第22話 伊達政宗(解説編)
織田信長を作中で首相にしよう、と大プロットが決まった前後に、最終部までに伊達政宗を首相にしようと決めたと覚えていますが。
そして、実際にそうなりましたが、本当に紆余曲折を経ることになりました。
猶、細かいことを言えば、母親が違う以上、この政宗は遺伝子的には史実と異なっていて、性格等が異なって当然ですが、結果的に史実と似た性格になっています。
本来ならば、政宗は両親がブラジル在住で、自らもブラジル出身である以上、日本の衆議院議員になり、更には首相になるのは極めて困難なので、まずは北米独立戦争勃発と絡めて、両親と離れて日本に赴くことにしました。
そして、寄宿した織田信長夫妻らによって、政宗は鍛えられて、労組で頑張って、衆議院議員になっていくのですが、私の性格が悪いので、一方ならぬ苦労をした末に、首相に上り詰めることに。
それはそれで、リアルっぽくて良い気がしますし、実際にそれなり以上の苦労をした末に衆議院議員になって出世して、労農党の党首になった後は女性の本格的な登用等の党改革を遂行して、首相に上り詰めた後は、日明戦争に大勝利を収める等、名政治家として政宗は作中で描写されている筈なのですが。
本当に織田信長に妻の美子が絡むと、何故か信長が不憫になりがちだったように、政宗に従妹の鷹司(上里)美子が絡むと、何故か政宗はコメディアン的に徐々になりがちになってしまいました。
それこそ最終部では、美子の首相就任を阻止しようと、美子の中宮入内を推進するという、お前は何をやっているのだ、と言われかねない行動まで政宗はすることに。
(更に性質の悪いことに、実は美子の手のひらの上、と言われても仕方のない行動だったというオチ)
そして、後水尾天皇陛下からも、政宗は実は内心で軽んじられているような気がしてならない始末に、最終部ではなってしまうとは。
本当にどうしてこうなった、という想いさえします。
(政宗は50歳を越えていて、様々な経験を積んでいる大首相の筈なのに、本当に20歳代の後水尾天皇陛下に、結果的に転がされてしまう事態になってしまうとは。
政宗ファンから怒られそうな事態です)
勿論、小説なりの理屈はついていて、鷹司(上里)美子や後水尾天皇陛下は、「皇軍知識」を有していることから、鷹司信尚が薨去することを予期していて、様々な事前準備、手配りをしていたのに対して、政宗には「皇軍知識」が無い以上は、どうしようもない事態と言っても過言では無いのですが。
そうは言っても、最終部では「政宗は不憫」のタグが必要不可欠になった気がします。
その一方で、政宗の家庭生活や側近等については、広橋愛以外については、ほぼ史実準拠ということにした理由ですが、作者の私が混乱、間違えないようにしたかったのが一点、そして、小説上でもそんなにおかしくないというか、むしろ当然な流れになったという一点があります。
それこそ田村愛子(史実の愛姫)と結婚することは、この世界の政宗がブラジル出身である以上、東北での繋がりを創るのに必須と言えますし、片倉景綱との繋がりにしても、成育歴等から全くおかしくない流れになりました。
そういった背景から、史実に引きつられ過ぎ、と言われそうですが、政宗の家庭生活や側近等については、広橋愛以外については、ほぼ史実準拠の描写という事態になりました。
そんな風に、解説編で政宗のことを回顧しますが。
史実以上に活躍しているのにも関わらず、織田(三条)美子に信長が振り回されたように、鷹司(上里)美子に政宗が振り回されることになったことについては本当にどうしてこうなった、という想いが私としてはどうにもしてなりません。
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