表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放系婚約破棄令嬢な私は追放系チート王子様と道連れに  作者: えとう蜜夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/17

十二 生きていくために(レイノルド視点)

 彼女なら馬車のからくりやアイテムボックスを見せても構わない気がした。


 これらは錬金術から派生したスキルだった。


 鞄や服にアイテムボックスは付与されていることが多い。では馬車だって問題ないだろう。


 そう思って開発した。やっとものになったものだ。


 アゼリア嬢ならむやみに言いふらしはしない。そんな気がした。


 彼女は最初驚いたものの。どんどん順応していった。


 乳兄弟のアドニスにも丁寧に対応していたし、いつもの横暴な物言いではなかった。


 昔は高飛車だったけれど大人になったのかもしれない。彼女は王国の庶民の今の暮らしをみて憤っていた。そう言えば昔から正義感が強かったな。


 今の彼女なら王妃としても十分責務も果たせるだろう。


 リーダイも父もどうしてあんな愚行を犯したのか。


 彼女の行き先を尋ねると、生活費を稼ぐために冒険者になると話したので、とりあえず一緒に行ってみようと提案してみた。


 アゼリア嬢とのやり取りを思い返していると、御者台に顔を出したアドニスに尋ねられた。


「ロータス公爵令嬢のことはどうされますか? このままお連れするのでしょうか?」


 心配そうなアドニスに、


「彼女をこのまま放りだすわけにもいかないよ。ご令嬢がこんなところで一人になるとどうなるか分かりきったことだろう? それにもうロータス公爵家と彼女は関係ないので公爵家の庇護も期待できそうにない」


 世間知らずの彼女がドレスや宝石をだまし取られて、娼婦か奴隷落ちというお決まりのパターンが目に浮かぶ。それはなんだか許せなかった。


「そうですか。ではレイノルド様のおっしゃる通りに」


 何故かアドニスも安心したようだった。それなら最初から聞かないでくれ。


「アゼリア嬢はお前も覚えているだろう。王宮で彼女は俺に優しかった唯一の……」


 魔法なしの俺にも普通に接してくれた少女。


 彼女は誰に対しても我儘で自分ルールを押し通した。


 光魔法の使い手に相応しい光いっぱいの少女。


「そうですね。あのお可愛らしいままでしょうね」


 アドニスも目元が綻んでいた。だから俺も微笑んでみせた。


「そう人間は変わらないさ」

お読みいただきありがとうございました。

ぜひ、いいね、評価、ブックマークをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ