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第51話 羽柴秀頼(解説編)

 羽柴秀頼という名前ですが、史実で言えば、石松丸秀勝のオマージュ的な存在になります。

 そのために羽柴秀勝という名前にしよう、という考えが過ぎったのですが、上里勝利の養子、織田(三条)美子の四男として上里秀勝が出ていることから、羽柴秀頼として登場することになりました。


 そして、この世界では父の豊臣秀吉では無かった、羽柴秀吉(木下藤吉郎)の衣鉢を継ぐ者として、ローマ帝国の大運河網建設、モスクワを「五海の港」にする工事に、秀頼は奮闘することになりました。


 その一方で、本編では余り描くことができませんでしたが、ある意味では実父に似て、名前を貰った異母弟(?)に似ない軍事面でも才覚がある存在にも、秀頼は結果的になりました。


 それこそローマ帝国のウクライナ侵攻作戦から、その後に続けて行われた対クリミア汗国戦争において、ローマ帝国は主戦力をモスクワ大公国(ロシア帝国)侵攻作戦に引き続き向けざるを得なかったことから、ある意味では泥縄と言われても当然ですが、ウクライナの現地で民兵隊を組織し、更にそれを正規軍化して戦場に投入せざるを得ない事態となり、その部隊編制に石田三成と共に秀頼は奮闘したのです。


 更には、その部下として浅野幸長や大谷吉継、蜂須賀家政といった面々がいたことから、又、石田三成の部下として島左近らがいたことから、前線で彼らが奮闘することで、徐々にですが対クリミア汗国戦争は優位に進むことになり、クリミア汗国を文字通りにクリミア半島だけの国にすることに成功する結末が迎えられることになりました。


 尚、それこそ福島正則を始めとする一部のローマ帝国の軍人が、秀頼をそう叩かなかったのは、裏事情を知る面々からすれば当然です。

 正則や加藤清正は、木下小一郎(史実の豊臣秀長)から、自分の甥の秀頼を頼むと言われて、ローマ帝国に赴いた身であり、又、極めて遠縁にはなりますが、秀頼と血縁まであるのです。

 そんなことから、三成を叩いた正則と言えど、秀頼は叩くことができず、そういった裏事情も相まって、ウクライナでは名将と言う評価を、秀頼は後世にまで受ける事態が起きることになりました。


 又、本編で描きましたが、秀頼はモスクワを「五海の港」にするための様々な方策を駆使した結果、それに成功することが出来ましたが。

 その一方で、フョードル・ゴドノフ等を、秀頼は庇護することにもなりました。


 本編で描きましたが、エウドキヤ女帝が主導したローマ帝国の対モスクワ大公国(ロシア帝国)は多大な流血を引き起こすことになり、一説にはなりますが、モスクワ大公国の国民の約5%が亡くなる事態を引き起こしています。

 でも、モスクワ大公国の貴族全てが殺された訳ではなく、当主以外の家族の中では、ローマ帝国に投降して助命された事例がそれなり以上にあったのです。


 そうした事例の象徴として、羽柴秀頼に庇護されて、フョードル・ゴドノフは生き延びることになり、ペトログラード(史実のサンクトペテルブルク)の市長まで務めた上で生涯を終えることになりました。


 それにしても、今更ながらのことですが。

 もう少し秀頼とその妻の伊奈氏、及びその間の子らの話を描きたかったな、という想いが去来します。

 この世界では、豊臣秀吉の子孫は、ローマ帝国でそれなり以上に繫栄する未来が垣間見えます。

 更に言えば、伊奈氏の関係から北米共和国との縁があり、秘められた関係ですが、史実の豊臣秀次(この世界では木下秀次)を介し、日本政府とも縁が秀頼にはあるのです。

 

 そう言ったことを突き詰めて考えれば、秀頼の縁からその弟子達は世界を股に掛けて行動する未来があるやも。

 そんなことまでも考えてしまいます。

 後、余談に近い話ですが。

 蜂須賀小六正勝が第4部と第5部で登場した後、蜂須賀家に触れ損ねていたので、この際に息子の蜂須賀家政を登場させることにしました。

 この世界の蜂須賀家は、ローマ帝国で存続することになります。


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― 新着の感想 ―
 (・Д・)あー名前かぶりを回避する為に秀頼さんの名前が決定されたのかー、種を明かせば単純ながら読んでる読者としても名前かぶりは「読みづらい」ので山家先生のナイス判断かと♪(歴史好きなら誰もが好きな三…
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