戦うのでしたら敵は張り合いのあるに越したことはありません。今からあの変則ローテ――本気の栄さんとの勝負が楽しみでなりませんわ。


「では、下に戻りましょうか、大愛」


 言って、わたくしは階段へと向かいます。と、少し歩いたところで、急に大愛が後ろからわたくしのシャツの裾を摘んで引き止めました。


「大愛? いかがなさいましたの?」


「…………っ!」


「えっ? そんなまさか――」


 大愛に言われて、わたくしは半信半疑で体育館の入口が見えるところまで引き返しました。そして、ギャラリーの柵から身を乗り出し、そちらへ目を向けます。


「なっ……」


 そこに佇む怪物バケモノを視認した瞬間、わたくしは柵から転げ落ちるほど驚きました。


「どう、いう――ことですの……これは……?」


 誰に問うているのかわたくし自身もわかりませんが、やっと出た一言がそれでした。


 本当に、ええ、本当に、これは一大事でしてよ……?


「なぜ……! なにゆえあの方がここに――!?」


 やがてご本人の口から発せられた解答に、わたくしはただ呆然とするしかありませんでした。

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