ねたばれ6
『ねたばれ』は、南五バレー部の日常を主に台詞で四コマ漫画風に描くものです。過度な期待はしないでください。
<登場人物>
有野可那:南五バレー部。三年生。リベロ。髪の毛が黄色。
江木小夜子:南五バレー部。三年生。部長。前髪ぱっつん。
逢坂月美:南五バレー部。三年生。セッター。なで肩。
生天目信乃:南五バレー部。二年生。背がとても高い。
佐間田珠衣:南五バレー部。二年生。ミィ。
赤井雫:南五バレー部。二年生。眼鏡を掛けている。
結崎はる:南五バレー部。二年生。お団子が二つある。
* 黄色1
信乃「可那さんの髪の毛って、本当に黄色いですよね! 何度見ても驚きです!」
可那「おう。好きなだけ驚け」
小夜子「私はもう見慣れちゃったなぁ。世の中の黄色いものを見ると、逆に、あっ可那ちゃん色だなって思うくらい」
月美「毒されてるわね……」
可那「あん? あたしの髪のどこが毒々しいんだよ。めっちゃ綺麗だろ」
信乃「はい! 綺麗なヒヨコ色です!」
可那「カナリア色と言えコラ」
* 黄色2
月美「でも、可那の声が高くなかったら、すんなり『暴れ金糸雀』では浸透しなかったかもね」
小夜子「確かに。もっと可那ちゃんのイメージにぴったり合う黄色があるかもしれないよね」
可那「いや、カナリアで通ってんだからカナリアでいいじゃねえか」
珠衣「あのー、さっきから皆さんは何のお話で盛り上がってるんですか?」
信乃「可那さんの髪の毛がヒヨコ色だよねって話」
可那「だから誰がひな鳥だ! 成鳥だっつってんだろ!」
月美「カナリア以外で可那の黄色のイメージに合うものを探してみようって話」
珠衣「なるほど! みんなで古今東西黄色ゲームをしようって話ですね!」
可那「似て非なるものだよ! 勝手にゲーム要素を加えるな!」
* 黄色3
珠衣「というわけで、みんなで可那さんの髪の色にぴったりな黄色いものを見つけよう!」
はる「いぇい! ちょー面白そうだねっ!」
雫「……それ、見つかったら何かいいことあるの?」
珠衣「可那さんの通り名の『暴れ金糸雀』の『金糸雀』部分がそれに変わります!」
信乃「現在の暫定一位は『暴れヒヨコ』です!」
可那「誰でもいいから早くヒヨコ以外の案を出せ」
小夜子・月美(あっ、やるのはやるんだ)
* 黄色4
珠衣「じゃ、信乃から時計回りね。ヒヨコ色以外にあったらちょうだい」
信乃「タンポポ色!」
可那「お前の中のあたしのイメージはどうなってんだ」
珠衣「じゃあ次は珠衣だね。んー、まずは無難にレモン色ってとこかな!」
可那「レモンね。レモン。まあ確かに黄色いものとしては無難だな。ただ、それだとあたしの通り名が『暴れレモン』になって、まるで炭酸キツめの清涼飲料水(レモン味)みたいなんだがその辺はどうやってフォローしてくれるんだおい?」
珠衣「まあまあ可那さん! こういうのは数を出すことが大事なんですよ! じゃあ、次は雫」
雫「えー……じゃあ、シンプソ○ズ色」
可那「雫、お前あとで体育館裏な。訊きてえことが山ほどあるぜ」
珠衣「はい! 続いて、はる!」
はる「たくあん色!」
可那「そこに正座しろコラああ!!」
はる「えええっ!?」
* 黄色5
はる「うぅ……なんでですか!? たくあん美味しいのに……!!」
可那「美味しい美味しくないの前に、お前はまず、自分の髪の毛の色を漬け物に喩えられた人間の気持ちをよく考えてみろ」
はる「たくあんに罪はありませんっ!!」
可那「お前が有罪だっつってんだ!」
珠衣「はーい! では進めます! 月美さん、どうぞ!」
月美「あ、そっか、わたしもやるのか。えっと、そうね……ムー○ライト色、とか」
可那「月の光だあ? それ字面的にお前の名前とごっちゃになるだろ」
月美(……ビスケットのことなのは黙っておこう……)
珠衣「次は小夜子さん!」
小夜子「これは自信あるよ。ずばり、ヒマワリ色っ!」
可那「おお、今までの中じゃ一番まともだな!」
雫「(暴れヒマワリ……ダンシ○グフラワー……)……ぶふっ!」
可那「おい、雫。お前今なんで吹き出した? 怒るから言ってみ?」
雫「なっ、なんでもないですよ……!?」
* 黄色6
月美「一周したね。わたしはもうこれ以上思いつかないから、ここで抜けさせてもらうわ」
小夜子「私もヒマワリって言えて大満足。これねー、夏に可那ちゃんを見るたびに言いたかったんだよねぇ。というわけで、あとはみんなで楽しんで!」
雫(あ、先輩方が体よく逃げた)
珠衣「よしっ! じゃ、どんどん行こうか! 信乃!」
信乃「はい! タマゴ色!」
可那「ヒヨコはどうしたんだよ! 時間を巻き戻すな!」
珠衣「次は珠衣だね! んー、ミツバチ色!」
可那「ミツバチね。暴れミツバチ。うん、悪くねえわな。ただ残念なことに音成女子《Killer Honey Bee》とモロ被りしてるんだよな。しかもあっちは大勢であたしは一人でその時点でもう勝ち目ねえよな? 完全に蜂っぽさで上を行かれてるよな?」
珠衣「あー、やっぱそうなっちゃいますよね。じゃあ、次、雫!」
雫「えっと……じゃあ、ミニオ○ズ色」
可那「よし、雫、今すぐ体育館裏行こうぜ。訊きたいことが雪だるま式だよ」
珠衣「次、はる!」
はる「はい! のり○ま色!」
可那「正座あああ! お前はそこに正座しろ!」
はる「またですかー!?」
* 黄色7
はる「うぅ……なんでですか!? の○たま美味しいのに……!!」
可那「美味しい美味しくないの前に、お前はまず、自分の髪の毛の色をふりかけに喩えられた人間の気持ちをよく考えてみろ。あと信乃の言ったタマゴと被ってんだろ」
はる「何言ってるんですか!? のりた○とタマゴは別物ですよ!! ○りたまご飯とタマゴかけご飯は全然違うでしょう!?」
可那「お前のご飯のお供論はどうでもいいんだよ!!」
珠衣「はい! じゃあ、三周目! 信乃から、どうぞ!」
信乃「んー、ヒヨコ、タンポポ、タマゴ以外……。あっ、ベビーコーン色で!」
可那「素直にトウモロコシでいいだろ! なんでちょっと可愛い風にしたがるんだよ!」
珠衣「次は珠衣ねー。んー、あっ、パプリカ色とか!」
可那「はいはいパプリカ。いや、あたしもパプリカは好きだぜ? けどさ、仮に『暴れパプリカ』の名を広めたとしてだぜ? 初対面のヤツに『あっ有野さん髪の毛がパプリカ色って聞いてましたけど黄色なんですねいやてっきり赤か緑かと』みたいなこと言われて気まずい空気になったらお前どう責任取ってくれんの?」
珠衣「ちょっと考える時間をください! その間に、雫、どうぞ!」
雫「んー…………スポ○ジボブ」
可那「表出ろやコラ! 訊きたいことだらけだよ! もう裏まで回ってる時間がもったいねえ!」
珠衣「続いて、はる、どうぞ!」
はる「はい! からs」
可那「あん?」
はる「…………マスタード色!」
可那「正座しろおおおおおお!!」
はる「そんなあああああああ!?」
* 黄色8
はる「うぅ……なんでですか!? マスタード美味しいのに……!! ぴりりとした辛さと独特の風味が食欲をそそるのに!!」
可那「美味しい美味しくないとかそそるそそらないとかの前に、お前はまず、自分の髪の毛の色を調味料に喩えられた人間の気持ちをよく考えてみろ。からしでも同じな」
はる「何言ってるんですか!? マスタードとからしは別物ですよ!! のり○まとタマゴ――いやそれ以上に違いますよ!! 先輩はホットドッグにからしをのせるんですか!? おでんにマスタードですか!? 食を冒瀆しないでください!!」
可那「うるせえ!! お前こそあたしの髪の毛の色を冒瀆するのやめろよ!!」
月美「えっと、なんか、もうこれくらいでいいんじゃないかな……」
小夜子「じゃあ、あとは新しい『暴れ○○○』の○○○に入るMVY(Most Valuable Yellow)を決めておしまいにしよっか」
信乃「可那さん、どれが一番良かったですか?」
可那「良いも悪いもあるか! 全部論外だよ!!」
雫「でも、暴れマスタードはちょっと強そうですよね。師範的な」
可那「音の響きだけな!? だったらいっそ暴れスポ○ジボブでいいよ!! ばか!! よくねえよ!!」
小夜子「ねえ、可那ちゃん、やっぱり私は暴れヒマワリが……」
可那「悪いな小夜子! それだとダ○シングフラワーを連想してクスッてなるヤツがいるんだ! おい雫なに目を逸らしてるお前のことだぞ!!」
珠衣「あっ! じゃあ、こんなのはどうですか? 髪の毛をてっぺんから上・中・下の三エリアに分けして、段ごとに赤・黄色・緑と塗り分けるんです!」
可那「お前まだ考えてたの!? てかあたしは別にパプリカ色をコンプリートしたいわけじゃねえからな!? あと三段ボーダーで上から赤・黄色・緑ってお前それ真ん中に『★』くっつけたら完全に某国の国旗だろ!! チョコレートでお馴染みの国だよ!! あとで調べとけコラ!!」
はる「ねりからし!!」
可那「練っても却下だよ! いい加減にしねえと顔面に塗りたくるぞ!!」
月美「いっそヒヨコで手を打ったら?」
可那「だああっ、もうそれでいいよ!!」
信乃「やったー!! ありがとうございます、ピヨさん!!」
可那「やかましい!!」
* 黄色9
――翌日・昼休み
月美「可那、なんか今日のお弁当、黄色くない?」
小夜子「あっ、本当! の○たまのおにぎり、卵焼き、たくあん、ベビーコーンのサラダ、豚肉とパプリカの炒め物、シューマイにはからしの小袋が副えてある!」
可那「あいつらがごちゃごちゃ言うから無性に食べたくなっちまったんだよ。あと、こっちのタッパーは蜂蜜レモンな。部活終わったらみんなで食べようぜ」
小夜子「やった!」
がらがら。
信乃「し、失礼しますっ。有野先輩はいらっしゃいますか……?」
月美「あ、信乃だ」
小夜子「こっちだよー」
信乃「あっ、皆さんお揃いで! よかったです」
可那「なんの用だよ、信乃」
信乃「いえ、昨日話してたら、家にあったの思い出して持ってきたんです! 美味しいですよ、どうぞ!」
小夜子・月美「こ、これは……!?」
可那「名菓ひ○子!! 愛され続けて100年!!」
小夜子・月美「いただきます」
信乃「召し上がれ。さっ、ピヨさんもどうぞ!」
可那「共食いじゃねえか! いい加減にしろ!!」




