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第11話 小早川道平

 一部、本編の描写と異なるところがありますが、この小説(本編完結後、50年以上経った後のウェブサイトのまとめの転載という形式)からして、止むを得ない描写ということで、緩く指摘等をお願いします。

 小早川道平 1545年生、?年没 (第1部から第15部まで登場)


 上里松一とプリチャ(永賢尼)の間の第2子になり、上里愛子の養子に迎えられる。

 尚、幼名は正道だったが、沼田小早川家の婿養子になったことから、沼田小早川家の通字の平に則り、道平と改名した。

 本来ならば、上里家を継ぐ長男になるが、インド株式会社の経営に伴う実父の松一の思惑から、12歳にして安芸の名家である沼田小早川家の婿養子として送り出されることになる。

(細かいことを言えば12歳の時に婚約し、14歳で正式に結婚した)


 そして、松一の思惑は見事に当たることになり、道平は沼田小早川家の様々な縁によって、小早川隆景や吉川元春、毛利隆元らと知り合うことになった。

 それによって、道平は陸海軍と独自に関係を築き、又、中国地方に基盤を築いた。

 更に言えば、実母のプリチャ(永賢尼)の縁から、道平は本願寺門徒と深い関係にあった。


 そうしたことが、後に道平を衆議院議員への路を歩ませることになり、更には軍人や本願寺門徒を主な背景とする中国保守党を、道平に結党させることにもなった。


 話がやや先走ったが、道平も異父兄の勝利と同様に、中学を卒業後は実父の縁からインド株式会社に就職することになった。

 だが、道平は沼田小早川家の婿養子であったこと等もあり、芸予水軍の主だった者が海軍に志願していて、更にその多くの者が北中米大陸に赴いていたことから、この頃から本格化した対スペイン戦争支援の為に北米大陸で主に奮闘することになった。


 そして、多大な功績を上げたことから、海軍関係者から好意を寄せられることになり、更に政治家への路を道平は歩むことになった。


 衆議院議員に当選し、更に中国保守党を結党した後、道平は政界のキャスチングボートを握る第三勢力の立場に基本的に徹して行動することになり、それは道平の政界引退まで貫かれた。

 この立場について、多くの政治家等から、風見鶏にも程がある等の悪評が寄せられたが。


 道平自身は、

「色々と兄や姉の立場を、私は忖度しない訳にはいかないからどうしようもない」

と韜晦し続けた。

 実際、道平の様々な閨閥等からすれば、道平の言葉は当然としか言えないことである。


 1606年の衆議院選挙を機に、政治家を引退して隠居した。

 尚、妻の永子との間には複数の子に恵まれ、長男は沼田小早川家を継承し、次男は小早川隆景の養子になって、竹原小早川家を継承した。


(作者としての呟き)

 異父兄の上里勝利と同様に、本編でそれなり以上に活躍してもおかしくなかったのですが、結果的に余り活躍させられなかったキャラになります。


 上手く書けないのですが、それなり以上の背景、沼田小早川家の婿養子になり、更に陸海軍部との縁もできている以上、もっと活躍して然るべきなのに、私の脳内では色々と姉妹と異なって、裏で活躍するというイメージが、道平には先立ってしまい、結果的にこのような事態になった気がします。


 尚、全く活躍していないという訳ではなく、中国保守党の党首から引退した後になっても、それなりどころではなく裏働きをする等、兄や姉に決して劣ることは無い政治家の筈なのですが。


 どうのこうの言っても、異父姉の織田(三条)美子が色々と活躍し過ぎたことから、道平はどうにも異父姉の美子に及ばない、という描写が相次ぐことになり、結果的に活躍させることができなかった、と私としては考えざるを得ません。


 それにしても、この世界で言えば羽柴秀吉等との関わりもあるし、パナマ運河建設でもそれなり以上に動いていた以上、表裏共にもっと活躍させることができたのではないか、と死んだ児の歳を思わず数えたくなるキャラになります。

 ご感想等をお待ちしています。

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― 新着の感想 ―
 読んでる読者にも「たまに出て来るおじさん」くらいのポジションだったので作中描写から道平さんの歩んだ道を膨らませるのはコレが精一杯でしょうね、中盤の視点が美子さん中心に世界を見ていては日本の1地方の領…
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