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サイタマダンジョン  作者: 山口遊子


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第53話 2泊3日ダンジョンツアー2


 肩にフィオナを乗せて渦をくぐり1階層に出た俺は、小走りに階段小屋に向かった。

 階段小屋の改札を抜け、手袋をはめて駆け下りるように2階層まで階段を下りた俺はいつものように3階層の奥に転移した。


 大剣クロだが、3階層のモンスターでは全く切った気がしない。

 大ネズミを一度切っただけだが肉を切ろうが骨を断とうがまったく手ごたえがなかったのだ。

 昨日もそうだがもっぱら最初に買ったメイスを片手で振っている。

 今日もそのつもりだ。

 クロを使った方が良さそうなモンスターが現れることを切に希望する。


 転移してすぐにディテクターで周囲を探ったところ、アタリが数個あった。


 最初のアタリは大蜘蛛。

 タマちゃんはわざわざリュックから出ず、リュックの上蓋の間から偽足を伸ばしてモンスターの死骸を処理し(たべ)た。

 どうやってどこに何があるのか知覚しているのか不明だが、タマちゃんにはわかるらしい。

 食べ終わると俺の手のひらを偽足でチョンチョンと触るのでなにかと思ったら、核を手のひらの上に吐きだしてくれた。


 次のアタリは大ネズミ。

 跳びかかってきたところを頭蓋を割って一丁上がり。

 これもタマちゃんがあっという間に処理して、核を手のひらに置いてくれた。


 横着ともとれるが実に効率的だ。

 さすがは俺のタマちゃんだ。


 サーどんどん行くぞー。


 たまに冒険者とすれちがうのだが、俺のフィオナフィギュアが気になるらしい。

 かわいいものな。


 7時30分くらいからツアーを開始して約4時間。

 俺は33個の核を手に入れていた。


 ちょっと早いがそろそろお腹もすいてきたので、昼休憩だ。

 ディテクターで周囲を探ったところ反応はあったが、離れているし邪魔してこないだろう。

 荷物を下ろして坑道の壁に寄りかかり、昼食のおむすびをタマちゃんと一緒に食べ始めた。

 タマちゃんはリュックから偽足を1本伸ばしてくるのでその偽足におむすびを渡している。


 昼食を15分くらいで食べ終えしばらく休憩していたら、坑道の先の方から何かがやってくる気配がした。

 冒険者ではなくモンスターの気配だったが、もう少し休憩したかったので装備はそのままに何が出てくるか座ったままでそっちの方向を見ていた。


 それで結局現れたのは大ネズミだった。

 俺が魔術で仕留めても良かったが、面倒だったのでタマちゃんに任せた。

「タマちゃん、大ネズミがやってくるから処分して」

 俺のその言葉で、リュックから偽足が伸びて、あっという間に大ネズミは消えてしまった。

 タマちゃんの偽足が俺の右手をチョンチョンするので手のひらを広げたら核が1つポトンと落っこちてきた。

 全自動核回収機だな。

 核は腰袋に放り込んでおいた。

 これで34個。


 12時まで休憩した俺は装備を身に着けて、午後からのツアーを開始した。

 基本に忠実にディテクターで探り、可及的速やかにターゲットに接近しタマちゃんで始末して回収した核を腰袋に入れる。

 流れ作業のようなものだ。

 作業をしているあいだ、ボクシング映画の勇ましいタイトルテーマが脳内に響いている。

 そのおかげで、モチベーションが高いレベルで維持できている。

 やはり音楽は偉大だ。


 3時でいったん休憩した。

 とは言ってもヘルメットをとって立ったまま緑茶を飲んだだけだ。

 午後から3時間で22個の核を手に入れたので、全部で56個。

 実にハイペースだ。

 やはり泊まり込みということで俺の意気込みにモンスターたちが応えてくれているのだろう。

 んなわけないか。


 5分ほど休憩してツアーを再開した。

 以前は徘徊モードだったが、今の俺というか俺たちはサーチアンドデストロイ、アンドコレクトだ。

 終業の目途としている午後9時までの約6時間で48個の核を手に入れた。

 核を1つタマちゃんにやったので初日の合計は103個。

 核の数が100個になったところで腰袋から核をレジ袋に移して、核を入れたレジ袋はリュックに入れた。


 ちまちま1匹ずつ出てくるモンスターをたおした数字としては驚異的ではないだろうか?


 袋小路になった坑道が何個所かあったのを覚えていたので、今日のねぐらにするため8時半くらいからその1つに向かって移動していた。


 ねぐらと考えて袋小路を見るとなかなかいいねぐらに見える。


 荷物を下ろして、装備も外し、リュックからLEDランタンを取り出して点灯した。

 次にリュックからフィオナ用にプラスチックの小皿を取り出してハチミツ瓶からプラスチックのスプーンでハチミツをすくってやって小皿の上に置いた。


 夕食の巻きずしといなりずしのセットと炭酸水のペットボトルをタマちゃんから出してもらい夕食の準備は終わった。

 自分で食べながら、タマちゃんの偽足にも巻きずしといなりずしを渡し、ペットボトルの炭酸水を飲む。

 フィオナは相変わらずで手のひら一杯にハチミツを付けてそれがそのまま顔に着く。

 本人はそれが楽しいらしい。

 母さんからフィオナ用にウェットティッシュを預かってきているのでそれで顔と手を拭いてやらないといけない。


 10分ほどで巻きずしといなりずしのセットを2つ食べたらお腹がいっぱいになった。

 フィオナもごちそうさまのようだったのでウェットティッシュで手と顔を拭いてやった。

 拭かれることに慣れてるみたいで、俺がウェットティッシュを出したら自分から両手を出して、次に顔を前に出してくれた。


 毛布もかさばったのでタマちゃんに預かってもらっていた。

 タマちゃんにいったんリュックから出てもらって預かってもらっていた2枚の毛布を出してもらった。

 1枚は地面に敷いて、もう一枚は上から掛ける。

 枕はバスタオルをリュックに入れていたのでそれを丸めて枕の代わりだ。


 時刻は午後9時20分。

 俺はまだ眠くはなかったが、毛布の上に横になって上からもう1枚の毛布を掛け目を瞑った。

 フィオナは枕代わりに丸めたバスタオルの隅で横になっている。

 目を開けてフィオナの方を見たらフィオナが俺の顔を見ていて目が合ったらニッコリしてくれた。

 かわいいなー。


 リュックの中に戻っているタマちゃんにモンスターがやってきたら適当に処分してくれと頼んで俺はまた目を閉じた。


 1日中駆け回ったせいか、疲れていたようで、目を閉じてしばらくしたら眠くなってきた。

 このまま眠ってしまうと今日中に目覚めるような気がしないでもなかったが、俺はそのまま眠ってしまった。


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転移で自宅に戻れるのにわざわざダンジョンに泊まる意味がわからん
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