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サイタマダンジョン  作者: 山口遊子


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第132話 26階層5。春休み前


 何だか夢を見たハズなのだが目覚めたら忘れていた。



 ダンジョン行きの支度を終えた俺は「行ってきます」と玄関を出たところで通りを歩いていく結菜が目に入った。

 向かいの住人ではあるが実に久しぶりだ。

 いつかのテニス以来じゃないか?

 あれって去年の夏休みのことだから、ずいぶん経つなー。


 などと感慨にふけっていたら、結菜は俺に気づかないまま通りの角を曲がって見えなくなってしまった。


『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず』

 世の中は無常だなー。


 ま、そんなものだろ。

 転移!


 専用個室経由で26階層の階段下の石室に転移した。

 26階層は貸し切りのハズなので非常に気分がいい。

 大きな声を出そうが大きなおならをしようがおとがめなしだ。


 俺はリュックを床に置いて壁際に立ち、タマちゃんに出してもらったサンドイッチを頬張った。

 サンドイッチはあっという間に食べ終えたので、次は調理パンを食べることにした。

 今日の調理パンはコロッケパンだ。

 甘めのソースのかかったコロッケはまだ温かいし、パンもふわふわ。

 食べ終わって緑茶のペットボトルからお茶をゴクゴクと飲んで朝食は終わり。


 行くぞ!


 そこからとにかく扉を開けていき、出会った爬虫類スケルトンをストーンバレットで破壊して諸々をゲットしていった。


 7時10分ごろから仕事を始めて1時間ほど作業を続けたところで、緑茶のペットボトルから一口緑茶を飲んで、次の扉に手をかけた。


 ストーンバレットを撃つ心づもりで扉に手をかけ、左手で扉を押し開いたら、部屋の中には爬虫類スケルトンはいなかったが、その代り5階層で出くわした転移を使う赤い大ウサギがいた。

 実際同じ種類かどうかはわからないのだが、とにかく同じ転移ウサギと思っておこう。

 前回はタマちゃんの偽足でからめとってしまったけれど今度は何回転移できるのか数えてやる。

 となるとメイスの方がいいな。


 前回何度かリュックを攻撃されていたので、今回は入り口にリュックを置き2本のメイスを手に持って赤ウサギが待ち構える石室の中に入っていった。

 

 扉から3歩ほど進んだところ赤ウサギが消え、いきなり背中に衝撃を受けた。

 痛くはないがビックリする。

 これで1回。

 振り向きざまにメイスを振ったが当然のように空振りした。

 これで2回。

 少し離れたところに赤ウサギが現れたので、そこに向かって走り寄ったらまた消えて背中に衝撃を受けた。

 3回。

 再度振り向きざまにメイスを振ったがこれも空振りした。

 4回。

 どうせ後ろからくると思っていたのでメイスを適当に振ったらヒットしてしまった。


 メイスに手ごたえはあまりなかったのだが赤ウサギはある程度のダメージを受けたのか、いったん後方に転移した。

 5回。


 仕切り直しのつもりだろうが、ならばこっちは魔法攻撃だ。

 ストーンバレットを撃ちだし、その後赤ウサギの横に転移してやった。

 赤ウサギはストーンバレットを転移で回避しつつ俺の背中を狙って転移したようだが、空振りした。

 ザマー見ろ!

 これで6回。


 再度俺はストーンバレットアンド転移。

 赤ウサギは転移でストーンバレットを回避して、そして空振り。

 7回。


 そろそろ面倒になってきた。

 空振ってまだ空中にいる赤ウサギの頭部目がけてストーンバレットの代わりにファイヤーアローを撃ってやった。

 白い光の筋は赤ウサギに転移の時間を与えず、赤ウサギの頭部は蒸発してしまった。


 10回も我慢できずに殺してしまった。


 入り口に置いていたリュックを背負い直してタマちゃんに首なし赤ウサギを処理してもらい、赤い核を手に入れた。

 前回と同じ核なのか? はっきりは覚えていないが似たようなものだろう。

 

 赤ウサギ退治の後は今まで通り爬虫類スケルトンしか現れなかった。


 午前の部を終えて手に入れたのは赤い核1つと24個のクロ板。それに付随した諸々(もろもろ)


 午後からの4時間で手に入れたのは22個のクロ板とそれに付随した諸々。

 4時半で切り上げた俺は専用個室に戻って、係の人を呼び出し核を買い取ってもらった。

 赤ウサギの赤い核はやはり評価待ち。

 66個の核で買い取り総額は4309万円

 累計買い取り額は76億7241万7000円となった。


 係の人が部屋を出て行った後に、丸盾と剣と銀の宝箱を積み上げてからうちに戻った。




 翌日も朝の7時から夕方4時半までクロ板を回収し、午前午後合わせて70個のクロ板と付随した諸々を手に入れた。

 今日の核の買い取り総額は4564万円。


 赤ウサギの核は前回の物よりも大きかったようで7000万円の買い取り価格だった。

 これに昨日の丸盾など代金2508万円が加わり、累計買い取り額は77億6749万7000円となった。


 これで3連休が終わり、明日からは期末試験の解答が返ってきてそして春休みだ。



 うちに帰った俺はクロ板の内訳をそのうち河村さんに聞かれるだろうと思い、表を作っておいた。


 明かりの魔法×51

 水を作る魔法×52

 炎の矢を撃ちだす魔法×26

 石のつぶてを撃ちだす魔法×22

 罠を解除する魔法×21

 解毒する魔法×18

 ケガを治す魔法×29

 疲れをいやす魔法×25

 力を増す魔法×16

 素早さを増す魔法×12

 宝箱を開ける魔法×15

 罠を見つける魔法×13

 合計300個。

 ちょうど切りのいい数になった。



 週が明け、月曜日。学年末試験の解答が半分戻ってきた。結果は予想通りうち漏らしなし。



 学校からうちに帰ったらスマホにメールが届いていた。

 見ると斉藤さんからだった。

 急だけど3月26日に一緒に潜りたいということだった。

 俺の高校は3月26日から春休みだったので『それでいいよ』と返事をしておいた。

 約束の時間は9時。待ち合わせ場所は渦を抜けた1階層の中としておいた。


 そのあと、彼女たちを2階層に連れて行くことを約束していたと思いだしたので手続き方法を調べたら、ネットで手続きできるようだった。

 ただ、日付と連れて行く階層のほか、連れて行く冒険者の冒険者番号を記入する必要があったので、斉藤さんに3人の冒険者番号を教えてくれとメールしておいた。

 30分ほどして3人の名まえと冒険者番号が返ってきたのでそれを画面に打ち込んで手続きを終えた。


 その後スマホで累計買い取り額を確認したら、前日の丸盾などの代金が累計買い取りに加算されていて、累計買い取り額が77億9409万7000円となっていた。



 火曜日。期末試験の解答の残りが戻ってきた。

 今回は採点ミスもなく全教科満点だった。

 同率1位の可能性はあるが学年末試験で学年1位は確実だな。



 翌日の水曜日は終業式とホームルームで終わった。

 俺は掃除当番だったので教室の掃除をして、最後にゴミ箱をゴミ捨て場に持っていって教室に帰ってきた。


 他の連中には先に帰っていいと言っていたので教室には俺一人のはずだったが、哲学3人組の鶴田たちが教室にいてゴミ箱を置いた俺の所にやってきた。


「長谷川、明日俺たち揃ってダンジョン免許取りに行くんだ」

「ほう。

 難しい試験じゃないから3人とも簡単に通るだろ」

「それで、明々後日しあさってなんだが、長谷川、良かったら俺たちと一緒にダンジョンに入ってくれないか?」

「いいぞ。

 ちょっと事情があるので待ち合わせ場所なんだが、ダンジョンセンターの本棟の中にダンジョンへの出入り口の渦があるんだ。

 3人とも知ってるか?」

「もちろん知ってる」「「うん」」

「待ち合わせ場所はその渦を越えた先にしたいんだ。

 渦の先でボケッと立ってると後ろから渦を抜けてくる冒険者に追突されるから少し避けたところで立っていてくれ」

「分かった」「「了解」」


「待ち合わせ時間は俺の方はいつでもいいぞ」

「じゃあ、9時にするかな。

 坂田と浜田はそれでいいか?」

「大丈夫」「OK」

「じゃあそういうことにしよう」


「ところで長谷川」

「なんだ?」

「実際のところ長谷川のランクっていくつなんだ?

 和田たちは長谷川のことをBランクだと思ってるらしいけれど、ホントは違うんだろ?」

「何でそう思う?」

「いつぞや長谷川が自称冒険者の上級生に絡まれたことがあったじゃないか?」

「それも4人だとか」

「Bランクってはっきり言ってまだ素人だろ?

 ただのBランクで1対4のケンカとなれば、あれほど落ち着いてはいないと思うぞ」


「お前たちの観察力は大したものだな。

 お前たちが知っているかどうか知らないが、Bランクの16歳はいない」

「知らなかった」「「俺も」」

「そしてCランク、Dランクの16歳もいない。

 そのかわりSランクに16歳の冒険者がひとりだけいる」

 俺はここで言葉を切った。


「うん?」「「長谷川、何を言っている?」」

「……、えっ! まさかお前?」

「長谷川、ホントなのか?」

「ええ!!」

「そのマサカだ!

 明々後日しあさって俺の冒険者証を見せてやるよ」


「うわー!」

「Sランクに成るためには何億もダンジョンで稼いでないと成れないんじゃなかったか?」

「5億だったか?」

「いや、あれって確か10億じゃなかったか」

「長谷川、10億も稼いでたのか?」

「そういうことになるな」


「「うわー」」

「それであの成績か?」

「まあな」

「うわーー」

「ややこしいから他の連中には内緒にな」

「分かった」「お、おう」「了解」


 3人が落ち着いたところで俺たちは教室を後にした。



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― 新着の感想 ―
事実をぶっちゃけられる友達(ほぼ一般人)って素敵やん?
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