第五話 魔道具作り
次の日、俺は日の出と共に目を覚ました。
ベッドから降りてカーテンを開け外を見ると、当たり前だが一面にまだ少し薄暗い王都の町並みを一望することができる。そんな景色をもっとよく見たいと窓も全開に開け放ち、新鮮な外の空気を吸い込もうと目一杯に身体を乗り出す。すっかり見慣れてしまった低い視点から見る町並みも良いが、こうやってあまり見ることの無い高い視点から見る王都の町並みも良いものだな。
こんな見晴らしの良い景色を見ていると昨日あれだけ慌て狂ってしまった俺が恥ずかしく、それに馬鹿らしく思えてくる。と同時にその要因となったあの出来事すらも些細なものでしかないと思えて……思えてこない、だと?
あ、あれれえ、おっかしいなー。ここは昨日の事を気にするのはもう止めて心機一転して頑張ろう! ……的な感じになると思ったのだが、何故だか些細な出来事と片付けてしまってはいけないと俺の勘がそう囁いてくる。俺の勘はかなりの確率で的中するので結構な信頼を置いている。なので今回も何か大事な事があるのかもしれないが、つい昨日それに従った所為で大変な事態に陥った経験をしたばかりなので一概に絶対とは言い切れないが……。
しかしこれからフランさんが来る間、何をして過ごしていようか。太陽の位置から推測するにフランさんが俺を起こしにくるまではまだ一、二時間くらいはあるだろう。少なくとも一時間はあるとして、その時間をどうやって潰していればいいのだろうか。
パッと思い付いた案はいくつかある。散歩、剣の手入れ、魔道具作り、二度寝の四つだ。
先ず散歩だが、これはあまり良い案とはいえないだろう。勝手に王城から出て城下をぶらぶらと散歩したと仮定して、もしも時間感覚を忘れて帰りが遅くなってしまったら怒られてしまうだろうしな。じゃあ城内を軽く散歩するのは、……と考えても駄目だ。そもそも俺は王城内部の構造を把握している訳ではないので道に迷う可能性が非常に高いし、万が一にも立ち入りが禁止されている場所に入ってしまったら大変だ。まあそういう場所には警備の兵士が居るだろうが騒ぎを起こすのはなるべく避けたいしな。
剣の手入れに関してはまあ悪く無い案だとは思うんだが、あまり時間を掛けずにあっという間に終わってしまうんだよな……。剣の能力に見合わないファフニールとの戦闘によりかなり無茶をしてしまったので、刃溢れで済ませられないほどボロボロになってしまった。なので今日やらなくとも近い内にはやらなければならない事の一つではある。
魔道具作りは完全に俺の趣味の部類に入るだろうが、これは色々と試行錯誤することが出来るのでちょっとした時間にやるには最適だと思う。まあその所為で俺の亜空間の中には山ができてしまう程の魔道具があるが……。凄く便利なものから何に使うんだよと過去の自分に問いたくなってしまうようなものまで様々だ。一度それを含めて亜空間の中を整理しないといけないと考えているんだが、気が滅入ってしまうんだよな。
最後に二度寝だが、これもアリだとは思う。フランさんが起こしに来てくれるまでずっと寝ていれば何もせずに時間の経過も気にすることなく過ごせるしな。だが俺はもうかなり目が覚めてしまっているので寝付くのに時間が掛かって結局あんまり寝られなさそうだが……。
……よし、剣の手入れをしてから魔道具作りでもしているか。まあ、手入れの方は本当にあっという間なんだが……。
亜空間から短剣を取り出し、鞘から抜き放つ。
「うわー、これは酷いな……」
ファフニールに直接剣で攻撃したのはほんの数回くらいしかなかった筈だが、それだけで酷い有り様になってしまっていた。
刃はボロボロと錆びたような惨状と成り果てており、数ヶ所に至っては完全に欠けている部分も見受けられる。刀身も真っ直ぐだったものが右に左にと僅かに曲がってしまっている。状態で判断するなら最悪だ。精々スライムを狩れるかどうかってくらいだろうか。
「『エンチャント』」
そんな事を思いながら俺は短剣に付与魔法を掛ける。
今回この短剣に使用した魔法は〝自動修復〟というもので、徐々にだが確実に本来の姿へと修復していくというものだ。この利点は放置していても自動修復の効果が付与魔法の掛かっている間ずっと持続する所だ。今回はそこそこ気合い入れて付与したので暫く放って置けば元通りになっているだろう。
「さて、次は……」
呟きながら俺は既に修復が始まっている短剣を床にゆっくりと置き、亜空間から取り出した魔石や鉱石、宝石、魔力の籠った木の枝なんかを適当にテーブルの上に散らばらせる。この前のスタンビートで倒したファフニール以外の魔物の素材は全て王様にあげてしまったが、それでも【魔界】にいた頃に手に入れたものなら腐るほどある。なので材料が無くなってしまうことは当分ないだろう。
ソファーに座りその感触を楽しみながら暫くそれらの材料をじっと眺め、その中から黒色の魔石と透明の宝石をつまみ上げる。どちらも拳よりも少し小さいくらいの大きさだ。
「っ……!」
集中して魔石が溜め込んでいた魔力をゆっくりと魔石の外へと引き出し、それが周囲の空気に溶け込んでしまう前に宝石へと流し込む。左手に持った魔石は輝きながら魔力を放出していき、その光がまるでそれが当たり前かのように右手に持った宝石の中へと入っていく。段々と宝石の内部に魔力が溜まっていき、魔石が発する光が弱まるにつれ逆に宝石が強く輝きだす。
遂に魔石の光が完全に消えると左手には唯の石が握られていた。これは魔石の特性で、魔石が溜め込んでいた魔力を全て取り出してしまうと普通の何処にでもある石になってしまうのだ。
魔石のでき方には二つの種類がある。長い年月をかけて石に魔力が溜まっていって出来たものと、高密度の魔力が密集して魔石が出来るものの二つだ。
前者は地下深くや魔力溜まりで生成されるので一概に石だけという訳ではなく、他の鉱石や何かの結晶といったものにも言える。だが殆どが石が魔石になるだけで、鉱石などは更に長い年月を費やさなければ変質することはない。そして気が遠くなるような時間によって生成されたものがオリハルコンやヒヒイロカネ、アダマンタイトといった鉱石だ。これらは非常に貴重なもので、それぞれが突出した性能を持ち合わせている。
後者は主に魔物の体内に生成される事が多い。更に詳しくいうと魔物の体内で最も魔力が密集しやすい心臓が魔石へと変化する。角を持った竜と持っていない竜との実力に大きな差が生まれるのと同じで、魔石を持った魔物と持っていない魔物とでは実力に大きな差が生じる。まあ、流石に魔石を持ったとしてもスライムがオーガなどに勝てる訳は無いが……。
そんな石に成り果てた魔石をテーブルに戻し、手元にはいまだに輝きが衰えていない宝石だけが残っている。
「『エンチャント』っと……。出来た」
付与魔法を掛け、宝石の内部に小さな魔方陣があるのを確認してから俺は満足そうにそう言った。
普通の魔道具なら魔方陣を刻む必要はないのだが、今回は少し大規模な魔道具を作ってみたくなったのだ。ものにもよるが、規模の大きい魔道具には魔方陣を刻んで安定させないといけない。勿論そんな面倒な事をしなくても魔道具を作る事は出来るのだが、もしこれを怠った場合に魔道具が正常に作動するかは別問題だが。
「よし、この調子でどんどん作っていくぞー!」
そう言って、俺は同じような魔道具をいくつも作っていった。
──それが原因で城内が大騒ぎになるとも知らずに。
◆◆◆
此処は騎士団がよく訓練に使用する王城と城壁の間にある芝生の生えた空間で、周囲にはまばらに植えられた木が何本か植えられているだけだ。
今日も何時ものようにその場所で多くの騎士が朝の訓練を行っていたのだが、そんな時に一人の兵士が駆けてくるのが見えた。
「た、大変です騎士団長様!」
あまりの慌てようにその場にいた騎士は何事だと手を止めてその兵士を見やる。
「どうした。何があったんだ」
その様子に騎士団長であるグラデュースも何かがあったのだと理解し、真剣な表情で兵士に問いかける。
すると片膝を地面についた兵士が口を開いた。
「報告します! つい先程、王城内部で高密度の魔力反応が確認されました。反応は直ぐに消えましたが、その後も断続的に続いているとの事です! そのため警戒体制をとり、魔力反応の原因を突き止めろと国王様が……」
「何だと!?」
その報告を聞き騎士団長は勿論、その場にいた騎士達もざわめきだす。
王城内部というあまりにも大雑把な説明に、それがどんな影響を及ぼしているのかすら分かっていないという情報が乏しい状況。重要な所だけが綺麗さっぱりと抜け落ちているが、それでも緊急事態だということは全員が理解できた。
(一体何が起きているんだ……! ……くっ)
グラデュースは少しの間そう頭の中で思考したが、直ぐに時間の無駄だと悟りざわついている騎士達の方へと振り返る。
「訓練は中止だ! 総員武器を取り、王城の警備に全力を注げッッ! 怪しい者を発見し次第、集団で囲んで取り押さえろ! 急げッ!」
「「「「「はっ!」」」」」
騎士団長の指示に騎士達は忠実に命令に従って木剣を捨て真剣を手に取り、それぞれが王城の警備へと散っていく。
それを見届ける事なくその場を立ち去ったグラデュースは城内を全速力で走っていた。
(早くアランと合流しなければ……!)
魔法師団ならば報告を受ける前から魔力反応に気付いて行動を起こしているだろう。城内を闇雲に捜索するよりも魔法に長けた者と行動した方が確実に効率が良い。──と、グラデュースは走りながらそう考える。
通路を曲がるとその先には魔法師団長のアランが数人の魔法師を連れていた。
「……っ、アラン!」
「おお、グラデュース。報告は聞いたか?」
丁度、上へと続く階段を上ろうとしていたアランは突然声を掛けられた事に驚いたようだったが、その声の主が誰かを知り嬉しそうにそう言った。
その間にグラデュースはアランに追い付き、呼吸を整える。
「嗚呼、それでお前なら分かるんじゃないかって思ってな」
「当たり前じゃ。魔力反応はこの上からきておる」
アランは自慢げにそう話し、手に持った魔法杖で上を指す。
それにグラデュースは内心でやはりとアランの凄さを称賛しながら笑みを浮かべた。
「行くぞ」
「うむ!」
そして二人はあっという間に階段を駆け上がっていった。
残された魔法師達はというと、暫く呆けていたがはっと我に返って急いで二人の後を急いで追い掛けていった。
◆◆◆
暇潰しを始めてから一時間くらい経過しただろうか。
テーブルの上に広がっていた魔道具を作るために亜空間から取り出した様々な材料は、遂に最後の魔道具を作り終えた事で底を尽きた。
「よっし、完成……!」
最後に作った魔道具をテーブルの上に置き、今回の魔道具作りで出来上がったそれらを眺める。
宝石の内部に魔方陣が組み込まれたものや、見た目は唯の形の良い木の枝のようなものや、大きい金属の塊のような魔道具など色々と作ってみた。
「ふう、……ん? 足音……か?」
達成感というものをひしひしと感じていると、何やら部屋の外から足音が聞こえてきた。一瞬もうメイドのフランさんが俺を起こしに来たのかと思ったのだが、どうやらそうではないような予感がする。足音も一人のものでは無いようだし何か走ってるっぽいし、何かあったのだろうか?
まあ、俺には関係無いだろうし、少し散らかってしまった部屋でも片付けながら過ごしてい……。
「──ッ!?」
呑気にそんな事を考えていたら、何故か俺の部屋の扉がバーンと強引に開けられる音が聞こえた。ビクッと身体を震わせながらも何事だと扉の方へ視線を送るとそこには見知った顔ぶれが立っていた。
一人はこの国の騎士団長のグラデュースで、扉を蹴破った体勢のまま此方を恐ろしい形相で睨んでいる。とてもご機嫌だとは言い難いその表情に思わずぎょっとなってしまう。
もう一人は同じくこの国の魔法師団長のアランで、この人も明らかに此方に研ぎ澄まされた鋭い敵意を飛ばしている。そして手に持った魔法杖を此方に向けて……。
「──『フレイムバースト』ッッ!」
本気で魔法を撃ってきた。
「うわああああっ!?」
俺は咄嗟にアランが放ってきた火魔法の方へと片手を向け、部屋一杯に膨れ上がった真っ赤な炎が俺へと到達する直前にぎゅっと何かを握るような動作をした。
すると今にも俺に直撃して部屋の中で派手に爆発しそうだったアランの魔法がまるで最初から無かったかのように一瞬で消え失せた。
──っって! 何だよこの二人は! 突然部屋の扉を蹴破ったかと思ったら俺を殺すくらいの勢いで攻撃魔法ぶっぱなしてきやがって、どういうつもり何だよおい! というかこの部屋に何の用事で押し入ってきたんだよ!?
「何っ!? 儂の魔法がっ!?」
「ふう、危ねえだろうが! ……って!」
この短時間で色々と言いたいことが出来た二人にそのまま説教をしてやろうと考えていたのだが、全く話を聞こうとしない二人は再び攻撃を仕掛けてきた。
アランの魔法を消し去った途端、今度はグラデュースが手に持った物騒な大剣を抜き放ちながら斬り掛かってきたのだ。
「はあああッ!」
「く……っ!」
大きく振りかぶってから真っ直ぐに振り下ろされた大剣は凄まじい勢いで俺の頭をかち割ろうと迫ってくる。
アランの本気の火魔法を消し去るために右手を使ってしまったので今は左手しか空いていない状況だ。普通ならもう何をしても間に合わないと考えてしまうかもしれない。だがまあ、こうも馬鹿正直に攻撃してくれたのなら別に対処するのには左手さえあれば事足りるのだが。
俺は迫り来る大剣の剣先の動きを見切り、それを左手でしっかりと摘まんで受け止める。
「俺の剣を片手でっ……!?」
「こ、の……落ち着けええっ!」
これ以上この部屋の中で魔法をぶっぱなされたり大剣を振り回されるのはマジで勘弁してほしいので、大剣を押し返しつつ余裕ができた右手でグラデュースの顔面を殴り飛ばした。
すると……。
「がッ!?」
「なっ……。……っ!」
「「「加勢に……ぐはあっ!?」」」
おお、何かよく知らないけど爽快だったな。
簡単に説明すると後ろに吹っ飛んだグラデュースがアランに直撃し、それで止まることなくアランを巻き込んで更に吹っ飛び、丁度良く加勢に駆け付けた魔法師の三人も巻き込んで通路の壁に激突した。……って所だな。
何はともあれこれで騒ぎが静まった事だし、ゆっくりと事情を訊くことが出来るな。全く、もし今の騒動で魔道具が発動したらどうするつもりだったんだよ。自慢じゃないが俺が作っていたのはかなり強力な効果のばかりなんだぞ。しかも使い捨てのものが大半だから発動条件は魔道具そのものの破損だし、もし今の騒動で魔道具が壊れて発動していたらかなりまずい事になってたんだからな?
「おい、何時まで転がってんだよ。さっさと起きろ」
そう声を掛けると呻きながらグラデュースとアラン、それに魔法師達が立ち上がる。
「ん? おお、オルフェウス殿じゃないか! こんな所で会うなんて奇遇だな!」
……いや、ここ俺の部屋だから。
っていうかなーにが〝奇遇だな〟だよ! 勝手に部屋に押し入った挙げ句、俺のこと思いっきり殺そうとしてきたじゃねーかっ!
「お主、此処で何をしておるのだ?」
こっちの台詞だわぼけえええっ!
お前ら二人して俺を馬鹿にしてんのか!
「此処、俺の部屋なんだけど……!」
もう一度殴ってやろうかと拳を震わせるが、向こうはもう戦う気はない様なので我慢する。
「む、そうなのか? それは済まなかったの。此処らへんで不審な魔力を感知してな、その調査に来ていたのじゃ」
「そんで、此処だっ──て思った部屋に人がいたんで取り敢えず取り押さえようとしたって訳よ!」
嘘つけ! 〝取り押さえようとした〟だと? あの何処が取り押さえようとしていたって言うんだよ!? 完全に敵意丸出しで容赦なく魔法ぶっぱなしたり斬り掛かってきたじゃねーかっ。
……ん? 〝不審な魔力〟ってまさか……。
「…………その不審な魔力って俺の所為かもしれない」
「そうだったのか! なら俺の勘は正しかったって事だな!」
グラデュースが嬉しそうにいやー良かった良かったと続けて言った。
これから散々説教してやろうと考えていたが、不審な魔力の原因が俺の魔道具製作にある可能性が高い……と言うか確定なので説教はまた次の機会のようだな。二人が此処に来たのもその調査だと言うのだし、それなら強引に押し入ったのもそもそもの原因が俺にあるんだから仕方無い。
「お主の所為、とは。一体何をしていたんじゃ?」
「嗚呼、魔道具を作っていたんだよ」
俺はテーブルを指差しながらそう言った。
「何っ!? お主は魔道具を作れるのか!」
「これがそうなのか?」
アランがとても驚いたように俺の指したテーブルへと視線を辿らせる。
するとそこには俺がアランと話している間にテーブルまでやって来たグラデュースがいて、魔力を抜かれて石となったものを持ち上げながらそう訊いてきた。
「ちげーよ!」
こいつは隠れ天然なのだろうか。テーブルに置かれているものは今グラデュースが手に持っているような何個かの魔石の成れの果てを除いて全て魔道具だというのに……。見るからに魔道具っぽいものとか普通にあるだろうになぜ真っ先にそれに手を伸ばしたのだろうか。
するとグラデュースは持ち上げた石をテーブルに置き、また違う唯の石を手に取ろうとして寸前でそれを取るのを止める。そして今度はちゃんと魔道具を持ち上げて言った。
「じゃあ、これか?」
「石以外はみんなそうだよ」
これは本当にグラデュースが天然という可能性が出てきたな。何で俺が違うと言ったものを当たり前のように取ろうとしてるんだよ。こいつもしかして戦闘以外はからっきしとかなのか? ……いや、〝天然〟と書いて〝バカ〟と読んだりする方っていう可能性もあるな。
アランも此方に歩いてきてテーブルに置かれている魔道具の一つを手に持ってまじまじと眺める。
「確かに魔道具じゃ……。どう言ったもの何じゃ?」
興味を持ったようでアランがそう訊いてきた。
「それは火魔法が使えるやつだな」
「随分と大雑把じゃのう……」
アランが見た目は形の良い木の枝のような魔道具を見ながら俺の説明に目を細める。
「だってそれ、魔力さえ足りれば火魔法なら何でも使えるぞ?」
「……は?」
俺の言葉を聞くなり、アランはポカンとした顔をしながら動きを止めた。
ま、ここまでの魔道具を作るまでにかなり努力してきたからな。結構の出来だと俺は自負しているが、二十年が経過した世界でも通じるものなのだろうか……。
「……凄まじいの」
……良かった。
「なあ、これは何だ? これこれ」
そんな時、グラデュースがまた何かを持ってそう訊いてきた。
そちらを向くと……。
──またしても唯の石を持っているグラデュースの姿があった。
こいつ……!
短めの更新とか以前いった筈なのに……。
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そして来年も頑張ります!




