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小鬼の王と蜂の女王  作者: ワッシー
4/4

1ー3

二匹のゴブリンを手下にしたのだが、俺を含め名前を考える必要が出てきたな。

さて、どうするかな。


取り敢えず、いずれ将となるつもりの小鬼だから、ショウキと名のるか。

子分は、やや体の大きめのゴブリンをゼンキ、細身のゴブリンをゴキと呼ぶようにしよう。


名前も決まったのでまずは魚をとることにしよう。


今回は、人?手があるのでガチンコ漁はやめてもう少し工夫しよう。

そんなに深い川じゃないからそんなに時間はかからないだろう。


「お前たち石で川を塞き止めてくれ。」


「ワカッタ、石アツメル。」

「川セキトメル。」


ゼンキとゴキが作業している間にこっちも準備をしておくか。

昨日のうちに蔦で編んで置いた籠にはまるよう円錐状に枝を蔦で編んで先端を魚が通れる位開けておけば、一度魚が入れば出ることができない。


「ボス、川をセキトメタ。」

「ボス、コレデイイカ?」


うん、いい感じに川を塞き止めることができているな。

真ん中に籠を設置して後は、上流から追い込めばさらに取れるだろう。


「ゼンキ、ゴキ川の上流からこっちに向かって来てくれ!できるだけ水を叩いてな。」


「ワカッタ、ヤル」バシャバシャ


「オレ、オイコム」バシャバシャ


「しばらくそうしていてくれ。」


「「ワカッタ。」」


二匹に追い込みをさせて置いて、オレは火の準備をしよう。

前は、食欲に負けてそのまま食ってしまったからな、今回は、焼いてみたいのだ!


折角モンスターのいる世界に転生したのだから、いつかは魔法を使えるようになりたいが、今の所使える気がしないので地道に火をおこそう。


まずは、薪集めだな。

この辺りは人が全く入っている気配はない。

少し歩くだけで欠講薪が集まる。


枯れ草なんかも集めておかないと。

お、杉の葉が欠講落ちているじゃないか。

こいつは焚き付けにもってこいなんだよな。


ん?草の上に白い物が?

綿か!!こいつはいいな。


うし!こんなもんだろう。


さあ、火おこしを始めるか。

まずは、火お越し用の弓を作るか。

長めの枝が欲しいのだが?

お、あの枝がいい形をしているな、こいつを使おうか。


本当は貫通型の火お越し弓を作りたかったが、道具もなしに穴を開けるのは諦め、横引き型の火お越し弓を作ろう。


作り方はそんなに難しいものではない。

弓状の枝に蔦を叩いて作ったロープを片側に結び、まっすぐな棒に3、4回巻き付けてから反対側に結ぶだけだ。

注意点は、弛まないようにしっかりとロープの張ることだけだな。


次に倒木を用意する。

本当は板なんかがベストなんだが手に入らないから仕方がない。


倒木の皮を剥いで、棒より少し小さめの穴を空ける。

こういった時、尖った爪が役にたつな。

穴から外に向けて溝を掘れば準備完了だな。


穴の上に弓をセットして棒がずれないように木片で押さえる。

後は、ひたすら弓を前後に動かすだけだ。



格闘すること10分

やっと、火種ができたので、火種が消えないように綿で包みさらに枯れ草を巻いて、一気に振り回す。


ボッ


よし、これに、杉の葉、小枝と徐々に燃やすものを大きくして行けば、焚き火になる。


前世でボーイスカウトに入っていて助かったな。

入っていなければ、焚き火すらしたことがなかったからな。

と言うよりも焚き火のできるところがなかったと言うべきだ。


庭で火を焚いたりしたら、消防署に連絡されてしまう。

そうおもうと前世は世知辛い世の中だったな。


まあ、前世の話だ。

今は、この火で魚を焼くことに集中したいものだ。








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