第50話 クロ。掲示板5
1階層山田池の中から大剣を見つけた。
刃引きされてはいたが見事な大剣だ。
刃がなくても俺が扱えばたいていの物は切り飛ばせる。
これほどの大剣となると何か銘があってもよさそうなので、グリップから剣身を引っこ抜いたら銘が刻んでありそうだ。
銘があったとして、当然日本語じゃないだろうし、ダンジョン語じゃ読めないか。
ならば俺がカッコいい名まえを付けてやるしかないな。
「この剣の名まえ、何がいいかな」
「大きな剣だからタイケーンはどうかな?」
「いくら何でもそれはハズイよ」
「黒っぽいから、クロちゃんはどう?」
「かわいーーい!」
「それがいーーい!」
俺が全く関与しないうちにクロちゃんと名づけられてしまった。
ところで名まえは『クロ』なのだろうか、それとも『クロちゃん』までが名まえなのだろうか?
さすがに物に向かってちゃん付けはないから、クロだな。
クロ、クロ言ってたらクロもそんなに変な名まえでもないような気がしてきた。
俺の大剣、クロ!
やっぱり少し変な気もしてきたが、たまたまそんな気がしただけだと思っておこう。
「そろそろ行こうか」
抜き身のクロを持った俺は秋ヶ瀬ウォリアーズの3人を率いて、ディテクターで周囲を探りながら徘徊モードでモンスター狩を始めた。
午後からの徘徊モードで12個の核を手に入れた。
午後からはいずれも昆虫型のモンスターだったので、ぐちゃぐちゃに潰されたモンスターの死骸の中から俺が核を回収している。
午前の3個を合わせて全部で15個。
実入りは悪いが、俺は大剣クロを手に入れたのでホクホクだ。
確かに大剣は坑道内で取り回しに難があるが、クロなら坑道の壁や天井ごと叩き切ることができそうだ。
フフフフ、見てろよ。
おっと、見られちゃ困るんだった。
ダンジョンセンターに戻った俺たちは、買い取り所に回って核を換金した。
15個で7万2千円だった。
4人で割って1人1万8千円。
俺の累計買い取り額は4061万8千円になった。
ほとんど増えなかったが、不満はない。
その後秋ヶ瀬ウォリアーズの3人と武器預かり所に行った。
俺は3人とは別のカウンターで武器を預けた。
メイス2本とナイフをカウンターの上に置いて、それから大剣を見つけたので登録してくれと係のおじさんに言ってクロをカウンターの上に置いた。
「これは?」
「今日見つけたものです」
「なるほど。この素材は特殊なようですからレーザー刻印ではなく、剣身の根元にカーボンファイバー製のタグを外れないように付けておきます」
「よろしくお願いします」
いくら刃がないと言っても鞘がないとやっぱ不便だよな。
「鞘って何とかなりませんか?」
「値段は張りますが、オーダー出来ます。
素材は革とカーボンファイバーの2種類で、革製の物は手作業のため値が張ります。
カーボンファイバー製の物は工場の3Dプリンターで作りますから比較的安価です。耐久性から言ってもお勧めです」
「時間はどれくらいかかります?」
「1週間見てもらえれば十分です」
「それじゃあカーボンファイバー製でお願いします」
「装飾などはどうします?
サンプルはこれになります」
そう言っておじさんが見本の載ったカタログを見せてくれた。
派手なのからシンプルのものまで。
当然派手なものの方が値段が高くなるようだが、クロそのものが一切の装飾のない無骨な大剣なので、一番シンプルなものにした。
値段は目安だが5万くらいだろうと言われた。
「それでお願いします」
引き渡しは、引き出し時に鞘ができていればクロが鞘に入って引き出されるそうで、支払いは、その時になるということだった。
武器を先に預け終わっていた秋ヶ瀬ウォリアーズの3人が俺のところにやってきていたので、4人で預かり所から出た。
その後本棟の出入口前で待ち合わせる約束をして3人と別れた。
10分ほど出入口前で待っていたら、3人がスポーツバッグを下げて駆けてきた。
そこまでしなくてもいいとは思うが、そういったところは好印象だよな。
いつものようにハンバーガーショップに行きハンバーガーセットを4人とも頼んだが俺も含めて全員ポテトは大だった。
2階に上がって4人席でいつものように食べたのだが俺のリュックはテーブルの下の真ん中に置かれた。
ポテトをリュックに入っているタマちゃんにやるためだ。
ポテトを手に持ってテーブルの下に下げるとリュックから金色の手が伸びるという寸法だ。
3人がタマちゃんにポテトをやるので、俺は黙ってポテト大を食べた。
3人と別れた俺はダンジョンワーカーに立ち寄って大剣用の肩掛けの剣帯を探したものの見つからず、店の人に聞いたら扱っていないと言われた。
うちに帰ったらネットで調べて注文しよう。
ダンジョンワーカーを出た俺は、うちの近くまで転移で戻り、防刃ジャケットを出していたクリーニング屋に寄って受け取ってきた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
1.名無し
サイタマダンジョンAランク冒険者用情報スレその27(66)。マナー厳守。
次スレは>>950を踏んだ方。
20XX年8月5日 22:15
2.名無し
>>1.スレ立て39
20XX年8月5日 22:20
……
231.名無し
山田池で奇人発見!
20XX年8月7日 20:31
232.名無し
>>231.何それ?
20XX年8月7日 20:32
233.名無し
山田池の近くでいきなりパン1になって池に飛び込んだ男がいた。そのまま沈んだから山田氏の再来かと思ってたら、3分ぐらいしたら浮き上がった
20XX年8月7日 20:33
234.名無し
>>233.3分も見とったんかい。その前に助けてやらんかい!
20XX年8月7日 20:34
235.名無し
>>234.われ、かなづち。スマソ
20XX年8月7日 20:35
236.名無し
>>235.それはすまなんだ
20XX年8月7日 20:36
237.名無し
>>233.それだけ?
20XX年8月7日 20:37
238.名無し
>>237.それだけや。ただ、そのパン1男、周りに女子高生みたいな冒険者3人侍らせとった
20XX年8月7日 20:38
239.名無し
>>238.詳しく
20XX年8月7日 20:38
240.名無し
>>239.それだけや。スマソ
20XX年8月7日 20:40
241.名無し
その男は何で飛び込んだんやろな?
20XX年8月7日 20:41
242.名無し
女子高生に3分も息止められるって見栄張ってそれで飛び込んだんと違うか?
20XX年8月7日 20:42
243.名無し
>>242.それじゃ、全くアホやん
20XX年8月7日 20:43
244.名無し
>>243.アホじゃなきゃ飛び込まんだろ?
20XX年8月7日 20:44
245.名無し
>>244.せやな
20XX年8月7日 20:44




