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マージナイト・プリンセス  作者: 瀬尾優梨
第4部 黒薔薇舞う
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それは闇夜に浮かぶ薔薇

 そこは、真っ暗な世界。


 そこには、何も存在しない。


 つい先ほどまで胸の中を占めていた浅ましい思いも、劣等感も、憎しみも、憧憬も。



 何も、存在しない。








 血が、飛ぶ。



 ねっとりとした濃い闇に、まるで花びらが舞うかのごとく、赤黒い鮮血が舞い上がる。



 夜のしじまを劈く絶叫は誰のものだろうか。



 なぜ親友が自分を見る目が、あれほど恐怖と憎悪に満ちているのだろうか。



 なぜ自分の愛する人が、剣を抜いているのだろうか。






 分からない。





 分からない。






 己が手によって吹き上がる血飛沫は、まるで――黒い薔薇の花びらのようだ。

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