表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇姫ハーモナイズ  作者: ざっくん
第1部 空腹な姫君
13/56

7 エピローグ

「ねえ、知ってる? 山の教会の噂」


「聞きたくないよお。それって怖い噂でしょ?」


「違う違う。それじゃなくて、天使の噂」


「天使? 天使って、あの天使?」


「そう、あの天使。山の教会には天使が住んでてね、カップルで訪れると祝福してくれるんだって」


「えー……。なんだか怪しいよ」


「もう……。それにね、運がいいと二体の天使が現れるんだって」


「うわあ……一気にうさんくさくなったよ」


「最後まで聞いてっ! それで、いつもいる天使は翼が白いんだけど、たまにしか会えない天使は翼が黒いのよ」


「……それ、天使っていうより悪魔なんじゃ」


「違うよ。だってどっちも祝福してくれるんだもん」


「怪しすぎるよお」


「白い天使はね、お互いの心の繋がりを強くしてくれるの。黒い天使はね、身体の繋がりを強くしてくれるの」


「……」


「ねえ、よかったらわたしとさ……」



------



 この街には二つの教会がある。


 ひとつは山の麓に。

 よく結婚式なんかに使われる、何の変哲もない教会だ。


 もうひとつは山の中腹に。

 小さくてボロボロだけど、中はそれなりにきれいな教会だ。


 その教会には天使が住んでいる。

 でも簡単には会えない。

 カップルで訪れないと、その天使は現れない。


 でも誰も天使を見たことはない。

 出会った瞬間に忘れてしまうから。


 天使は今日も訪れる人を待っている。

 訪れる人たちの祈りが、天使に力を分け与えてくれるから。


 白い天使はじっと教会で待っている。

 白い天使は教会から動けないから。


 黒い天使はめったに教会に現れない。

 ある女性に繋がれているから。

 その女性にご飯を提供し合うのが黒い天使の役割だから。

 その役割がないときだけ、黒い天使として教会に現れる。


 山の中腹の教会には、今も天使が住んでいる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ