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じょばれ! 〜城上女子高校バレーボール部〜  作者: 綿貫エコナ
第四章(城上女子) AT石館商業高校
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103(胡桃) 波乱

 修英しゅうえい学園VS玉緒(たまのお)第一の試合は、一セット目を修英学園が先取した。玉緒第一のスタメンには万智まちとひかりと由紀恵ゆきえの知り合いがいるらしく、万智とひかりは複雑な表情をしていた(由紀恵はいつもと同じだ)。


 ただ、実績的に見れば、順当な結果と言える。


 波乱が起きていたのは、その隣。


 Aコート準々決勝、落山らくざんきたVS石館(いしだて)第二。


 勝負は24―24のデュースに突入し、それを、25―27で石館第二が制した。


 あるいは、落山北は地区四位ボーダーラインだから、この下剋上も順当なのかもしれない。


 石館第二は、しずかの知り合い――石館二中出身の室井むろい冴利さえりがキャプテンを務めている。他に、万智、音々(ねおん)、由紀恵の知り合いも出ているようだ。


 一方、落山北は、とおるの先輩が中心だった。スタメンの中では、三年生でキャプテンでもあるセッター対角の矢吹やぶき奈央なお、同じく三年でセッターの浅野あさの悦子えつこ、リベロの真木まき志乃布しのぶ、そして、二年生でレフト対角の片山かたやましのぶの四人。ちなみに、落山北こっちにも万智の知り合いがスタメン入りしている。


「このままだと、石館第二が二セット目も取りそうだね」


 誰にともなくわたしは言う。応えてくれたのは、静と万智と実花みかだった。


「流れは石館第二にあると思う。勝てば県大会――こういうとき、前回大会でそれを逃して追う立場の方が、精神的には優位だよね。失うものがないから」(静)


「デュースに競り勝ったのも大きいよねぇ」(万智)


「落山北は、何か立ち直るきっかけがないと、ちょっと大変そうですね」(実花)


 わたしは後ろを振り返って、奥にいる透に声を掛ける。


「透はどう思う? 落山北のレギュラーは、半分以上があなたの先輩よね」


「私には……なんとも。勝ってほしい、とは思ってますけど……」


 そう言って、透は黙ってしまった。メンバーが全集している落山北ベンチをじっと見つめている。


 やがて、その落山北ベンチから、「ふぁいっ!!」「おおおおおっ!!」と掛け声が上がった。


 そのとき、透がスカートの裾を握りしめるのが、視界の端に見えた。


 何か、あるのだろうか……?


「……二セット目が始まる」


 わたしは、マル秘ノートの落山北のページに、小さく「透、先輩」とメモを取った。

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