表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無題のシナリオ。~ぼくとあの娘のTRPGリプレイ~  作者: 蒼蟲夕也
3章 ファンタジー編『終末の再会』
30/74

第29話 B

(過剰なまでに整理整頓されたワンルームで、三人の男女が向かい合っている。

 一人は、どこか哀しげな目をした中年男。

 もう一人は対称的に、十代半ばほどの、勝ち気な娘。

 そして最後に、――ふわりとした栗毛が特徴的な、おっとりとした顔つきの娘だ)


(男は、少し困惑した顔つきでフリー音源のBGMを流し始める。

 彼らの物語が始まるのだ)


――……で。

 ええと…………あなたは、どなた?


B「うち、綾部(あやべ)牡丹ぼたん、申しますぅ」


――はあ。牡丹ちゃん。

 で? なんでAちゃんは、この娘を連れてきたわけ?


A「そりゃあもぉ! ……二人目の勇者を連れてきたのですっ」


――え。二人目?


A「前のセッションの最後に、次のシナリオは二人用だって言ってたでしょ? ですので! せっかくだから、牡丹ちゃん……いや、Bちゃんを連れてきました!」

B「よろしゅうに」


――あー……なるほど。ちなみにBちゃんのTRPG歴は?


B「オンライン限定ですけど、だいたい一年くらい、でしょか」


――へーえ。結構やってるじゃないか。システムは?


B「『クトゥルフTRPG』の6版が主で、あとは『アリアンロッド・サガ』とか、『ダンジョン&ドラゴンズ』の5版とかをちょっとずつ摘まんだ感じです」


――へえ。でもなんか、意外だな。きみみたいに若い子が……。


B「TRPGは最近、ネット配信者さんがたくさんプレイしていて、けっこー人気なんですよ!」


――ってことは、ネットから入った感じ?


B「そおですねえ」


――まあどんな時代も、最初は真似っこから始めるのが普通か。


B「おじさまも、そういう感じだったんですか?」


――うん。私の場合はほとんど、身内の影響だけれど。


B「そーなんや」


――ちなみに、今回遊ぶ『えんぴつTRPG』のルールは……?


B「ばっちり、Aちゃんから手ほどき受けてます。学校の休み時間中にね」


――おや。そうかい。……学校、行ったのかい。


A「…………ふんふん!」


――(なんだか、嬉しそうだ)

 ちなみにこのシステムは、私たちが学生時代に作った簡易ルールであることを付け加えておく。

 だから、後期に書かれたシナリオになるにつれて、どんどん新しいルールが追加されていったりするんだ。


A「あ、そうなんですか。……ちなみに、今度のシナリオは?」


――二ツほど、追加要素がある。

 Aちゃんは、魔神フォルターのコトを覚えているかい。


A「覚えてるかって……そりゃーもう! あたしが間違って蘇らせちゃった魔神でしょう?」


――そう。

 フォルターは、”ヒューマン”を皆殺しにするためだけに召喚された、恐るべき魔神だ。

 今回のシナリオはそんな、”魔神フォルター”が召喚されてしまった世界線の物語である。


A「召喚……えっ。それってつまり、とんでもないことが起こった後ってこと?」


――そう。

 この世界では、全ての”ヒューマン”が全滅してしまっているんだよ。


A「えっ。……ってことは実質、前回の続きじゃないですか?」


――そうとも言える。


A「ま、まさか、バッドエンド後の世界線が存在するとは……! なんでそんなシナリオがあるんです?」


――諸事情あってね。


B「シナリオライターさんの趣味、的な? こっち側のルートの方が話が膨らむから、っていう」


――まあ、そんなところだ。

 ……というわけで、きみたちは今回、”ヒューマン”以外の種族をプレイしてもらう。その際、種族ごとの特性を獲得してもらいたい。それが一ツ目の追加要素だ。


A「なるほど。ちなみに、”ヒューマン”以外の種族というと、他に何があるんですか?」


――”エルフ”、”ドワーフ”、”ホビット”、”獣人”、そして”転移者”と呼ばれるものだ。


A「ほうほう。最初の四つはなんとなくわかりますけど、……”転移者”というのは?」


――”転移者”は……まあ要するに、ぼくたちの世界から転移してきた現代人、って感じの連中だよ。


A「へえ。それっていわゆる、”なろう”系ってヤツ?」


――まあ、そんな感じかな。

 ちなみにこの世界において、”転移者”の数は少なくない。各街に”転移者”グループがあるくらいには、彼らの存在は一般的だ。


A「なるほどぉ」


――ではさっそく、キャラクターの作成を初めてくれ。


A「りょうかい!」

B「はいな♪」


(コロコロ……カキカキ……)


A「あ、ちなみに、能力値の下限は、合計35で間違いありませんね?」


――うん。


(コロコロ……カキカキ……)


A「ふーむ、悩ましい……Bちゃんは、なに系で行きます?」

B「うちはこういうとき、回復役っぽいスキル、選びがち」

A「あたしは、さっさとぶん殴って終わりにしたいタイプ」

B「ほな、バランスとれてちょうどええかもね♪」


(コロコロ……カキカキ……)


A「できました!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 キャラ名:シュリヒト

 種族:獣人

 体力:7

 精神力:7

 筋力:7

 知力:4(+1)

 五感:10(+2)


 設定:純真無垢な獣人族の少女。

 頭はそんなに良くないが、優しい心を持っている。

 かつて”ヒューマン”に命を助けてもらったことがあり、滅びてしまった彼らを再びこの世に戻すべく、冒険者となった。


●種族特性

《獣人:猫族》:”知力”能力値を+1、”五感”能力値を+2する。

《夜目》:暗い場所にいても、松明なしで行動できる。


●覚えたスキル

《剣術(初級)》:剣を使った命中判定に、【+1D6】する。

《必殺剣Ⅰ》:精神力を2消費して、剣を使ったダメージを【+3】する。

《第六感》:奇襲攻撃、事故によるダメージロールの前に宣言できる。その後”筋力”判定に成功することで攻撃を回避できる。

《狩猟技術》:山・河の近くで休憩した場合のみ使用可能。狩りによって獲物を獲得する。効果は捕らえた獲物によって変動する。

《雑学》:三種類まで、そのキャラが詳しい雑学を設定する。それに関連した行為判定の難易度が1段階下がる。


●初期装備

 ロングソード……両手武器/攻撃力1D6+2/命中率16/射程:接近/75G

 チェイン・メイル:装甲+6。300G

 治癒ポーション ×1:50G

 冒険者セット:50G


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


――なるほどなるほど。結構思い切った前衛キャラで来たなあ。

 ……っていうかきみ、また《雑学》とったの? 前回役に立たなかったのに。


A「いいんです! いずれこのスキルが役に立つ時が来ますから! たぶん!」


――ふーん。そうかい。


【To Be Continued】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ