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【書籍版】若返りの錬金術師~史上最高の錬金術師が転生したのは、錬金術が衰退した世界でした~  作者: えぞぎんぎつね
二巻 3月15日発売!

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09 発毛剤の作成

ついに明日、3/15に二巻発売です!よろしくお願いいたします!

「盾には錬成陣を使って対魔法効果もつけておこう」


 俺は素早く錬成陣を描いていく。


「鎧の時は着ていたので、わかりませんでしたが、そうやって描くのですね」

「あくまでも俺のやり方だがな。錬金術師によっていろいろなやり方がある」


 俺のやり方は先のとがった棒にペーストを付けて錬成陣を描いていくのだ。

 錬成陣を描く対象によっては彫ることもあるので、筆ではなく棒にしている。


「魔法で描く方法もあって、それが一番速いのだが……」

「問題があるのですか?」

「ああ、臨機応変さにかける」


 頭の中にある錬成陣の設計図を思い浮かべながら、魔法を操ることになる。

 設計図は複雑だし、錬成陣を描く魔法も非常に複雑なのだ。


 複雑な作業を二つ同時にやると、間違いが多くなる。

 だから、錬成陣の設計図を意識にのぼらせなくても描けるぐらい脳に刻み込む必要があるのだ。


「同じ錬成陣を大量に刻み込む場合は魔法が最適なんだがな、一つ一つ別の錬成陣を用意する場合は手で描いた方が速い」

「そうなのですね」

「騎士団の鎧、数百領に錬成陣を描くといった場合は、魔法を使ったほうがいいだろうな」

「そういう仕事を依頼できるよう、がんばります!」


 騎士団の鎧に錬成陣を描くということは錬金術が認められたということだ。

 なるべく早くそういう状態になればいいと思う。


「頼む……っとこれでよしっと」


 描き終わった錬成陣に間違いがないか確認した後、発動させる。

 錬成陣は光って消えた。



「本当に跡形もなく消えるのですね」

「正確には、見えないだけで消えてはいないんだがな。うん。これでばっちりだ」

「ありがとうございます! これで王宮に帰った後も錬金術をアピールできます!」

「頼んだ、あ、そうだ。まだ、時間はあるか?」

「はい、時間はありますが……」

「カタリナの従兄殿、尚書閣下に薬を作ろう。カタリナ。リアを抱っこして少し待っていてくれ」


 リアは気持ちよさそうに机の上で眠っている。

 赤ちゃんなので必要な睡眠時間が多いのだろう。


「見学してもよろしいですか?」

「もちろんだ。ならば、寝ているリアを抱っこしてついてきてくれ」

「はい!」


 俺はカタリナを連れて錬金釜のある場所へと移動する。

 ガウがその後ろをついてくる。すると、グルルまでついてきた。


 正直、グルルが来ると狭い。


「グルル、少し待……」

「……ぐぅ」

 だが、グルルが哀れそうな目でこちらを見ながら鳴くので、あきらめた。


「グルル大人しくしてるんだよ」

「ぐる~」

「寂しがり屋なのですね」

「体は大きくても、グルルはまだ子供なんだろうなぁ」

「可愛いですね」


 カタリナに撫でられて、グルルは「るるぅー」と嬉しそうに鳴いた。



 そして俺は、皆に見守られながら、発毛剤兼育毛剤を作っていく。

 基本はガウにいつも塗っている物と同じである。

 ガウと尚書では、毛髪を失った理由が違うが、どちらにしても正常な毛が生え替わる周期が阻害されていることには変わりないのだ。


 つまり、材料はヒールポーションの主原料のケルミ草と、キュアポーションの主原料であるレルミ草だ。

 ヒールポーションの身体の回復しようとする力を高める作用を利用し、ダメージをうけた毛根を癒す。

 そして、キュアポーションの身体の恒常性機能を向上させる作用を利用し、生え替わる周期を整えるのだ


「肝心なのはバランスだな」


 大やけどで毛根が損傷したガウの発毛剤兼育毛剤はヒールポーションよりだ。

 だが、尚書は毛根の損傷より生え替わり周期の異常が問題だ。


 キュアポーションの比重を高めて、組み合わせて作っていく。

 ただ混ぜ合わせればいいというわけではない。


【物質変換】を駆使して分子構造からいじりながら生成していく。

 製作難度は普通のポーションよりも高いのだ。


「やっぱり錬金釜とかガラス瓶があると楽だな」


 それらが無ければ、混ぜる際に空中で保持する魔法を使う必要がある。


 生成に集中していると、

「ルードいるか?」

 家の外から呼びかけられた。ギルバートの声だ。


「私が出ますわ」

「頼む」


 カタリナが玄関の方へと走っていく。


「おおっ、え? あ、殿、あ、カタリナさま……さん」


 ギルバートは慌てているようだ。

「殿下」と呼ぼうとして、俺がいることに気付き「さま」をつけかけて「さん」にしたらしい。

 どうやら、ギルバートはカタリナが王女殿下だと知っているらしい。


「カタリナでよい。それにルードさまは私の事情をご存じだ」

「そうでしたか」

「入るがよい」


 相変わらずカタリナは、俺に対する口調と、それ以外に対する口調の違いが大きい。


「あ、はい。殿下はルードの家に泊まられたのですか?」

「もちろんだ。当然、ギルバートも知っていただろう?」

「いや、まあ、はい。知っておりましたが……」


 いくら昨夜の戦いが激戦だったとしても、いや激戦だったからこそ、王女が行方不明になれば、大騒ぎになる。

 騒ぎになっていないということは、カタリナがどこにいるのか騎士団は把握しているということだ。

【読者の皆様へ 作者からのお願い!】


1巻は発売中! 2巻は3月に発売になります!

よろしくおねがいいたします!


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