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5月26日 地獄への招待券

5月26日


 行きの電車にて、ノースリーブのきれいなおねーさんが隣に座ってくれた。お肌がすべすべ過ぎてビビった。


 研究室の到着は0910くらい。お泊りしたのは羽鳥、水瀬、青松、柳下、そして銀さんらしく、朝から数人の人の気配を感じた。


 で、柳下が珍しく眼鏡をかけており、真島さんも眼鏡をかけ、とうとうM0全員が眼鏡になったかと思いきや青松がコンタクトにしていた。いろんな意味で期待を裏切らないやつだと思う。


 ゲームはマ●オカート、テ●ス、ス●ブラ、スターフ●ックス、ゴールデ●アイなど様々なものをやったらしい。銀さんはゲームにのめりこんだせいでそのまま泊まることになったのだそうだ。


 ゲームつながりってことで例のPSPを大画面で楽しめるケーブルのパッケージを開けようとしたら、親指の付け根をざっくりと切ってしまって超痛い。舐めても血がじわじわと染み出てくる。腹が立ったのでパッケージをゴミ箱にダンクしておいた。


 午前中はそんな感じでグタグダすごす。とはいえ、衣笠先生に聞かなければいけないことがあるので斎藤さんと話を詰める。昼ごろになって衣笠先生の時間が空いたのでお話合いを始めることに。


 そのおかげでようやくやるべきことがしっかりくっきりと見えてきた。【検閲済み】をなぜやるのかってのも、【検閲済み】をなぜやるのかってのも全部全部わかった。詳しいことをここに書くと大変なことになるのでもらったメモを参照しておくこと。


 問題もいくつか。新しい試験片で実験を進めていくにしても、ひずみゲージの取り付け位置がかなり面倒なことになってくる。そもそも『つけない』って選択肢は最初からないようなもので、ナットに付けると反応性は非常に悪く、新しい試験片は【検閲済み】の接合面を無視する方向で話を進めるため、【検閲済み】が小さすぎで【検閲済み】本体に取り付けるのもまた難しい。


 まずはこのひずみゲージの取り付け位置を決め、そこから寸法を決めていこうってことになった。あと、銀さんにも解析をやってもらうために簡単なデータの取得が命じられた。


 一昨年の学部生は就活が長引きすぎたせいで、マジで今の時期の私らと大して変わらない状況(成果)で卒論を仕上げたらしい。うらやましいような、うらやましくないような……。


 その後、衝撃の新事実が発覚。


 なんか知らんけど学会に出ることになった。絶望。


 唐突すぎて言葉を失う。選択肢も事前情報も全くなっしんぐ。しかも、柳下や羽鳥、青松はでない。どうしてこうなった。


 とりあえず、テーマ名と百文字概要を作って来いってかんじで落ち着く。【検閲済み】解析がメインだから実験値はそのまま衣笠先生のものを使っていいらしい。


 ただ、一年かけて修めようと思っていたことを、この三か月でなんとかする羽目になったってだけだ。なかなかにタイトなスケジュール。クソが。


 仕事を抱えすぎたので衣笠先生自らの実力で運動大会の運営を誰かに丸投げすることになった。このままいろんな仕事を投げてしまいたい。


 ……でも、たぶんどうせこのまま私が中心となって進めることになるのだと思う。昔からそうだ。運もタイミングも何もかもが致命的に悪い。


 なんやかんやで午後は台所回りの備品を買いに真島さん、世良さん、水瀬と外へ繰り出す。百均にて水受けトレーなんかを買い、薬局にてジ●イ(詰め替え含む)を買い、最後にマ●バスで麦茶パックを購入する。


 なんとも驚くべきことに、世良さんは生涯一度もガ●ガリくんを食べたことがなかったらしい。あまりにもアレなのでその場で食べてもらった。もちろん私の奢りである。私ってばマジイケメン。


 やはりクソ暑いときにはガ●ガリ君に限る。なんだかんだでオーソドックスなソーダが一番おいしい。コーンポタージュとかトチ狂ったものなんてつくらないで従来のものをどんどん高める努力をするべきだと思う。


 研究室に帰宅後は水回りの掃除をした。頑固な汚れも金たわしにかかればイチコロだ。石垣と一緒にゴシゴシしまくったから台所が超ぴかぴかになった。きらりと輝くそれにうっとりとする。


 ひずみゲージがいつの間にか届いていたのはラッキー。今度銀さんに取り付けてもらおう。衣笠先生は封筒についていた八十円切手をぺりぺりしてた。節約っていいことだと思う。


 そうそう、柳下からこないだの複合材料の力学特論の課題について報告があった。なんか15°間隔でデータを作ったから曲線がイマイチだったとのこと。ささっと作り直して大海先生に提出した。


 明日から麦茶の量産体制に入る。あと、お泊りもしようと決意する。みんなで夜更かししてゲームをするなんて何年振りだろうか。


 昼の一時間だけで一年間でやるべきことが三倍以上になった気がするが、なんとかやるしかない。これからは堂々と他人に仕事を任せようと思う。


 最後に。


 青松へ。誕生日おめでとう。

 今まではただのチュートリアル。


 本番は、これから。

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