16.疾走
こんにちは、葵枝燕です。
連載『空梅雨に咲く』、第十六話です!
今回も、少しだけ進展しそうな感じ——でしょうか。
それでは、そんなこんなで第十六話、どうぞご覧ください!
階段を駆け下りる。笠元市立中央公民館には、エレベーターがない。こんなアナログな方法でしか進めない俺が、ひどく無力な存在に思えた。気ばかりが焦り、ちっとも進めていないような気がした。
一階ロビーにたどり着くが、そこに見憶えのある花ヶ衣学園高等部の制服を着た少女の姿はない。辺りを見回し、すぐに外へ続くドアに近付く。普段は気にならないのに、なぜかその重さが忌々しかった。僅かにできた隙間に、身体を無理矢理ねじ込んで外に出る。
「……っ」
荒い呼吸がもどかしかった。それを落ち着けることさえも、もどかしかった。
どこだ。どこにいる? 周囲を見回しながら走り出す。まだ、そんなに時間は経っていない。きっと、近くにいるはすだ。そんな思いだけが、グルグルと回っていた。
第十六話のご高覧ありがとうございました!
行間についての意見には応えられませんが、評価や感想などいただけると嬉しいです! 気になる点は、メンタル弱いので何とぞお手柔らかにお願いいたします。
再延期した期限が今日だし、今日ももうすぐ終わってしまうので、頑張って終わらせねばと思います!
それでは、第十七話で!
葵枝燕でした。




