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【書籍版】若返りの錬金術師~史上最高の錬金術師が転生したのは、錬金術が衰退した世界でした~  作者: えぞぎんぎつね
一巻 アース・スターから発売中!

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50/108

50 魔王軍襲来の後始末。

50話で一巻の初稿は終わりです。実際の書籍はこれを改稿し、書き下ろしを加えてあります。


3/15 2巻が発売です!


 俺は【物質移動】で暴風を吹かせ、矢を防ぎながら、大きな声で叫んだ。


「安心しろ! この地竜は手懐けた!」

「え? ルードの兄貴?」「うおおおお!」

「さすがルードの兄貴だ……」


 俺を知る冒険者たちが、驚きや安堵、尊敬の混じった色々な声をあげる。


「あれが、噂の……」「地竜を手懐けるとは」

「魔人殺しのルードヴィヒ」


 俺と面識のない騎士たちも冒険者たちの反応を見て、俺が誰か理解したようだ。

 騎士たちもどうやら俺の名前は知っているらしい。

 話が早くて助かる。


「ルード! 魔人はどうなった?」

 ひときわ通る声は冒険者ギルドのマスター、ギルバートのものだ。


「きっちり仕留めた! 安心しろ!」

「見事だ!」

 ギルバートが嬉しそうにそう言うと、


「「「うおおおおおおおおおおおおおっ!」」」

 冒険者も騎士たちも歓声を上げる。


「地上にいるやつらは任せろ」

「ありがたい! 城壁を登ってきたやつの対応だけで精いっぱいなんだ!」


 ゴブリンとオークは必死に城壁を登ろうとしている。

 人族の匂いを嗅いで、色々な欲を刺激されて我を忘れているのかもしれない。


「そりゃそうか。ゴブリンもオークも、ただでさえ人を襲うのが好きだったな」

 ゴブリンもオークも、人肉が好きだし、人族の女を犯すのも好きなのだ。


「地竜、はね飛ばせ」

「ぐる~」


 地竜は勢いよく突進し、オークやゴブリンをはね飛ばして行く。

 俺も【物質移動】で石を適当に飛ばして、倒していく。

 すぐに追いついたカタリナとガウも、ゴブリンたちを次々に仕留めていった。



 ゴブリンとオーク連中が全滅するまで三十分かかった。

「ルード! 見事な魔法。いや、錬金術だったな」

 城壁からロープをたらし、するすると降りて来たギルバートがそんなことを言う。


「ああ、人族には錬金術の方が魔法より相性がいいからな」

「向こうにも敵の死骸が転がっているんだろう? 後片付けはこっちに任せてくれ」


 俺はここ数日、偵察したり防壁を作ったり、薬を作ったりで大忙しだった。


「それは助かる。頼めるか?」

「ああ、ルードは安心して休んでくれ」


 すぐに休みたいのはやまやまだが、確認しないといけないことがある。


「怪我人はどうだ?」

「たくさん出たが、ルードのヒールポーションのおかげで皆無事だ」

「それは良かった。俺の診察が必要なものは?」

「それも大丈夫だ、安心してくれ」


 何よりである。

 これで俺も安心して休めるというものだ。


「それじゃあ、後始末は頼んだ。すまないな」

「ゆっくり休め。ルードがいなければ、王都は壊滅していたぞ。ありがとう」


 そしてギルバートは俺の乗っている地竜を撫でる。

 地竜は大人しく撫でられていた。


「まさか、地竜を手懐けるとはな……。ルードにはいつも度肝を抜かれる」

「魔人に支配されてここまで連れてこられたんだ、放置したらかわいそうだからな」

「こんな巨大な竜を恐れずに哀れに思うとはルードはやはり違うな」


 変なところにギルバートは感心していた。


「地竜の従魔登録もやっておくよ」

「ありがとう、助かる。用があったら自宅に来てくれ」

「ああ、わかった」


 俺は後を全てギルバートに任せると、王都の外、北側にある自宅へと戻る。

 なぜか、カタリナが付いてきた。


「カタリナは、王都に戻らなくて良いのか?」

「まだ、敵がおそってくるやもしれませぬゆえ!」

「そうか」


「それに、まだ聞きたいことがありますゆえ!」

「そういえば、そうだったな」


 リアが魔人から魔王と呼ばれていることと、俺が千年前の人間であること。


「なんと説明すれば良いのか」

 考えながら、歩いているうちに、自宅に到着する。


「そういえば、壁で覆っておいたんだったな」


 高さ十メトルを超える幅の広い頑丈な壁だ。

 これでは避難民たちが戻ってきても中に入れない。


 それに日あたりも最悪である。

 とはいえ、夜盗やゴブリンの侵入を防ぐのに壁は有用だ。


 自宅と集落を囲む壁は高い壁は、高さニメトル程度まで下げておく。

 そして、四方に門を作っておいた。

 夜以外は開放しておく形にしておけばいいだろう。


「……あとは住民のみんなと相談して決めよう」

 自宅前まで地竜で移動する。


「お前は家の中に入れないな」

「……ぐるぅ」


「折角だ、小屋を作っておいてあげよう」

「ぐるるぅ!」


 地竜は尻尾から頭の先まで測った体長が十メトルはある。

 大きな小屋が必要だ。


 二十メトル四方で、高さ十メトルの小屋を作る。

 俺の家よりは一回り小さいが、充分大きい。

 地竜が口で開閉できる扉も取り付けて完成だ。


「お見事です! さすがルードさん」

「ぐるぐうるるる」


 甘えたように、地竜が俺に頭を押し付けてくる。


「いつもはこの小屋にいなさい。人に噛みついたらだめだよ」

「ぐるぅ」


 名前も考えてやらかねばなるまい。


「うーん。そうだなぁ。お前の名前はこれからグルルだ」

 我ながら素晴らしいネーミングセンスである。


「グルル!」


 グルルも嬉しそうに鳴いている。喜んでもらえてよかった。

 そして、俺はガウとリア、そしてカタリナと一緒に自宅に入って、眠りについたのだった。

【読者の皆様へ 作者からのお願い!】


この作品を読んで、少しでも


「面白そう」

「続きが気になる」

など思っていただけましたら、


発売中の書籍を買っていただけるとうれしいです。

1巻は発売中! 2巻は3月に発売になります!



ついでに、ブックマーク、並びに、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします!

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