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第40話 徳川秀忠(解説編)

 当初は秀忠と小督をまとめて描くつもりだったのですが、小督について描く内容が、いつの間にか膨らんでしまったので、第41話以降で小督を単独で描くことにしました。

(小督の話ですが、1話でまとめたいと考えているのですが、2話になるかも)


 何だかんだ言っても、この世界でも北米共和国大統領を秀忠は務めていますし、又、秀忠の子の広橋正之は、上里家の縁者になっていることもあって、やはり取り上げて描かねば、と考えたのですが。

 いざ、秀忠を描いてみると、北米共和国の内政外交を余り描かずにいた一方、秀忠の子どもの事情を余りにも描いていたことに、作者の私自身が気付いてしまいました。


 何しろ、この世界では秀忠の長女になる九条完子は、鷹司(上里)美子の同級生にして親友ですし、次女の千江(千姫)は後水尾天皇陛下の皇后です。

 長男(?)の正之に至っては、鷹司(上里)美子の実母の広橋愛の養子になっています。

 家光にしても、鷹司(上里)美子の最初の夫になる鷹司信尚の妹、孝子と結婚しているという描写が作中であります。


 その一方、こういった子どもの縁談等を始めとする関係に、秀忠が積極的に動いていたか、というと。

 それこそ上里家の始祖の上里松一の子どもの縁談がそうであったように、周りが積極的に動いた結果として、そのようになっていったとしか言いようが無く、どちらかというと、このことは小督の話で主に描こうと私は考えた次第になります。


 そんなことを考えながら、秀忠のまとめを描いていったのですが。

 まず、秀忠を政治家として考えるならば、1606年に北米共和国の大統領になった後、国内政治では北米共和国の憲法改正を行い、又、この世界の外交関係についても、ユーラシア大陸横断鉄道への投資を積極的に行う等、自国の利益につながるというのが背景にあるとはいえ、世界各国の宥和外交を推進して、他に宇宙開発も積極的に諸外国と協力してやっていく等、平均以上の功績を挙げているのは間違いない存在です。


 ですが、その一方で家族関係等の面から見れば、本当に鷹司(上里)美子は、色々な意味で秀忠の天敵といってよい存在だったな、と改めて想いました。

 それこそ史実の徳川家康と真田昌幸並みの気が私はします。

 更に言えば、史実の真田昌幸よりも、鷹司(上里)美子の方がバックが遥かに強いという。

 秀忠にしてみれば、何でこんなことに、と何度も美子の件で頭を痛めさせられた気がします。

 しかも、美子にしてみれば、そんな意図は余り無いのにです。


 それこそ長女の完子と美子が同級生の親友になったのが、秀忠の災難の始まりの気が。

 何れは良い婿を探さねば、と次女の千江について考えていたら、長女の親友の美子が、日本の皇太子殿下との結婚は如何でしょうか、と勧めに来たことから、妻の小督が捻くれることに。


 それ以前に秀忠は長男の正之を、美子の実母になる広橋愛の養子にすることで、徳川家の跡取りではないのを周囲に示しており、そういったことから美子と旧知といえる仲ではありましたが。


 そして、千江は無事に皇太子妃になり、更には皇后へとなっていくのですが。

 その夫である後水尾天皇陛下の中宮に美子をしようと、後に秀忠は奔走する羽目になるとは。

 娘婿に別の女性を娶るように勧める羽目になった男性が、これまでの歴史小説中にいただろうか、とそんな想いさえ、私が湧く事態でした。

(その裏では、エウドキヤ女帝の思惑もあってのことですし、娘の千江にしても、内心では色々と想うところがありましたが、夫の後水尾天皇陛下に美子が入内するのを認めたという事情がありますが)


 本当に、最終部では「秀忠は不憫」のタグが必要になった気がします。

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