悪役令嬢。
「わ、わたくしの死ぬ間際の叫びが神を殺すまで……」
わたくしそこまでのご理解は望んでいませんわ!!
ご迷惑おかけしたことをちょっと言い訳したかっただけですの!!
マジのドン引きですわ~。
パウリナ様の光魔法が発動しなかったのは神が殺されたからですのね!
「え? じゃあわたくしのシスターになると言う希望は一体……」
「タチアナ……」
アルフレド王子が怖いお顔でこちらを見つめていますわ!
「ヒッ!? なな、なんですのアルフレド王子……」
思わず小さな悲鳴を上げてしまいましたわ。
怖いですの、恐ろしいですの、恐怖ですの!!
「タチアナ・イロフスカヤ公爵令嬢にアルフレド・デリウスがプロポーズをするよ」
「ア、アルフレド王子は、粘り腰ですのね、か、可愛らしい事」
お姉さんとして余裕ぶって見せたいですけど声が震えますわ。
アルフレド王子は憎らしいほどの良いお顔をしていますわね。
真剣な表情が可愛らしいですわ。
わたくしの跳ね上がる鼓動は、もはや期待なのか恐怖なのか興奮なのか自分でも訳が分かりませんことよ!
アルフレド王子がスっと片膝を付きわたくしを見つめました。
「アルフレド・デリウスのすべてをタチアナ・イロフスカヤに捧げる。
貴方が望むならこの世のすべてを与えよう。
ボクの喜びも悲しみも絶望も希望もすべて貴方の物だ。
命だって惜しくない。
ボクと結婚して欲しい」
わたくしの心臓はまるで握りつぶされたように鼓動を止めてしまいました。
何と言う真摯で真っすぐなプロポーズなのでしょうか。
「わたくしおっさんですのよ?」
アルフレド様は何も言わずただ黙ってわたくしを見つめ続けています。
「アルフレド様は変態ですわ」
……大層お顔がよろしいこと。
可愛いの天才ですわ!
け、結婚したいですわーー!!
十数年もアルフレド様をお慕いしていた自分に嘘は付けませんわね。
わたくしも変態でしたのね。
「分りました。プロポーズをお受けいたします」
しょうがありませんわね。
神殺しの大魔王から逃げられる気がしませんの……。
「ありがとうタチアナ、君の事を幸せにするよ」
普段クールなアルフレド王子がものすごくいい笑顔をなさってますわ!?
その笑顔を見ているとわたくしも幸せな気分になれましたの。
「……わたくし幸せですわ」
――――
次の日から結婚式の準備が始まりました。
せっかちですこと。
まあ、わたしくも同じ気持ちですけど。
悪役令嬢として転生したわたくしは第一王子との結婚式をつつがなく終え。
神が死んだ世界のお姫様として幸せにくらしましたとさ。
めでたしめでたし。
なんだかんだで子供も12人生まれましたわ。
おしまい。




